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マンハッタンの自転車ライドは命がけ?in NY

前回のnoteで、NYの学生街でのカフェ探しのことについて書いた続きで、カフェへの移動に欠かせない自転車のことについて書いてます。

https://note.com/jasminflower/n/n1d5741a88a69

コロナ以降は自転車移動をする人が増えたマンハッタン

街の構造が基本的には碁盤の目になっているマンハッタンでは、いまや自転車での移動を通勤に選ぶ人たちも多い。

特に、コロナ以降、自転車ライダーは確実に増えたはずだ。

2013年に始まったNY市がやっている自転車のシェアリングサービスのシステムCitibikeも、数年前に比べると利用者は限りなく増えていると思う。

当時は、Citibikeといういかにも広告感満点の目立つデザインはそれなりに気恥ずかしいと感じる人も多かったのか、抵抗を示す人もいたようだけど、もはやそんな事は言っていられなくなった。

最初のロックダウン以降、人種差別事件なども多く発生したNYの治安は完全に悪化した。それは、表向きの街の復興には関係ない。特に一見活気が戻ったかのような街の様子とは裏腹に、地下鉄でのひどいニュースは相変わらず連日頻繁に流れてくる。

そうなると、コロナ以外の理由でも、移動手段を自分で選べる状況を好む人が増えても当然かもしれない。

とは言え、自分の自転車で移動した場合、一番気を揉む点は、駐車している間に自転車を盗まれないかと言う問題だ。

海外の都市では自転車を盗まれる危険性は避けられない

私も以前は自分の折り畳みの自転車で移動していたのだけれど、ちょっとした買い物の時にできるだけ人通りが多い場所に止めても、やはり盗難の可能性が気になって、20分以上は自転車の側を離れることはできなかった。(これは、私が高くていい自転車を持っているからとかそういう事では決してなく、たとえ中古で買った20ドル以下のママチャリだったとしても、この街では安全の保証はないのが実情だからだ)

海外の自転車は、基本的に日本のような鍵は付いていないので、駐車するには建物の階段の手すりとか、自転車置き場に設置された金属の輪っかみたいなのに太いチェーンで自転車を括り付ける形になる。それでも、道具を使ってチェーンを切ってでも自転車を盗んだり、部分的に自転車の部品を盗むと言う人たちが残念ながらいたりもするので、完全には安心できない。

日本のように、駅に自転車置き場があったり、自転車の鍵もものすごくミニサイズで、場合により簡単に壊せるみたいな代物でも何も問題が発生しないっていう状況の方が、海外ではむしろ奇跡だと思う。

盗難の危険がないシェアリングシステムの貸し自転車が人気

今やってるバスキアの展示の広告が入ったシェアリングサービスの自転車

さて、そんな事情から、昨今はNY市がやってる自転車のシェアリングサービスシステム(街のストリートにステーションが設置されている貸し自転車システム)がここでは人気だ。でも、この場合も一番の問題は、例に漏れず、歩行者だけでなく、自転者ライダーのマナーが呆れるぐらいに滅茶苦茶だってことだ。(OMG!)

もともと西海岸や他の自動車社会のアメリカとは違い、マンハッタンは幅の狭い通りも多い。だから、ここでは車が来ないのに信号を守って待っている人は誰もいない。

そして、それはマンハッタンではすでに当たり前の習慣となっているので、小さな通りを渡る時には、人々は車が来ない瞬間と言うのを常にチェックして通りを渡っているのが通例だ。つまり、信号は全く関係ない。車が来ているかどうかだけで、道を渡るかどうかを決めているのがここでのやり方だ。(ちなみに、パリでは、車が来ていてもそれをすり抜けて大通りを渡ると言う大技に出ている強者の人たちを見かけたことすらある)

そんなわけで、私も例に漏れず、このやり方に慣れてはいるのだけれど、これは自転車ライダーの立場から見ると、ある意味ものすごくトリッキーで危ない。

それは、歩行者の目には、自転車は車道を走る車の一部としては全く換算されていないからだ。

だから、自転車が青信号で広い通りをまっすぐに移動しようとしていても、全く気にせずそれを横切る歩行者は結構いたりする。そうなると、「なんで青信号守ってる自転車が守ってない歩行者を避けないとあかんねん!」とプチ切れそうになることも度々あるんだけど、そうしないと歩行者を轢いてしまう可能性もあるので、この場合は諦めてスロースピードにするしかない。

逆方向から信号無視して爆走してくる自転車ライダーたちとの壮絶な戦い!

