ジャパン・アスレティックトレーナーズ機構

NATA公式アフェリエイトである一般社団法人ジャパン・アスレティックトレーナーズ機構(JATO)のnoteです。Japan Athletic Trainers’ Organization (JATO) is an official affiliate of NATA.

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最近の記事

AU#40:スポーツ関連脳振盪後の持続的症状の不均一性:症状サブタイプと患者サブグループの調査

    • AU#39:前十字靭帯再建術後の効果的な注意の向け方の戦略:解説

      まとめ 今回の論文では、ACLR後のリハビリの全ての段階(初期、中期、後期)において、運動学習とパフォーマンスを最適化するためには、身体の動きに焦点を当てるIFAより、意図した運動効果に注意を向けるEFAが効果的であることがキーポイントとして書かれていました。リハビリ過程で IFAが全く使えないという訳ではなく、EFAを有効活用することで、患者に一つ一つエクササイズのステップを明示する必要は無く、むしろ機能的な環境の中でタスクの目標を達成するための解決策を患者が自由に考え出せ

      • AU#38:脳振盪後の運転行動と意見:大学生アスリートを対象とした調

        結果 脳振盪後の運転行動 脳振盪を受傷した際に運転免許証を保持していたケースは89件。そのうち43.8%が運転を控えた。医療従事者による脳振盪診断を受けた場合66.7%が運転を控えた一方、未診断の脳振盪では73.1%が運転を控えなかった(p=0.002)。 運転を控えた期間で最も多かったのは、24~48時間、次いで2~4日。理由としては、a)医療提供者からの忠告、b)脳振盪が運転能力に影響したと感じた、c)他の移動手段があった、であった。運転を控えるよう勧めた医療従事者は

        • AU#37:女性アスリートにおける骨盤底筋トレーニング:ランダム化比較(RCT)パイロット研究1

          結果  14人の参加者のうち、13人(実験グループ:7人、コントロールグループ:6人)がすべての実験課程を終了した。 最大随意収縮 [単位:cmH₂O] 実験グループにおいて、トレーニング期間前後で有意に増加した(p<0.001)。 [トレーニング前:60.80 ± 19.72 vs トレーニング後:78.75 ± 18.36 (平均±標準偏差)]トレーニング期間後において、グループ間に有意な差が認められた(p<0.001、実験>コントロール)。 [実験グループ:78.75

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        • JATO Academic Update
          38本
        • JATO ATCリレー Season2
          17本
        • JATO ATCリレー Season3
          2本
        • JATO日本人ATCリレー形式紹介企画 Season1
          34本

        記事

          AU#36: 前十字靭帯再建手術後の前後方向のセンター・オブ・プレッシャーと着地時における膝伸展モーメントの関連性1

          結果 ・最大膝伸展モーメント(p=0.001)と垂直方向のGRF(p=0.005)において、健側と患側の間で有意な差が認められた(健側>患側)。その他の測定項目では有意な差は認められなかった。 ・最大膝伸展モーメントとの相関    ・患側:後方COPの増加と有意な正の相関関係があった(r = 0.513, p     = 0.015)。    ・健側:垂直方向のGRFの増加と有意な正の相関関係があった(r =     0.500, p = 0.018)。     ・LSI

          AU#36: 前十字靭帯再建手術後の前後方向のセンター・オブ・プレッシャーと着地時における膝伸展モーメントの関連性1

          AU#35:大学生アスリートにおけるEDのリスクと病的な行動

          AU#35:大学生アスリートにおけるEDのリスクと病的な行動

          AU#34:Roundtable on Preseason Heat Safety in Secondary School Athletics: Prehospital Care of Patients With Exertional Heat Stroke 『高校におけるシーズン前の暑熱対策に関する有識者会議: 労作性熱射病患者の病院前救護(プレホスピタルケア)』

          Reference 国土交通省気象庁. “日本の年平均気温”. 2024-01-14更新. 2024-04-27閲覧. https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_jpn.html. Hosokawa Y, Murata Y, Stearns RL, Suzuki-Yamanaka M, Kucera KL, Casa DJ. Epidemiology of sudden death in organized school spo

          AU#34:Roundtable on Preseason Heat Safety in Secondary School Athletics: Prehospital Care of Patients With Exertional Heat Stroke 『高校におけるシーズン前の暑熱対策に関する有識者会議: 労作性熱射病患者の病院前救護(プレホスピタルケア)』

          AU#33: サッカー選手における前十字靭帯再建術後に残存するリアクティブ・ストレングスの低下

          まとめ ACLR後に見られた垂直方向のプライオメトリック能力の低下は、膝関節伸展筋力とリアクティブ・ストレングスの低下が残存していたことが原因であると考えられます。 ACLR後の競技復帰テストにおいて、膝関節伸展筋力テストを使用することは一般的ですが、それに加えて10秒ホップやドロップジャンプのようなリバウンドジャンプテストを用いてRSIを測定することも必要かもしれません。スポーツ現場では、My Jump 2 (Carlos Balsalobre-Fernadez)のような安

