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中学高校留学 留学生の理科の授業難しすぎる問題は深刻すぎます covalent compoundsって何ですか?

日本人留学生が、海外の高校に入学して、いきなりこのような課題を理科の授業でもらったらパニックになると思います。

ちなみに課題の部分の英文の説明はこのようになっています。

Conduct an investigation to research the specific issue:
Covalent compounds are more effective than metallic alloys for protection.
Your investigation will focus on the research question:
Do the properties X and Y make baron carbide a better Z than steel?
Where , X and Y represent two properties you wish to compare and Z represents your chosen protect type.
You may choose from the following:
Properties (X and Y); strengthen, hardness, density and elastic modulus.
Type of protection (Z); body armor, padlocks, and building frames.

この課題を700単語以上のレポートを書いて提出しなければならないわけです。ちなみに、今英文で送った英文課題は約80単語くらいですので、この英文の約10倍のレポートを書いて提出しなければならないわけです。

留学生にとっては地獄ですが、アメリカ人の学生にとっても地獄であって、最近海外の高校に留学した生徒の社会科の課題で300単語程度の英文でまとめて最低2つのグラフまたは地図を含めて提出しなければならない課題を手伝って完成して提出しましたが、留学生は彼女だけで、それ以外は英語がネイティブの生徒でしたが、提出できたのは、この生徒を含めて5名だけで、他の15名の生徒は、リセスやランチタイムに集められて、課題を必ず提出するように伝えられたようです。

で、先ほどの課題に戻りますが、他の教科の課題も留学生だけでなく、現地の生徒にとっても相当苦労する課題になるわけです。

その中でも理科の課題は、英文を理解する難度が飛びぬけて高く、他の教科に比べて単語の専門性が日常生活からかけ離れているために、日本語で説明されてもかなり難しいので、それを英語で理解した上で、課題を解かなければならないことになります。

まず、covalent compoundsって何なんですか?から始まるわけです。

covalent compoundsの意味が分からないわけですから、それ以下の意味も当然分からないわけです。

metallic alloys
properties
baron carbides
elastic modulus
body armor
padlocks

なので、授業を受けていても、ホワイトボードに書かれたものを写しても、いったい何の授業をしているのかわからないわけです。

covalent compoundsは共有結合化合物の意味です。

共有結合とは非金属原子が結合する時に、いくつかの価電子を共有して出来る結合を共有結合と言います。

英語にしたら、
When atoms bond together, they share pairs of electrons to make covalent bonds.

図にすると、こんな感じになります。

共有結合に関しては、いくつかの化合物(例えば、H₂O やCO₂)の問題を出して、この写真のように描いてもらってクイズのように出題すると生徒も楽しく学べる感じです。科学に関しては、共有結合やイオン結合だけでなく、化学反応式などもクイズ形式で出題すると生徒の飲み込みも早いです。

また、出題された中の英単語で理解が難しい単語は生徒のレベルに合わせて納得するまで説明します。

こんな感じになりますので、参考にしてください。

metallic alloys

合金 単一の金属元素から成る純金属に対して、純金属に他の元素を足して組成を調節することで、強度や融点などの性質を変化させ材料としての性能を向上させた合金が生産されて様々な用途に利用されています。

properties

propertyは資産や不動産などに訳すのを良く見かけますが、理科用語としては物質の特性を意味します。硬さや耐熱やサビにくさ、強さなどです。

baron carbides

今回は、合金としての例でbaron carbideつまり炭化ホウ素が出ました。炭化ホウ素は超硬素材として有名で、戦車の装甲や防弾チョッキの素材として知られています。また、モース硬度mohs’ scale of hardness、鉱物の引っ搔いた時の硬さを測る硬度でダイヤモンドの次に硬い鉱物としても有名です。

elastic modulus

elastic modulusは弾性率と言われ、物質の変化のしにくさを表す物性値です。

body armor

戦車の装甲です。

padlocks

南京錠です。

おそらく炭化ホウ素は日本の高校化学であまり見たことがないような気がします。(もし間違っていたらすみません。Baron carbideは海外の化学のテキストで見かけますが、炭化ホウ素という言葉はあまり見ることがないので、あくまでも私の経験上の感覚です。)

どのように、学校の理科の授業を生徒に理解させるのか?

これは英語力や理科の学力に合わせて教えるしかないです。

まだ留学生活を始めたばかりで、英語力も十分でなく、化学の知識も中学レベルであれば、それぞれの原子の英語名、

例えば

ナトリウムはsodium
カリウムはpotassium

などカタカナだから英語という法則が成り立たない原子から

ケイ素はシリコンsiliconと、英語の方が有名な元素もあれば

超有名な、塩つまり塩化ナトリウムは sodium chrorideですが、塩素はchrorineです。

など原子の英語名から物質の特性などをわかりやすく説明して、まず化学に興味を持ってもらうことから始めなければなりません。

難しい課題は私がやる。その理由とは?

理科の課題に関しては、英語力が付くまでは私がある程度の文章を作成して課題を提出するようにしています。

当然、生徒にやらせれば英語の勉強にもなるのでは?と思うかもしれませんが、ここまで本人の英語力と離れた勉強をして意味があるのか?という、合理性を優先しています。そして、私が英語と日本語でその生徒のレベルに合わせてわかりやすく教えるようにしています。

英語を始めた中学生にイオン結合のテキストで英語を教えてその生徒が効率的に英語を勉強できると思いますか?

ということです。

生徒が効率的に海外の授業で英語力と学力を伸ばすに最適な学習方法とは?

私は留学生には、その生徒の英語力よりもちょっとレベルが高いけど頑張ればなんとか解けるような問題を出題したり教えたりしてサポートしています。また、留学する前に、しっかりと人間関係を築いて、生徒がわからない問題が出た時に気軽に質問できる環境が大事だと考えています。

教える側の都合に合わせるのではなく、生徒のストレスを感じないように勉強に集中できる環境が大切だと思います。

中国人もインド人も留学生はしっかりとした学習サポートを受けて成績を伸ばしているわけです。なのでどの英語圏の国に留学してもトップは中国人やインド人が占めるわけで、日本人の学力がそこまで低いというわけではありません。

日本の場合はとにかく学習サポートが留学生には貧弱なのに、とにかく金額がびっくりするほど高い。私がもらっている時給の3倍以上が相場では、生徒もわからないことが自由に聞けないし、本当にかわいそうだと思います。

今はyoutubeなどで、わかりやすく解説している動画がたくさんある。活用してほしい。

現在ヨーロッパの学校に留学している生徒に数年前におすすめしたのは、イギリスの中学生の卒業試験GCSEの試験対策の動画でこのような動画があるので、活用してもらいたいです。

また大学入試向けA-LEVEL対策はこちらがおすすめです。イギリスの生徒を対象とした動画ですが、他の国の生徒も問題なく授業に活用できると思います。

理科の授業が理解できるようになれば、将来の大学が就職の選択肢は確実に増える。

オーストラリアでも、レベルの高い理系の技術者へのビザ提供を積極的に行うことになりました。それぞれの国は、お金を持っている人よりも、ハイレベルな頭脳の方が将来的にメリットが高いと理解し始めてきたと思います。

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