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【Season2 Vol.12】 JATO ATCリレー: 五明 浩一郎さん

【Season2 Vol.12】 JATO ATCリレー: 五明 浩一郎さん

JATO ATCリレー Season2の第12走者は、石黒 正高さんからのバトンを受け取ってくださった、五明 浩一郎さんです。

五明さんは、石黒さんが現職へ移られる前の元同僚でいらっしゃいます。日本ラグビーのトップチームで長きにわたり活躍されている五明さんにお話を伺いました。是非ご一読ください!

ATCになろうと思ったのはいつですか?またその理由を教えてください


高校3年の春に、海外留学を支援する会社のチラシをたまたま見たことが最初です。もともとスポーツが好きで、スポーツに関する勉強を大学でしたいと考えていましたが、具体的な将来像を描けずにいました。そのチラシでアスレティックトレーニングという学問・職業があると初めて知りました。とてもワクワクした気持ちになり、自分の将来がその一瞬で決まった感覚でした。

今、どんなお仕事をされていますか?


現在は、コベルコ神戸スティーラーズというラグビーチームでチーフアスレティックトレーナーとして活動しています(所属:(株)プロフェッショナルトレーナーズチーム)。石黒さんと同じく、チーム内の様々な人達とコミュニケーションを取るのが1番の仕事です。一般的なトレーニングルーム業務の他に、ストレングス&コンディショニングコーチ達と共に全選手の体調を考慮して練習内容を調整したり、リハビリ選手のスケジューリングをしたり、COVID-19感染予防対策の立案と実施、医療機関受診調整などを行っています。その他、アスレティックトレーナー業務とは若干異なりますが、今のチームをさらに良くするためにはどうしたら良いかなどをフロントスタッフ、現場マネージメントスタッフとともに協議したりしています。

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ご自身の仕事の好きなところ、やりがいを感じることについて教えてください。


一言でいうと、不透明な事象をよりクリアにすることでしょうか。ラグビーは外傷がつきものです。外傷が起きた際は全てがグレーです。どういった怪我なのか、リハビリが必要な怪我なのか、手術が必要な怪我なのか、競技復帰までにどれだけかかるのか、など不透明なことが多いです。それを一つ一つクリアにして選手にとってもチームにとってもベストな選択に導くことができた時はやりがいを強く感じます。

様々な業種の方がチームに在籍されていますが、その方々とコミュニケーションを取る時に大切にしていることを教えてください。

選手ファーストで考えることを大切にしています。様々な業種の方がチーム内にはいますが、皆、一つの同じ目標に向かって仕事をされています。最終的にはチームのため、選手のためになるようにコミュニケーションを取っています。

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アメリカでの学生アスレティックトレーナーまたはインターン時代に苦労したことや大変だったことはありますか?


言葉の壁はもちろんありましたが、それよりも学ぶ姿勢の違いに馴染むのに苦労しました。アメリカ人の学生は授業中も実習中も楽しそうでした。オンとオフの切り替えもうまくできていて、充実しているように見えました。自分は目の前の課題・テストに必死で学ぶ事を楽しむことができませんでした。今思えば勿体ないことをしたな、と少し後悔しています。

在米中に経験したことで、今の仕事に活きていることがあれば教えてください。

上にも書きましたが、楽しみながら仕事することを意識しています。アスレティックトレーナー業務は肉体的にも精神的にも大変なことが多いですが、楽しみながら、気持ちの余裕を持って仕事することを今では心がけています。

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コベルコ神戸スティーラーズは多くのATCを抱えていますが、ラグビーのアスレティックトレーナとしてATCで良かったと思う事を教えてください。またATCを多く抱える事で見えてくるメディカルチームとして目指す所はどこですか?(前回の石黒さんからのご質問です。)


とても答えにくい質問ですね(笑)。スティーラーズには自分も含めて、現在4名のA T Cが在籍しています。教育的バックグラウンドが同じなので思考プロセスが似ているところで、やりやすさは感じます。しかし、バックグラウンドが似ているので、見方に偏りがでたり、治療のバラエティが少ないなどの問題もあります。そこは毎月勉強会を実施し、知識と技術の向上を図るようにしています。神戸のメディカルチームは多様性と人としての成長に力を入れています。資格や経歴にしばられず、互いに切磋琢磨し成長できる環境を今後も作っていきたいです。

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五明さんとって、ATCは<ひとこと>で言うと、どのような職業ですか?またその理由を教えてください。


スポーツ現場、フィットネス現場におけるコンサルタントのような仕事ですかね。様々な問題を客観的に評価し、解決方法を見つけ出し、問題の解決に至るまでの計画を立案・実施するのは、外傷の評価から競技復帰までのプロセスにとても似ていると思います。

【編集後記】 五明さん、日々の業務でお忙しい中、ご質問にお答えいただきどうもありがとうございました。今の五明さんのご活躍は、アスレティックトレーニングとの劇的な出会いから始まったのですね!この職業が好きで心から楽しまれている様子が伝わりました。さて、次回はバトンが海を越えて行きそうです。お楽しみに!

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