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置いていく日常

なにかあるかも知れないし、なんにもないかも知れないし。そんな日常の中でふと見つけた出来事や思い浮かびを、ゆるりとここに置いていきます。
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2024年4月の記事一覧

そこからテープをひっくり返す

花瓶を買った。握り拳くらいの小さな淡いオレンジの一輪挿し。今まで使っていた同じくらいのサイズの陶器の花瓶もとても良い感じだったけど、たったのちょこんとサイズでも小棚の上に濃いめのグレーがあるのと淡いオレンジのがあるのとで部屋の雰囲気がこんなに変わるとは思わなんだ。ついついちらちらと見てはにやにやして、これはかなりお気に入りかもしれない。 良い買い物をすると、それがどんなに些細な物でも十分心はうきうきする。

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バスローブ膝上ペルシャ猫ワイングラスおじさん

何となくAmazonプライムで日本の映画作品を見ていたらチュッパチャプスを舐め回しているパソコンマニアが出て来て、更にその先も見ていたら今度は悪の親玉がでっかい水槽の中で悠々と泳ぐピラルクに餌をあげていた。 ドラマや映画の中に出てくるキャラクターの印象は、未だに古来からある「いわゆる」なアイテムや服装を使っていたりするから、そう言う場面に出くわす度、これはもうこの先もずっと他に打つ手はないのだろうかと思ってしまう。やさぐれた探偵は何時の時代も草臥れた革ジャンを羽織っているし、

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そこからの井の頭線の最後尾

渋谷から改札を通って井の頭線の最後尾に乗り込んだら外の方から怒鳴り声のような声が聞こえて来て、何事かとちらりと顔は向けたけど犯人を確認するでもないまま視線を戻してポケットからスマホを取り出した。近くにいてその声に反応した何人かの人達もそんな感じの対応で、ちらりと一瞬目を向けただけで直ぐまた自分の時間に戻って行った。と思ったら今度は逆方向から子供の泣き叫ぶ声が聞こえて来て、私を含めた皆がちらりとそっちの方を向くけどやっぱり出処をしっかり確認するわけでもなく、各々再び元の体勢に戻

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全ての理不尽を一身に受けてそれでも全然へこたれない

子供の頃に劇場へ見に行っていた、声が変わる前のドラえもんの映画を最近ずっと見ていて、そしてようやく一通り見終わった。皆こんな声だったなぁ、なんて懐かしさに浸りながら、ワンルームでおじさんが一人涙で毎回目を潤ませて。「大人も泣ける」みたいな謳い文句が子供向けのアニメ映画に使われ始めたのは、確か何年か前のクレヨンしんちゃんの映画がそう言う口コミで話題になってからだった気がするけど、思えば子供の頃に劇場で見ていた時は全く泣いてなんていなくて、ただただワクワクドキドキハラハラしながら

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