インターが学校をあげて醸成する”チャリティマインド”。子どもはチャリティから何を学ぶのか

「チャリティマラソンに参加します」
「家庭にある保存のきく食べ物を寄付として持ってきてください」
「この活動に学校として賛同するので、保護者からもチャリティをお願いします」

等々、インターナショナルスクールに在籍していると実に様々なチャリティへの呼びかけがあります。

今の学校がクリスチャン系のインターナショナルスクールだから、というだけでなく、インド系インターのGIISにいる時も、シンガポールでのインターナショナル幼稚園でもそうでした。

私の義務教育時代にやった募金と言えば、赤い羽の共同募金と緑の羽の共同募金でした。
何度か気になってネットで調べたのですが、記憶力の悪い私はすぐに忘れてしまうので、今でもその両者がいったいなんのための募金なのかちゃんとわかっていません…。

先生から「明日は赤い羽の募金があるから保護者からお金をもらってきなさい」と、帰りの会で言われ、翌日名札ケースの中にもらったお金を入れて登校し、募金をしたら羽がもらえた…。

こんな記憶です。


こんな私が初めて自分の意思で「募金をしたい」と思い、自分の意思で募金をしたのは阪神淡路大震災の時でした。

小学生の頃でした。テレビで報道される惨状を見ていてもたってもいられなくなり、近隣のスーパーに設置されていた募金箱の前へ行き、自分の大切なお小遣いをチャリンと入れて「どうか、困っている人、苦しんでいる人の役に立ちますように」と箱の前で祈りました。

それからしばらく、自分の募金したお金は誰に、どんなふうに役に立ったのかな…と考えたりもしました。

それが、私の中での”チャリティ”の原体験でした。

誰に、どう役立つチャリティか

自分がお金や物を提供するのであれば、それが何の役に立つのか、どう使われたのか、を知ることは大事だなぁだと思います。

インターでたびたび開催されるチャリティで感心することは、
・チャリティに学校として参画する目的
・どんな人に、どんなふうに役立てられるのか
・結果、どの程度のお金や物品が集まったのか
・募金先からの報告やコメント、感謝
について、きちんと説明があることです。

私自身、自分が特に賛同する活動に関しては結構募金をします。子どもたちやや女性に対するものが多いかな。自分なりに調べて、自分の募金をきちんと役立ててくれそうなところへ募金をします。

個人的には、やはりそうした目は自分の子どもにも養って欲しいと思っています。
そういう意味において、インターでチャリティに触れる機会が多いことはとても良いことだと感じます。ですが、別にインターだから、というよりは私の時代に比べたら今の時代は募金活動や署名活動が盛んになっているように思います。

世界で起こっていることを自分ゴトに

「国際バカロレア(IB)はMYPになると激烈に難しくなる」説の是非の中でも紹介しましたが、インターの特に国際バカロレアでは、世界で起こっている問題を自分ゴト化して、気候変動や富の格差などの問題を理科的・社会的・数学的に学ぶなど360度全方位から学ぶというスタイルが浸透しています。

チャリティの場面でも同じく、募金や物品提供をする前に、その意義を学校としても提示し、それに賛同する場合のみ参加、というスタイルをとります。

生徒達は、そこに自分自身が賛同できるのか、きちんと見極めチャリティに参画します。

納得できることに、納得できる金額を

我が家の方針としては基本的に、「親が賛同して出すお金」と「子どもが賛同して出すお金」を分けることにしています。

やはり自分の身銭を切らないと、誰のために役立つのか、ちゃんと役立てられるのか、までちゃんと追えませんよね。大人の私でもそうなのですから、子どもならなおさらです。

たとえ100円でも自分のお財布から出すとなれば、息子もちゃんと調べて自分が納得できるチャリティなのか、見極めます。(親のお金だと思うとすぐ気軽に使おうとするから(➖-➖).。oO)

そして、自分の今の所持金と自分の思いとで相談して、納得した募金額を決めます。

「お前募金なんてすんの⁉︎金持ちかよw」という嘲笑なんか物ともしない

息子のチャリティでの興味の対象は、やはり親の影響なのか、例えばマクドナルドがやっているマクドナルドハウスなどへの興味がすごく高いようです。

息子自身が最愛の祖母が重い病気を患った時、もっともっと病院で付き添いたい、そばに居たい、と何度も何度も泣いた経験もあるのかもしれません。

地元の友達とマクドナルドに食べに行った際、自分の今月のお小遣いから100円を募金しようと決めていた息子は、小銭をチャリンとレジ横の募金箱に入れました。

それを見た友人2人は「え〜お前100円も募金しちゃうの⁉︎金持ちかよ!」と言って笑いました。後ろからその様子を見ていた私はちょっと心配になりましたが、当の息子はケロッとして様子で「え⁉︎募金するだろ!」と切り返し。

「マクドナルドハウスってすげーいい活動だと思うんだよね俺」
そう言ってバーガーと受け取って席を探す息子に、ちょっと頼もしさを覚えた母でした。

自分の納得する活動に、自分の納得できる金額を。
自分が受けてきた恩恵を、社会や自分が心を届けたいと思う相手に届ける…Payforwardという考え方、ありがたくもインターで培ってもらったな、と思いました。

小さいうちからそうやって自分自身もバトンを渡していく存在として認識する…大事だなぁと感じました。



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