でも、ここの自転車ライダーたちも、決して歩行者には負けてはいない。
だから、あたかも一歩間違えば、人を轢きかねないぐらいのすごい勢いで信号無視している自転車ライダーの数も多い。もはや無礼講同士の合戦状態だ。

そんなマンハッタンの歩行者VS自転車ライダーの合戦も去る事ながら、ハッキリ言って、自転車ライダー同士の凌ぎを削る移動戦争も、もはや半端ではない。(しかもそれは、車道という車がメインの通りの端の自転車レーンで行われている)

特に、”これだけはやめてほしい!”って思うのは、自転車レーンを逆方向に爆走する自転車だ。

この悲劇は、マンハッタンでは、メインの縦横に走る限られた大通り以外は、全ての道が一方通行である事が原因で起こる。

私を含めて複数の自転車が指示通りの進行方向に進もうとしている時に、こちらに向かって突然爆走して来るデリバリーなどの自転車の類には、何回背筋が凍る想いをしたかわからない。

ポンコツ自転車に当たるかどうかはロシアンルーレット

私はただでさえ運動音痴なのに、この街のシェアリングシステムの貸し自転車は、やや壊れかかっている気味のものがあったり、ブレーキの効きが悪かったり、重たくてペダルを踏んでもなかなか普通には前に進めないみたいなものも、ある程度の割合で含まれている。

そして、それは、乗って見なければわからないロシアンルーレット状態だ。(汗)

でも、一度ロックしてあるステーションから携帯のQRコードで自転車を持ち出して走り出してしまったら、たとえポンコツの自転車に当たってしまっていたとしても、次のステーションを見つけるまでは、ひたすら走るしかない。

自転車のステーション

やっと自転車置き場のステーションに到着したら、今度は置き場の機械との格闘が・・

そんなわけで、先のnoteに書いたカフェ探しも、このような自転車ライドの難関を何回も突破しながらの移動になる場合も少なくなかったりする。
そして、やっと目的のカフェエリアに辿り着いたとしても、そこで問題になるのは、今度は自転車を近くのステーションに戻す時に、自転車置き場の機械が壊れていないかと言うことだ。

通常、ステーションには20台以上ぐらいの自転車置き場が設置されているのだけど、ひどい時は、その中の数個以上の自転車置き場の機械が壊れている。そして、借りた自転車は、正常に動く自転車置き場の機械にしか戻せない。

しかも、人気エリアのステーションだと、すでに自転車置き場が全て埋まったりしてしまっている事もある。

そうなると、また別の自転車ステーションを探さなければいけない。
シェアリングシステムの自転車の可能継続走行時間は、一回のレンタルでは30分、継続レンタルでも45分だ。それを超えると超過料金が発生する。

まあ、そんなに遠くに移動するわけではないので、この時間内に収まらないような事はほとんどないにせよ、やはり借りた自転車がちゃんと自転車置き場に戻せているかどうかを確かめないと、流石に落ち着かないと言うのはある。

それは、私が以前に友人から貸し自転車を又貸しで借りて乗ってた時に(以前は携帯のQRコードではなく専用の鍵があった)、自転車置き場の機械の多くが壊れているという事実を知らず、自転車がキチンと機械にはまっていないままで立ち去ってしまって追加料金が発生した苦い経験があるからだ。

色々あってもやっぱり自転車の街乗りが好き

そんなわけで、いつも気が抜けないマンハッタンの自転車移動だけど、色々と苦労があったとしても、秋空でお天気の良い日の朝に風に拭かれながら自転車の街乗りをするのはやっぱり気持ちがいい。

そして、移動する風景や空気を自分の目で観れて感じれること、街を直に感じられることの楽しさは、他の移動手段には変え難い。

今日は、そんなマンハッタンの街乗り自転車ライダーのハートにも染みるようなサイモン&ガーファンクルの短いけど爽やかな一曲を紹介したい。

この曲は、大学時代の英語の授業の時に初めて聞いた。実技には一生懸命だけど、学科の授業に関しては、全くやる気のない美術学校の生徒たちの対応に耐えかねて、英語がわかりやすい古い洋楽の曲でも聴かせれば、少しは生徒たちの関心が高まるのでは(自分も何もしなくていいし)と言う当時の外国人(多分アメリカ人)の先生の計らいだったと思う。

それでも、相変わらず多くの生徒は半分寝ているような感じでただ座っているだけだったけど、他の名曲に埋もれてまだ聴けていなかったサイモン&ガーファンクルのこの一曲は結構素敵だと私は思った。

その時はまだ、この曲が、マンハッタンの橋のことを歌っているとは全く意識して聞いてなかったけど、なんとなく天気のいい朝に自転車で橋を渡る時の気持ちの良い風を感じさせるような名曲だと思って記憶に残っていた。(実際には歩きで散歩しながら渡るイメージで書かれたかもしれないけど、このテンポは私には自転車だった)そして、その場所にまさか自分が来る事になるとは当時は全く思ってさえいなかった。

この曲の舞台になっている59丁目の橋は、クイーンズと言うエリアとマンハッタンを結んでいる。

Queensboro Bridge

のんびりしたクイーンズの住宅街から、緊張感のあるマンハッタンへの通勤の途中にみんなが朝この橋を渡る。橋の上で、多くの人たちは自分の気持ちをプライベートからビジネスへと切り替えようと、黙々とただ歩き続ける。

でも、その様子を見ながら、もっとスローダウンしようよ、朝をゆっくりと味わおうよ、爽快な空気を感じようよって話しかけているのがこの曲だ。

翻訳は、Amebloの小川カミラさんのページをお借りさせていただきます。
https://ameblo.jp/kamihonyaku/entry-12592215689.html



































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