見出し画像

地球全体のウイルスの動きをリアルタイムに追跡するサイト 「ネクストストレイン」

<科学データ、報告データ> Curated by 都丸亜希子

 ウイルスは宿主に感染して複製を繰り返すことにより、そのゲノム(全遺伝情報)にランダムな突然変異を蓄積していきます。ウイルスの発生系統の図(進化の道すじを描いた図)とともに、そのウイルスが地球上のどの地域の患者から採取されたかを地図で表示するサイト、Nextstrain(ネクストストレイン)をご紹介します。

 地球全体のウイルスの動きをリアルタイムに追跡できるようになっています。

 サイトを制作しているのはGISAIDという非営利団体。各国研究者とドイツ、米国、シンガポール政府などによるグローバルイニシアチブです。2006年に猛威をふるった鳥インフルエンザの際に立ち上げられ、誰でも迅速にデータにアクセスすることを可能にしました。以降、各種ウイルスのゲノムデータを研究や公衆衛生に活用するため、Nextstrainでデータの分析・可視化を行うとともに、解析手法を公開するオープンソースプロジェクトを運営しています。

ネクストストレインの使い方

 Nextstrainのページの「Novel coronavirus」のなかの左上の項目「latest global analysis」をクリックすると、2019年12月8日から今日現在までの「発生系統(Phylogeny)」と「伝搬(Transmissions)」の世界地図が表示されます。伝搬(Transmissions)の図の左上にある「再生(PLAY)」をクリックすると、感染拡大しながらウイルスが変異してきた様子を2つの図(発生系統図と世界地図)で同時に見ることができます。日本語を含む8カ国語に対応しています。

 発生系統図は4種類のレイアウト(表示形式)から選べるようになっています。矩形(RECTANGULAR)を選んだ場合、横軸は時間、縦軸が変異数で、上方向に変異数が増えるようにプロットされています。経時的に変異が蓄積される様子はレイアウトの「時系列(CLOCK)」を選択すると感覚的に理解しやすいです。



現在、ボランティアでやっております。継続のためには人手が必要ですので、ぜひ資金サポートをお願いいたしますm(_ _)m