          AU#33: サッカー選手における前十字靭帯再建術後に残存するリアクティブ・ストレングスの低下

          AU#32: 関節可動域を測定するための臨床的に利用しやすいスマートフォンアプリケーションの信頼性と妥当性:システマティックレビュー

          結論 当研究は、関節可動域を評価するためのスマートフォンやアプリの検者内、検者間、妥当性に関する比較的強いエビデンスを提供するものであり、これらの結果は、複数の関節、関節動作、対象者群、スマートフォン、アプリにまたがって観察される傾向にある。このような結果は、臨床家がROMを定量化するために、比較的多様なスマートフォンやアプリを使用できる可能性があることを示唆している。絶対値が評価された場合に相対値に比べてエビデンスが弱かったことから、縦断的に評価する際には、異なる評価装置(

          AU#32: 関節可動域を測定するための臨床的に利用しやすいスマートフォンアプリケーションの信頼性と妥当性:システマティックレビュー

          プロサッカー選手におけるハムストリングス損傷後競技復帰の予測因子としてのBritish Athletics Muscle Injury Classification System

          まとめ 今回紹介した論文では、浮腫の長さ、断面積、および筋肉内の損傷部位・組織を考慮した肉離れBAMIC分類システムが、プロサッカーにおけるハムストリングス肉離れ後の競技復帰までの日数と関連していることがわかりました。一方で、BAMIC分類システムにおいて分類基準とされている各項目とRTPとの間には有意な相関は見られませんでした。したがって、本論文からは、浮腫の長さ、断面積、および筋肉内の損傷部位・組織を競技復帰の予測因子としての有用性に関しては、さらなる研究が必要であるが

          プロサッカー選手におけるハムストリングス損傷後競技復帰の予測因子としてのBritish Athletics Muscle Injury Classification System

          AU#30 米国高校生における脳振盪体験と自殺念慮、計画そして未遂

          AU#30 米国高校生における脳振盪体験と自殺念慮、計画そして未遂 まとめ 今回の研究では、脳振盪を受傷した青少年におけるメンタルヘルスの臨床的評価と、綿密な経過観察などの重要性と必要性が浮き彫りになりました。この調査では、アメリカの青少年における脳振盪と自殺行動との関連を調査した結果の為、日本の中高生に当てはまるかは定かではありませんが、脳振盪後に起きうる精神衛生への影響は計り知れません。この論文をきっかけに、青少年と関わる臨床家の皆さんには是非、身体的なリハビリや回復だ

          AU#30 米国高校生における脳振盪体験と自殺念慮、計画そして未遂

          AU#29 脳振盪後の有酸素運動と認知トレーニングの付加的利益:現在の臨床コンセプト

          タイトル日本語訳 脳振盪後の有酸素運動と認知トレーニングの付加的利益:現在の臨床コンセプト

          AU#29 脳振盪後の有酸素運動と認知トレーニングの付加的利益:現在の臨床コンセプト

          AU#28:睡眠介入が運動能力に及ぼす影響

          睡眠介入が運動能力に及ぼす影響:システマティックレビュー まとめ このシステマティックレビューの結果によると、睡眠延長と昼寝が、身体的・認知的パフォーマンスの改善に対して最も有力な睡眠介入であることが明らかになりました。アスリートが夜に7時間程度の睡眠を取っている場合、3〜49日間に睡眠時間を2時間まで増やすことが推奨されています。また、必要に応じて昼寝(20~90分)で日中の睡眠を補うこともできます。しかしながら今回のシステマティックレビューには、バイアスのリスクが低い研

          AU#28:睡眠介入が運動能力に及ぼす影響

          AU#27:前十字靭帯再建術後の運動恐怖症はジャンプ着地時の最大膝関節外転角度と関連する

          結果 手術からの期間と生物学的性別を考慮すると、TSK-11が1ポイント上昇(運動恐怖症の増加)するごとに、ACLR肢のKAAが0.37°(7.1%)増加した(P = 0.02)。運動恐怖症は、対側肢KAA、ACLR肢KFE、対側肢KFEとは関連していなかった。

          AU#27:前十字靭帯再建術後の運動恐怖症はジャンプ着地時の最大膝関節外転角度と関連する

          AU#26:筋膜トリガーポイントに対する体外衝撃波治療とドライニードリングの有効性の比較に関する無作為化試験1

          タイトル日本語訳 筋膜トリガーポイントに対する体外衝撃波治療とドライニードリングの有効性の比較に関する無作為化試験1 まとめ 1980年代から衝撃波治療が臨床的に腎臓結石、骨折、腱炎等の治療に利用されるようになり、少しずつその有効性がエビデンスとして明らかになってきました。MTrPsの介入として、適切な資格と教育のもとドライニードリングの使用が広がる一方で、患者によっては抵抗感や禁忌がある場合があります。このような状況で、体外衝撃波が非侵襲的で安全かつ効果的な治療の選択肢と

          AU#26:筋膜トリガーポイントに対する体外衝撃波治療とドライニードリングの有効性の比較に関する無作為化試験1

          AU#25:関節原性筋抑制: 最も有効なエビデンス、メカニズム、そして臨床現場では見えないものを治療するための理論。

          タイトル 関節原性筋抑制: 最も有効なエビデンス、メカニズム、そして臨床現場では見えないものを治療するための理論。 図1. Norte G, Rush J, Sherman D. Arthrogenic muscle inhibition: best evidence, mechanisms, and theory for treating the unseen in clinical rehabilitation. J Sport Rehabil. 2021;31(6):

          AU#25:関節原性筋抑制: 最も有効なエビデンス、メカニズム、そして臨床現場では見えないものを治療するための理論。