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中学受験をしない小学6年生の数学の勉強(8か月目)確率 e (Euler’s number)またはネイピア数を理解する

中学受験をしない小学6年生を教えて8か月経ちました。今年のゴールデンウイークから家庭教師を始めて、当初は1年後には、正弦定理余弦定理、平方完成、指数対数関数、確率までを理解できればいいなと思っていたのですが、本当に頑張ってくれて予定よりも少し早く終わりそうです。

当初から、最初の1年間(数学の基礎を学ぶ期間)は、教えるためのテキストはオーストラリアやイギリスの中学校や高校で使っている英語のデジタルテキストで行う予定でしたので、この8か月は日本の数学のテキストは角度の問題とルートの問題でちょっと使った程度で基本英語のテキストのみでした。

今後は、インドのCBSEの数学のテキスト(ヒンズー語ではなく英語版)や日本の数学ⅡBのテキストなどを使っていく予定です。

高校1年生までの生徒でしたら、英語が好きな生徒なら英検2級程度でも英語のテキストで数学を教えた方が本当に効率的だと思います。現在も中学3年の生徒には、来年1年間の高校留学をする予定なので、英語のテキストや中学で使っている数学の教科書を英語に訳してあげたり、証明などの説明を英語で書けばどのようになるのか?などを教えながら、数学を勉強しながら英語力もつける。これって効率的だと思いませんか?本人も楽しく積極的に勉強してくれています。

で、8か月目は確率の勉強を始めました。

確率を勉強する前は指数、対数の勉強をしたのですが、その時にln(ナチュラルログまたは自然対数)は教えないで終わりました。

これは、次に確率の勉強をする予定だったので、その時にe(ネイピア数)を勉強する予定だったので、確率の勉強の中でeを理解してもらって、それから自然対数を勉強した方が効率的かな?と思ったので、そのように計画を立てました。

数列に入る前までの確率の勉強は英語で行うのが本当におすすめです。私も彼女には、この確率のテキストで出題される問題で文章題の理解をさらに強めてもらいたい。と考えていました。

確率の文章題が文章読解力を付けるのに最適だと言える2つの問題を出します。(実際に生徒にも出題した問題です。)

まず一つ目です。

If you toss a coin 100 times, how many times would you expect to land on its side?

日本人にとっては少し理解しにくい英文だと思います。

で、彼女はこの文章を読んで。

えっ? 0でいいんですよね?

この問題は、訳すと

100回コインを投げて、何回表でも裏でもなく、コインが立つ可能性がありますか?

つまり、コインが横の部分を下にすることできますか?

数学はあらゆる可能性を仮に不可能であっても考えなければならないわけです。

次はちょっと日本人の小学生にはかわいそうな問題です。

Two darts are thrown at a dartboard so that they are equally likely hit any number between 1 and 20. Ignore doubles, trebles and the bull’s-eye. How many possible outcomes are there?

ダーツがそれほど盛んではない日本で、日本人の小学生がこの英文を読んでIgnore doubles, trebles and the bull’s-eye.の意味を理解するのは難しいと思います。私もわかりませんでした。ignoreという単語があるので、最悪bull’s-eyeの意味が分からなくても問題が解けるわけですが、少し不安になったのも事実です。オーストラリアの数学の教科書にもダーツだけでなく、ビリヤードに関しての問題を見たことがあります。

ちなみにこれを訳すと

ダーツボードに1から20までの枠があって、それがすべて平等の広さだとした場合、2つのダーツを投げた場合、組合せは何通りありますか。ただし、ダブル、トレブル、ブルズアイは無視してください。

ちなみにブルズアイはダーツの真ん中の円、トレブルは真ん中の円、ダブルは一番外の縁で得点が加算されるようです。

で、最後にe オイラー数を使った確率の問題を教えました。

10分の1で当たるくじがあります。そのくじを10回引いた時に1度は当たる確率と、30回引いても一度も当たらない確率はどのくらいでしょうか?

10分の1の確率のくじを10回引けばさすがにほとんど外れる確率はないんじゃないの?まして30回引けば確実に1回は当たるでしょう?

と、多くの人は思うかもしれません。

しかし、10分の1のくじを10回引いて一度も当たりが出ない確率は3分の1を超えているわけです。34.686%です。また、30回引いて一度も当たらない確率も4%を超えます。つまり、確率が10分の1のくじを25人が30回ずつ引いたら一人は一度も当たりくじを引かないで負け続ける人が出てくるわけです。

私は基本的に宝くじを含めてギャンブルはやらないのでパチンコも詳しくはないのですが、パチンコの当たる確率は機種にもよるようですが、だいたい300分の1くらいだそうです。そうすると、300回、回転しても外れる確率は約36.73%あるわけで、1000回、回転しても当たらない確率は約3.55%あるわけです。

この300分の1の確率のパチンコ台を確率と同じ300回回した場合の当たらない確率は10000分の1など、どんどん部えても最終的には1/eに収束して、1/2.71828ですので、約36.786%なるわけです。

数学の場合は、問題を読んだ上であらかじめ解き方を先まで読んで問題に取り組む必要があります。その場合、指数や対数の感覚を理解することは大切です。つまり、ねずみ講のように友達の友達の友達理論で2を10回かけたらいつの間にか1000を超えてしまう。とか、先ほどの確率の理論を理解することは大切だということです。

このオイラー数をしっかりと理解した上で、自然対数を理解してもらえれば、なぜ底が10の常用対数が自然対数と言われず、わけのわからない底が2.71828が自然というかだんだんわかってくれると思います。

中学受験まであと1か月と迫っています。

いつもこのブログで伝えていることですが、中学受験をすることによって、小学校の期間に英語力を伸ばすことを諦める人もいたりするわけです。今私が家庭教師をしている小学6年生は英検1級も合格していますし、中学受験でなく高校受験の数学のテストをしても十分合格する点数を取れると思います。

日本人の多くの人は、英検1級に合格することや小学生で高校受験の数学に合格するよりも私からの視点ですが、わけのわからない角度の問題や何をしたいかわからない鶴亀算の方が小学生にとっては大切だと思っているかもしれません。

しかし、今私が教えている小学生のように、中学受験よりも英語が話せるようになりたい。と思っている人もほんのわずかですが少しはいると思います。

そのような超少数派の人に、中学受験をしない大学受験に目標を絞って小学生から準備をする選択肢があることをわかってほしいと思います。


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