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中学受験をしない小学6年生の数学の勉強(10か月目)苦手分野を重点的に少しずつレベルアップさせていく

小学6年生の生徒を去年の4月末から教えて10か月が経ちました。イギリスのGCSEのテキストを中心に、基礎問題を使ってそれぞれの分野を1か月(合計約15時間)まず教えて、その中で苦手なところがあった場合はチェックして数か月後にアプローチを変えて教えて、ある程度基礎が固まったら応用問題をレベルアップさせながら教えていく。

先月は、多くの女子生徒共通の傾向ですが、図形と並び確率が苦手な生徒が多く、その生徒も理解するのに時間がかかったので、数列(等差数列、等比数列)の簡単な問題をクイズ形式でアプローチを変えて教えました。


9か月目のブログはこちらです。

例えば方程式を教える場合も

2x=4

−3(x−2)=3

x²+3x+2=0(簡単な因数分解)

6x²+7x+2=0(x²の係数が1以外の方程式)

x²+6x+3=0(解の公式利用)

|x+2|=4(絶対値の方程式)
 
このあたりが理解できれば、次は方程式を不等式にしていったり、文章問題にしていき、それが理解できれば代数を使って最大値、最小値を求める問題を出題したりして、どんどんレベルを上げていくわけです。
 
図形の場合はこのような問題が浮かび上がってきます。
 
中心角と円周角の問題を例に出します。

問題1
問題2


 
それぞれのxの角度を求めてください。
 
問題1は解けても、不思議なことに問題2は解けない生徒はたくさんいるわけです。
 
Angle at the centre is twice the angle at the circumference.
(中心角は円周角の2倍)

 
両方の問題のxの角度は同じわけです。55度です。問題1は解けて、問題2は解けない生徒はいても、問題2が解けるのに、問題1が解けない生徒はたくさんいるわけです。
 
つまり、公式を教えても解きやすい問題と解きにくい問題に分かれてしまうわけです。そして、これが数学の複雑さであって、多くの人が数学で挫折する理由になっているわけです。ただ、研究や社会問題を解決することと数学の問題を解くことは基本的に同じような気がします。不可能と思い込んでいるものを、時間をかけてゆっくりと解決して、新しい発明をしていくわけですので。
 
英語力が十分でなくても、数学は海外のテキストも活用することで効率が高まる。
 
現在数学を教えている小学6年生は英語が理解できるので、文章理解の補足などをする必要がありませんが、英検準2級以上の英語力があって、英語を学ぶのが好きな生徒であれば英語のテキストで学ぶメリットは想像以上にあるわけです。
 
一番は、英語と数学を一緒に学べる楽しさ
 
日本の英語の勉強は、当然英文を理解することが目的なので、英語で書かれた問題を解く。という勉強はほとんど行われていません。これは、英語は英語を学ぶことであり、数学や歴史の勉強ではない。という暗黙のルールがあり、英語を学ぶ楽しさを奪っているような気がします。わからない単語や訳すのが難しい文章は私が解説すればいいだけのことですので、絶対に英語で数学や英語で歴史は楽しくて効率がいいわけですし、実際に英語力も伸びているわけです。
 
意味不明な数学用語が数学アレルギーをさらに進行させる
 
例えば、因数分解。
 
因数って何?因数なんて、日常で使いますか?って話です。
 
鈍角って?90度より大きく180度より小さい角度です。
 
鈍角の鈍って、そもそも何ですか?
 
結局英語の数学用語を強引に日本語にしているので、わかりにくくなるわけです。
 
余弦定理とか正弦定理なんて言葉だけを見ても何を伝えたいか全くわからないわけです。
 
これじゃ、数学は理屈っぽい人間しか入り込めない世界になってしまうわけです。
 
数学の問題で4択?これがSATの楽しさ。
 
アメリカの大学入試でアプライするのに必要なのがSATのスコア。英語と数学の基礎的な問題が出題されます。
 
数学の問題では多くの問題が4択の問題になります。
 
日本では、マークシートのテストでも数学の問題は選択問題になることはありません。
 
例えば 6⁵(6の5乗はいくつですか)という問題があり、選択肢が
 
A)    7474 B) 7322 C) 7776 D) 7878
 
のような問題が出題できるわけです。
 
1秒で解けますか?これは典型的な1秒問題です。
 
日本では選択肢の問題がないので、ひたすらかけなければならないわけですが、1の位が6同士の数字をかければ、答えも1の位が6になる。ということがわかれば、答えは計算しなくても1の位が6の7776を選択すればいいわけです。
 
16×16=256
26×36=936
56×46=2576
 
このような考え方を学ぶのも必要だと思いませんか。
 
数学は問題を解きまくって学力を伸ばすことも大切ですが、同時に、数学的な考え方を徹底的に植え付けることも大切なわけで、その一つがSATなどのような問題を解くことだと考えています。


 
今日は、いつもと違って生徒の進行状況よりも、一般的な小学生や中学生が数学を伸ばすための方法の一つとして、英語のテキストで数学を教えるメリットを伝えたかったので、現在教えている小学6年生も、そのようなやり方でこの1年教えてきたので、そのことについて書きました。
 
実際に、今までも英語が話せるようになりたい生徒の数学の勉強として取り入れてきました。現在教えている高校2年の生徒も英検1級を合格して、模試ではその英語力よりも高い数学の偏差値を取っています。
 
彼女の場合は、苦手な分野を英語のテキストで克服した典型例です。
 
今月で、中学受験をしない小学6年生の数学のお勉強は終わりますので、最終回は1年のまとめをして、私が感じたことを書きたいと思います。

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