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AU#34:Roundtable on Preseason Heat Safety in Secondary School Athletics: Prehospital Care of Patients With Exertional Heat Stroke 『高校におけるシーズン前の暑熱対策に関する有識者会議: 労作性熱射病患者の病院前救護(プレホスピタルケア)』
Reference 国土交通省気象庁. “日本の年平均気温”. 2024-01-14更新. 2024-04-27閲覧. https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_jpn.html. Hosokawa Y, Murata Y, Stearns RL, Suzuki-Yamanaka M, Kucera KL, Casa DJ. Epidemiology of sudden death in organized school spo
AU#32: 関節可動域を測定するための臨床的に利用しやすいスマートフォンアプリケーションの信頼性と妥当性:システマティックレビュー
まとめ 2007年から2018年の間で出版された37件の研究結果と本論文のシステマティックレビューより、ROMを測定する際にスマートフォンが信頼的かつ妥当なツールとして使えることが明らかになってきました。スマートフォンを一人一台手にする現代において、角度計がそばになくても、スマートフォンさえあればいつでもどこでもROMが測れる時代になりました。もちろん、スマホを角度計の代わりとして使う際の注意点やプロトコルの明確化などの課題はありますが、測定する場所・環境や身体の関節部位によ
プロサッカー選手におけるハムストリングス損傷後競技復帰の予測因子としてのBritish Athletics Muscle Injury Classification System
まとめ 今回紹介した論文では、浮腫の長さ、断面積、および筋肉内の損傷部位・組織を考慮した肉離れBAMIC分類システムが、プロサッカーにおけるハムストリングス肉離れ後の競技復帰までの日数と関連していることがわかりました。一方で、BAMIC分類システムにおいて分類基準とされている各項目とRTPとの間には有意な相関は見られませんでした。したがって、本論文からは、浮腫の長さ、断面積、および筋肉内の損傷部位・組織を競技復帰の予測因子としての有用性に関しては、さらなる研究が必要であるが
AU#24「軽微な筋線維の壊死を伴う筋損傷後のアイシングは誘導型一酸化窒素合成酵素表現型マクロファージの侵入を制限し、筋再生を促進する」
まとめ 2021年の報告では、肉ばなれを模した筋損傷にアイシングを行うことで、炎症性マクロファージの到着が遅れて炎症の開始が遅れ、さらには抗炎症性マクロファージへの切り替えも遅れて炎症期が長引くことで、筋再生が遅れてしまうといった結果でした。今回紹介した研究では、圧迫による軽微な筋損傷を対象としています。つまり、運動によって起こった軽微な筋損傷にはアイシングは有効で、肉ばなれなどの重度な筋損傷にはアイシングを行わない方がいい可能性があるということです。ただ、これらの研究結果は
AU#23 慢性足関節不安定症の患者において、バランストレーニングは視覚依存を修正しない:システマティックレビュー・メタアナリシス
論文概要 まとめ 足関節捻挫や前十字靭帯損傷などの軟部組織に損傷を与える傷害では、その組織に組み込まれている感覚器・神経にも損傷を及ぼし、中枢神経への情報入力を変化させます。このような変化が起こると、身体は様々な生理的適応を通して日常生活やスポーツで必要なタスクを可能とするような戦略を生み出します。この生理的適応や戦略は、生きていくために必要な動作を可能とする適応ではありますが、適応・戦略の柔軟性・自由度が低ければ、多様なタスク・環境に応じる能力が低下してしまい、不適切な