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日本人は洗脳されやすい?

海外への憧れ

NYにいると、メデイアの影響も強い島国の日本では、海外(とくに西洋諸国)への良いイメージがある意味膨らみ切っているように思えたりすることがある。多くの日本に住む日本人は、西洋諸国に関しては、あらゆる面で日本よりも素晴らしいに違いないというファンタジーは今だに多かれ少なかれ持っているのではないかな。だから、商品を買うにせよ、ヨーロッパやアメリカでも一世風靡!海外セレブにも人気!などと聞くと心が騒いでその気になってしまったりするし、ある意味とても洗脳されやすいところもあると思う。それにはいくつか理由があるかもしれない。

善良で騙されやすい日本人

まず、これは本来ならば良いところでもあるのかもしれないけれども、日本人は、DNA的にはもともとは先祖代々な仏教などの影響下にある家庭も多いせいか、どちらかというと平和的志向が強いので人を疑う事を好まず、人がいい。つまり、平たく言うと、もともとは性善説寄りの民族ではないかと思う。だから心のキレイな人も少なくない。それ故信じることには素直だし、あまり疑うことには慣れていないかもしれない。

団塊世代以降はアメリカ文化の影響下

その上、もともとは敗戦国だったのに西洋諸国を意識しながら急成長を遂げてこれたせいもあってか、日本人は、かなり西洋崇拝っぽいというか、西洋信仰が他のアジアに比べると遥かに強いように思う。要するに、現在の団塊世代から続く戦後生まれの日本人の私たちは、意識無意識関わらず、アメリカを中心とする西洋文化の多大な影響のもとに育ってきているのが実際だと思う。それ自体は、文化交流の意味では決して悪い事ではないのだけれども、先に書いた素直な騙されやすい性質と西洋文化の影響が合体すると、やはりどこか西洋崇拝のファンタジーの中で生きてしまう傾向になってしまうのは否めないかもしれない。

イメージはいくらでも作れる

私も初めてNYを訪れる前は、まだ、今のように何でもすぐにネットで検索するのが当たり前、という時期ではなかったし、インターネットは始まってはいたけれど、ネット上でもそれほど多くの情報が溢れて返っていた訳ではなかったので、アメリカやヨーロッパの最新情報が分かる女性誌などを毎月読みながら、フォトグラファーが実際よりも何倍もオシャレに見えるアングルで撮影したり、レタッチャーによって部分的に加工されていたり、ライターやデザイナーによって事実以上に現地をよく見せるページ構成が出来上がっているかもしれないと言うことも知らず、美しすぎる街の写真やカッコ良すぎるモデルさんの着こなしなどを見て、うっとりしていた口だった。

日本で憧れたNYと実際とのギャップ

でも、だからこそ、実際に初めてNYを訪れた時には、雑誌で見るNYのイメージからの想像とはかなりのギャップがあり、東京やその他の日本の都市に比べると、大都市と言われる割にはなんだか垢抜けないアナログさがあって、街行く人のオシャレ度も意外に低かったのには驚いた記憶がある。

時刻表がいらない街

当時は地下鉄が落書きだらけの最も危なかったと言われていた時期はすでに終わっていたのだけれども、電車が時刻表通りこない(そもそも時刻表を手に入れるだけでも大変だった。ここでは誰もそんなものは使わない。)のは当たり前で、地下鉄の線路にはネズミが走り回っている。(それは今でも変わらない。)しかも地下鉄の前の部分の電車の表示と横の表示が違っていたりする事も珍しくなかった。つまり、例えばAトレインのAマークが電車の先頭に大きく表示されているにも関わらず、車両のサイドには、Fトレイン、と書かれていたりする次第。良く分からないので、先頭のAトレインの方を信じて乗ってみたところ、実はFトレインだったり、その逆だったりした事も何回かあった。

多様性を学ぶには情報より経験

そんな調子だったので、今でこそ、グローバル化が普通になり、それなりのおしゃれタウンと化しているNYだけれども、インターネットが発達する前は、本当に人種が多いだけのかなりアナログな雰囲気の街だった。

でも、だからこそ、この街に暮らす間に、表面的な情報に踊らされる以前の人間の多様性を垣間見る経験がこの街には無数に転がっている、という事も学んだ。そこから先の話は、またおいおいと書いていけたらと思う。

自分の目で確かめるのが大事

そんなわけで、今日のまとめは、平たく言うと、百聞は一見にしかず?ってことになるのかな。とにかく少しでも興味がある場所があるのなら、情報のみに頼って知ったつもりになるのではなくては、たとえ短い旅になってもいいから、自分の足で実際にその場所に行って、自分の目で見たり感じたりした真実の経験を積み重ねて行くことが、これからは本当に大事になって行くんじゃないかって思う。



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