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遺跡から見つかった人間の骨がどうして2244年前のものってわかるの?英検1級合格者の英語の勉強3

現在数学を中心に教えている高校生がこのような問題を見せてくれました。

ある遺跡から発掘された木片を調べると、炭素14の量がもとの1/8であった。炭素14の半減期を5730年とすると、この木片は何年前まで生存していたと考えられるか。整数値で答えよ。

化学で放射性同位体の勉強をしているのですが、半減期の計算問題って対数の問題ですよね?

つまり、半減期の計算問題は対数の公式を使うとどうなるのか?を知りたかったみたいでした。

おそらく変形分離形の微分方程式のことがこれとどのような関係であるのかを教えてくれ!

と叫んでいたと思います。

化学のテストに数学色の強い問題を出題することはできないわけです。

というのは、計算機が使えないからです。これは利息計算でも同じです。

では、海外の対数の問題でこの半減期の問題を見つけたので、生徒に出題しました。

問題はこちらになります。

Bones from a human body were found to contain only 76% of the carbon-14 in living bones. How long before did the person die? The half-life of carbon-14 is 5668 years.

これを訳すと

発掘された人体の骨には、生きている人間の骨に含まれる炭素14の76%しか含まれていないことが判明しました。この人は何年前に亡くなったのでしょうか。炭素14の半減期は5668年とします。

よくテレビやウェブサイトでニュースを見ていると、

遺跡が発掘されて、

1800年前の木片が発見された。

なんで1800年前ってわかるの?

根拠は?

と、当然突っ込みたくなるわけです。

これは、炭素の放射性同一体の一つである炭素14の性質を利用し、有機物を含む物の年代を測定する方法で、放射性炭素年代測定と言われるものです。

英語では radiocarbon dating とかcarbon-14 dating とかと言われています。

炭素の同位体は現在15種類知られていて、結局は中性子の数が違うわけですが、例えば人間の骨などは、死んだときから時間が経過すれば、この炭素14の量は減りますが、従来の炭素のほとんどを占める炭素12の量は全く時が経っても変わらないわけです。

その炭素12と炭素14の差を測定して年代測定を行うわけです。

話は戻りますが、先ほどの問題であれば。

のように解くやり方が簡単だと思います。

約2244年前の骨という答えになります。

微分方程式の変形分離形で解くやり方もあるので、いろんな形で求めることはできるわけです。

このような年代測定に関しては、当然いろいろな測定方法があって、たまたま今回は炭素14の勉強に合わせてcarbon14 datingをやってのですが、これから対数の勉強をする生徒であれば、このような放射性炭素の年代測定の簡単な説明をしながら教えていけば、記憶にとどめやすいと思います。

また、今小論文の勉強をしている生徒がいるわけですが、いろんな知識を吸収する中で、このような年代測定は、どんな根拠があってそのように年代測定ができたのだろう?と思っていても、誰に聞いてもわからないだろうから、そのままにしておいてしまっている場合がとても多いわけです。

このブログを書く中で、普段このようなことは英語ですべて調べたり、英語でのみ理解しているので、本当に日本語に変換して説明するのは大変でした。

英語力の高い生徒には、このような話を英文の資料を交えて説明すると私も説明しやすいし、日本語に比べて吸収力が早いので積極的にしています。

今回の年代測定の問題は、単に科学の放射性同位体の勉強だけでなく、化学の年代測定の問題に対応したり、対数に対応したり、その中で自然対数の公式などを使ったり、変形分離形の微分方程式で半減期を求めたりと広がりを見せるわけです。

ですので、それぞれの生徒に合わせて、単に化学の勉強だけでなく、数学や英語また、環境問題や歴史などの話を交えて学ぶことで、理解する深さが変わってくると思います。

英語力が高いという武器はこのように使わなければ宝の持ち腐れです。

このことがめちゃめちゃ大事だし、本当に多くの人に伝えたいことです。

また、現在英語力が十分でない生徒であっても、英語力を伸ばしたい生徒であれば、このようなやり方で知識を吸収すれば効率的に勉強ができると思います。

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