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シンガポールでのメイドさんエピソード 人生初の具なしオイル入りお味噌汁

シンガポール時代は、母子単身赴任ということもあり、住み込みでメイドさんを雇っていました。
共働きが多く、高齢化も進むシンガポールでは、全世帯の1/4が雇うくらいメイドさんは主流です。

以前書いていたブログから、いくつか移管してこちらに残してまいりたいと思います。



雇ってから数日しか経っていないメイドさん。
しかも、Fresh Maidさんといって、今までメイドのお仕事をしたことがなく、フィリピンから来たばかりの方でした。

最初からいろいろやるのは大変だろうから、と「今日の夜は作れそうな物だけ作ってくれればいいですよ〜。冷蔵庫にもいろいろ入ってるから」と言って仕事へ出ました。

19時過ぎ、お腹を空かせて帰宅してみると、「うさぎのご飯!?」と思ってしまうくらいのほんの数切れのピーマンの焼いた細切りと、お肉のかけらのようなものが1つ。。。

ちょっとびっくりしていると「ごめんなさい、息子さんがほとんど食べちゃって…」

あー、なるほど。うちの子がほとんど食べちゃったのね。と思いつつ、かなりお腹もペコペコだったので困りました。毎日こんな状況では困ってしまうので

「じゃあ、これからは1つのお皿に盛り付けるのではなくて、それぞれの分をそれぞれに分けてお皿に盛ってくれる?そしたら解決ね!
あと、もしかすると、調理してくれた料理が少し少なかったのかもしれないね。うちの子結構たべるから」と私。

「OK Ma'am ところで一応味噌汁もあるんですけど…初めて作ったからあまり自信ないんですが…」と自信なさげに言うメイドさん。

どう考えても腹0.1分目くらいの量の料理を前に少し途方に暮れていた私はがぜん元気が出て「まだあるのね!ぜひ持ってきて!」と伝えました。

持ってきてくれた器の中身をみて、オヤっ?

具がない・・・?沈んでるだけ・・・?

試しにお箸ですくってみたけれど、何も浮かんできません。


それは、具の入っていないお味噌汁でした。

そして、よくよく見ると上に油が浮いてる…!?

なんだろう?とおもってすくって飲んでみたら、すぐにわかりました。

オリーブオイルです。


先日、我が家に初めて来た時に家の中全体の説明をしていた時、
「我が家では健康のためにオリーブオイル使ってるから、料理するときはいつもオリーブオイル使ってね」と言ったのを思い出しました。


これは、オリーブオイルをひいてから、お水を入れて、お味噌を溶かしたもの。

お腹はぺっこぺこでしたし、残念な気持ちはありましたが、
ある意味彼女が愛おしくすら思えてしまいました。

初めての外国、初めてのメイド業、そして初めての家庭での調理。そんな中で味噌汁に挑戦した上、私の言葉を忠実にまもったメイドさん。

これからいろいろ教える事はたくさんあるでしょう。でも、彼女の素直さと、新しいことに挑戦しようとするところ、いいな、とおもいました。

日本に一時帰国した時、「住み込みのメイドさんなんて、めっちゃいいね!」とよく友人からは言われました。
もちろん、助けていただいたことばかりですし、感謝することだらけなのですが、最初はやはりお互いにかなり大変です。

特に、一度も日本人に雇われたことのない方を雇うと大変でした。
和食の作り方はもちろん自分で教えなければいけませんし、お洗濯の仕方も物凄い量の洗剤を入れてしまったり、お掃除でもおトイレを拭いた布でそのままテーブルを拭こうとしたり…と、さすがにこれは!ということも多数ありました。

まだまだ色々メイドさんとの逸話があるので、また追って紹介していきたいと思います!


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