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ホームレスの人々を助けたい!in NY

ここのところ、地下鉄でずっと寝ているホームレスの人たちをどうやって助けだすかの問題に焦点があたっている。NYの地下鉄は24時間走っている。それゆえに、帰る家のないホームレスの人たちの多くが、この地下鉄の中で寝ている。それは、NYに住む私たちにとっては、ほぼ日常の風景の一部になってしまっていて、すでにどうしようもない部分でもある。

けれども、ここに来て、MTA(地下鉄)の職員さえもバタバタと倒れてしまっている今、そういうホームレスの人たちがすでに密封された車内で感染してしまっている確率は決して低いとは言えない。しかも、彼らは当然マスクすらしていないし、マスクをしなければいけない非常時であることすら知らないかもしれない。そして、それ以前の問題として、彼らはずっと衛生上の問題を抱えたまま、地下鉄の中やホームなどで寝ているわけだ。

NYにはホームレスの人たちをアクセプトするいくつかのシェルターというものがあるのだけど、そのシェルターも、市内の老人ホーム同様、すでに多くの感染のクラスターが起こってしまっている。

そうなると、まず、彼らをどう助けるのか、そして、地下鉄の中をどうやってキレイにするのか、という二つの問題があり、その対策を今から考えるとクオモ氏は今日の会見で言っていた。

ホームレスの問題は、すでに70年代から始まっているし、現在のNY地下鉄は、線路にはネズミが走り回り、構内もとてもキレイとは言い難い駅が沢山ある。ただ、そうだとしても、24時間走ってくれている電車の空間は、ホームレスの人たちにとっては、ある意味ありがたい場所だったに違いない。

しかし、今回の出来事で、もうそんなことは言っていられなくなった。そもそも地下鉄に衛生面で問題があることをそのものが、ホームレスの人たちも含めて、多くの人命に関わってくる上に、それ以前に先進国の都会であるはずのこの街に、こんなに多くのホームレスの人たちが普通にいても果たしていいのか?という問題もある。

今回の出来事は、色々な意味での過去のシステムを強力に一掃する役割を果たしている部分もないとは言えない。だから、人と人とが本当に何を大事にして、どう繋がり、どうやってリスペクトし合うことができるのかを最初から考え直すには、とてつもなく重要な機会だと思う。

その意味では、本来ホームレスにならなければいけない人たちがこれほど出てきてしまう社会システムから見直すには、今回の地下鉄の徹底的なクリーニング計画は何かの助けとなるキッカケになるかもしれないと今は願っている。




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