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高校留学Q&A 日本の常識とは違うことに視点を当てて、今まで受けた質問やそのアドバイスを紹介します。オーストラリア編

オーストラリアの高校に留学を考えている場合、実際にオーストラリアの高校に留学した生徒にいろんな話を聞くことはいいことだと思います。

ただ、その方は、留学した学校のことしか知らないわけです。公立の学校でホームステイしていた生徒は、私立の寮の学校がどんな学校生活をしているのかはわからないわけです。

また、学校の授業の内容を聞きたくても、例えば、トップレベルの成績を取って将来オーストラリアやアメリカの大学への進学を考えている生徒であれば、日本と同様にどのレベルの数学を学んで、どのくらいの成績を取らなければならないかも把握しなければなりませんが、海外の数学や物理や化学の授業がどのようなレベルで行われているかを理解している人は少ないと思います。

私自身、以前、オーストラリアの官公庁の仕事を行っていて、その中で農業関係の仕事で、オーストラリアの大規模農業の家庭の遠隔授業を体験したり、ろう者の特別学校、日本の姉妹都市や姉妹校の交換留学の通訳としての同行などの経験も含めて、300校以上のオーストラリアの学校に公式訪問をして、日本人中学生高校生の個人留学も私個人で300人以上斡旋してきました。

多くの学校を訪問して、また多くの生徒の高校留学をサポートした経験から、客観的にアドバイスが出来たらと思います。

現在は、高校留学を斡旋するのではなく、数名の生徒の家庭教師として、日本の小学生中学生高校生だけでなく、オーストラリア、フランス、スイス、イギリスなどの学校で学んでいる生徒の数学を中心とした家庭教師をしています。

今日は、最近このブログを通して高校留学に関しての質問を受けた中のいくつかのことを紹介して、それに関しての私の返信を伝えることで、高校留学を考えている人だけでなく、そうでない方も海外の未成年に関しての法令や教育環境を理解してもらえればと思います。

高校留学に関しての質問で多い内容とは?

一番多い内容は、金額面です。つまり実際、授業料だけでなく、渡航費、滞在費、保険、制服代金、学校での課外授業、教材費用など実際にかかる金額の総額が知りたいわけです。

この件に関してですが、オーストラリアの公立の学校であれば、授業料の中に、テキストなどの教材費用や課外授業の費用も含まれています。また、保険の費用もビザを申請する時に保険に強制加入するので、その保険で心配はありません。

ですので、公立の学校であれば、渡航前に支払う授業料やホームステイ費用以外に、後日支払いを求められるのは、制服費用や学校の行事であっても、例えば希望者だけ参加のイベント、例えば、学校の休みの期間の吹奏楽の合宿など。程度で基本的には追加でかかる費用は少ないです。

ただ、私立の学校は、教材費用、イベント費用、制服費用などすべて別途請求が来ます。寮などの場合は、ケイタリングなども学校が立て替える場合も多く、学期ごとに支払いが請求されます。クレジットカードで自動引き落としの学校もあります。

また、治安面を心配される家庭も多いです。この場合は、ほとんど女子生徒の家庭に限られます。

まず、寮の学校は、管理がしっかりしている学校がほとんどなので安全と考えて大丈夫です。外出も週末の昼のみ(学校がバスを出して放課後ショッピングセンターに2時間など時間を指定して送迎する学校もあります。)外出時は、15歳以上であっても、単独行動は許可されず、中学生は3名以上の集団行動になります。当然事前に親の許可は取るのが条件の学校がほとんどです。

ホームステイは寮に比べて緩くはなります。ただ、友達の家へ泊る場合でも、外出フォームを提出して親のサインがないと許可されません。アルバイトも許可されるので、その場合のトラブルは過去にも何度もありました。また、女子でもオーストラリアのホームステイの門限は遅いので、ホストがしっかりとした家庭でないと、普通に夜の11時に帰宅するようなことを許可するステイ先もあります。

