アラフォー真夏の大冒険⑨ニャチャン、「オーイ」の精神
2023.7.19 ニャチャン
今までの疲れが出てきたのか、ツアーの道中も、帰ってきてからも気がついたら眠っていた。スマホのネックストラップをどこかに落としたことに気づかないくらいだった。
朝方、まだ薄暗い時間に目が覚めて、今朝のプランを確認する。まだまだ眠りたい。でも窓の外の奥の方を見ると海が少しだけ見える。
海に行こう。
ニャチャンは海の街。といっても、我が町のように田舎ではなく、どちらかというとハワイのような、海岸沿いには軒並みホテルが立っていて、交通量も半端じゃない。
急いで支度をして、ビーチサンダルを履いて海に急ぐ。日が昇ってきている。すでに大音量の音楽。何か催し物がやっているらしい。
ステージ、たくさんの人、道沿いには規則正しく並ぶタクシー。
海だーーーー。
向こうの山が霞んで見える。穏やかな波。楽しそうな声。しばらく見とれて、足だけ浸かってきた。冷たくて気持ちが良い。
気がつくと、一人のおじさんが「オーイ」と呼ぶ。ベトナムで誰かを呼ぶときは「オーイ」。近くを歩いていたおじさんが近寄る。どうやら、海の中でちゃぷちゃぷ涼んでいたおじさんは右半身が動きづらいらしい。そこで砂浜に上がりたいから助けてくれないか、ということだったようだ。呼ばれたおじさんは海に入り、おじさんの手を取り砂浜まで案内する。本当に優しい。
こうだから、ああだからとやらない理由を探すんじゃなく、まずはやってみる。始めてしまえばどうにかするし、どうにかなる。どうにもならないときは誰かを「おーい」と呼べば良い。きっと、きっと助けてくれる。
こうしたら何だ、ああしたらダメ、そんなの恥ずかしい。
こんな言葉だらけで生きてきた私は、2週間のベトナム旅で、それらをはがしてベトナムの地に置いてくることができるだろうか。2週間じゃ足りないかもしれない。
でもほんの少しだけでいいから、私も「おーい」精神を染み付かせたい。
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