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A-Levelの数学の勉強を日本の数学のテキストで勉強するメリット GCSE AP ATARにも対応できる理由

先週イギリスで現在A-Levelのコースの勉強をしている生徒から

数学の授業で、以前教えてもらった三角関数の合成の授業がありました。無双できました。

と、話してくれました。

私が数学を教える場合は、その生徒の英語力や数学のレベルや性格などを加味して状況に合わせて海外のテキストを使ったり、日本のテキストを使ったりしています。

例えば、現在教えている小学6年生(日本の小学校)の場合、数学はほとんどGCSEのテキストで教えているので、英語のテキストになります。もちろん、

cosine ruleは日本では余弦定理というんだよ。

と、説明はします。

中学3年生(日本の中学)の生徒の場合は、今学校で二次関数の最大値、最小値や二次不等式など数学Ⅰの躓きやすいところを学んでいるので、予習中心にして、まず学校の授業を復習の時間にするようにして、余った時間で、

現在勉強している数学を英語のテキストではこのようなテキストで勉強しているんだよ。

とか、

クイズ感覚で解けるSAT数学の問題を出したりして、バランスを保ちながら教えています。

ただ、基本的にはA-Level mathやfurther mathの生徒、APを選択している生徒(スイスの生徒)やオーストラリアのprofessional mathやextensionの生徒は、日本のテキストやCBSEのテキストを使う場合がほとんどです。

これは、欧米の大学入試は、大学別の試験を行わないため(イギリスの理系のインタビューなど例外あり)統一試験となります。(日本の共通テストと理解してもいいと思います。)ですので、過去問も少なく、確実に高得点を取るためにも難しい問題を解いて力を付けるしかないわけです。

結局、インド人や中国人の留学生などが行っている勉強方法と同じことをやっていることになるわけです。

日本でも進学校では、数学で200満点のテストの平均点が80点程度ということが普通にあるわけで、東大の理系の合格するような生徒でも学校の定期テストで出題の半分も解けない生徒や平均点以下の生徒が出るレベルの定期テストや実力テストを常に行うわけですので、地方の高校に通っている生徒では太刀打ちできないわけです。

今日は、日本の数学の微分の問題を強引に英語に訳してみて、数学は教える人が工夫すれば、いろんな国の数学の問題がテキストになる。ということをわかってもらえればと思っています。

テキストとして使わせてもらったのは、こちらのテキストです。

http://izumi-math.jp/S_Yoshida/matome/R4bibunouyou(6).pdf


では始めます。

このPDFの3ページ目にある問題で、このような問題になります。

次の関数の極値を、第二次導関数を利用して求めよ。       

f(x)= x⁴-6x²+5          

これを英語圏の数学のテストでは、このような問題になる場合が多いです。

まずstationary pointを求めて、そのあとでsecond derivativeで、極大値や極小値を求めるわけです。

Stationary pointは日本の高校数学では、最初に増減表を作ってしまうので、日本語訳がないかもしれません。

とりあえず、

ステイショナリーポイントとは The function’s derivative is zero.

ということになります。

Second derivativeも日本だと二回微分と言ったり、f’’(x)を

エフツーダッシュエックス

外国人が聞いたら、?????となりそうな日本人が日本人にしか伝わらないような言い方をあえて決めたようにしか思えない言い方です。

普通は

f double prime of x エフダブルプライムオブエックス

と言います。

また、f(x)をエフエックスというのは、日本と韓国だけと言われています。ただ、私も数学を教える場合は、エフエックスを使わせてもらう場合もあります。ただ、√2をスクエアールートツーとは言えないですが、普通にルートツーは使います。

問題の日本の解説はこのようになっています。

f’(x)=4x³-12x , f’’(x)=12x²−12
f’(x)=0 とすると x= 0, √3 , -√3
ここで f’’(0)=−12>0, f’’(√3)=24>0, f’’(−√3)=24>0        
よってf(x)はx=0で極大値5,x=±√3で極小値−4をとる
   

でしょうね。

としか言いようがありません。

これを解説を含めて英語で訳すとこのような感じがいいかなと思います。

Differentiate and put the derivative equal to 0 and solve the equation to obtain the values of x for the stationary points.

y= x⁴−6x²+5
dy/dx= 4x³−12x
putting 4x³−12x=0
x(x²−3)=0 (divided by 4)
so x= 0 and ±√3

Substitute x=0 and x=±√3 into the original equation of the curve to obtain the values of y which correspond to these values.

When x=0 , y=5
When x=±√3 , y=−4
So the stationary points are at (0, 5) , (√3, -4) and (−√3, -4)

Differentiate again to obtain to the second derivative.
d²y/dx² = 12x²−12

Substitute x=0 and x=±√3 into the second derivative expression. If the second derivative is negative then the point is a local maximum point. If the second derivative is positive then the point is a local minimum point.

When x=0 ,d²y/dx² =−12 which is <0
So (0, 5) is a local maximum point.
When x=±√3 ,d²y/dx² =24 which is >0
So (√3, -4) and (−√3, -4) are local minimum points.

極大値はlocal maximumで、極小値はlocal minimumと言いますが、場合によっては、global maximumやglobal minimumになる場合もあるので、気を付けてください。

つまり、二次関数の頂点は、一つしかないので、単にminimumとなって、localでもglobalでもないわけです。

このように、アメリカの微分の問題でも、オーストラリアの微分の問題でも、日本とは習う順番が大きく異なる場合もありますし、日本語に訳すことができないような数学用語もたくさんあります。

ただ、数学の場合は、問題に対して、解き方は複数ある場合がほとんどで、私が生徒に求めていることは、

問題を解くことよりも、どのように与えられた問題を効率よく短時間で解き、途中の計算もミスをしないこと。

そのような、数学的な思考力を鍛えることが、どのような問題が出題されても適切に対応できるようになり、その思考を伸ばすことで、他の教科にも波及するわけです。spilloverです。

つまり、英語力が高い生徒で数学が全くできない生徒は山ほどいますが、数学ができる生徒は、基本的に英語を含めて他の教科も高い得点を取る生徒が多いことでもわかると思います。

なので、英語力が高く数学アレルギー生徒を教えるのが好きなのは、

英語力が高い生徒が、数学も同じレベルまで高められたら現代社会では最強の武器を持っていると感じているからかもしれません。


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