寮の場合は、学校が休みの時は寮を出なければなりません。ですので、その期間は帰国するか、ホームステイを探すかのどちらかになります。(イギリスのようなガーディアン制度がないためです。)

18歳未満はホテルに一人で宿泊できない。は海外の常識。

日本人の感覚であれば、帰国する場合は、トラブルを避けるために、前日に空港にあるホテルに滞在してもらいたい。と考える場合もあると思いますが、海外では、未成年の一人でのホテル滞在は許可されていません。

ですので、田舎の学校に留学している生徒は、朝の3時に学校を出発する。という場合もあります。ただ、乗り合いの空港タクシーや深夜出発の空港バスなども日本以上に発着しているので、留学生を受け入れている学校であれば、その辺りは問題ないと考えてください。費用も思っているほど高くはありません。

学校の校則よりも、国や州の法律が優先されることを理解する。

つまり、18歳以上であれば、自由にお酒も飲めて、カジノに行くこともできる。17歳で車に乗ることも可能。実際にオーストラリアの私立の学校は、生徒用の駐車場がある学校がほとんどです。(クイーンズランド州とWA州は以前17歳で高校を卒業のために生徒の車の登校はほとんどありませんでしたので、駐車場がある学校は少ないです。)

学校帰りでなければカジノに行くことも、お酒を飲むことも、たばこを吸うことも許可されるわけです。つまり、これは家庭のしつけの問題ということです。また、いくつかの学校では、18歳上の生徒の留学生でも車での投稿を許可している学校もあります。

欧米には塾はない。というのは大きな間違い?

オーストラリアでも、アメリカやイギリスと同様に大学進学を目的とした学習塾はありませんが、中国人が経営している個人塾などはたくさんありますし、家庭教師を付けて大学入試に備えることは日常です。現在の卒業統一試験の数学のレベルをサポートなしに高得点を取るのは難しいです。スイスに留学している生徒などは、同じ時間にルームメイトも自分も家庭教師とSNSを使って勉強している場合もあります。

最近減った質問は、学校に日本人はどのくらいいますか?

円安も含めて、日本人が海外留学を考えるには金銭面のハードルが高くなってしまいました。以前は、同じ学年に100人中10人が日本人の留学生という時代もありましたが、今はそのような国籍構成を聞かれても、一瞬でその話題は終わってしまいます。

ただ、オーストラリアの公立学校の場合は、生徒の9割以上が中国系で占める学校や、移民の受け入れを優先して、白人がほとんどいない学校などもあります。

ですので、学校選択は、環境重視に現在は移行しているのが現状です。オーストラリアには日本のような学区がないので、公立の学校でも自由に学校は選べます。ただ、最近は公立の人気校はキャッチメントエリアと言って、人気のある学校は、近隣に住む生徒しか入学を許可されなくなっています。

オーストラリアの家庭も、子供の学校選びの優先事項は環境だということです。

海外では救急車は有料なのは当たり前。

また、オーストラリアで救急車を呼べば10万円以上の支出を覚悟した方がいいことは覚えておいてください。寮の生徒は学校に常駐する看護師が適切な方法を24時間サポートしてくれますが、ホームステイの場合は、ホームステイ先ではホストの指示に従うことになります。

実際に大きな病気が留学中に起こることは本当に稀です。私自身も、自分は大きな病気をオーストラリアで経験しましたが、生徒が経験することはありませんでした。

ただ、当然高熱や風邪などは、日本から薬を持参することで対応できると思います。

思いついたままにいろいろと書いてしまいましたが、高校留学の不安などがありましたら、答えられる質問のみの返信になりますが、遠慮なくコメント欄でなく、メールでご相談ください。もちろん費用も掛かりませんし、名前を名乗りたくなければ、捨てメールでも構いません。ただ、英語力はどのくらい伸びるか?とか、いい学校を教えてください。のような質問は個人によって基準が違うのでほとんど返信はできないことはご了承ください。

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