NHK「クロサワ・アーカイブス 七人の侍は、こうつくられた」
これは 1991年放送
NHKのドキュメンタリー番組「七人の侍は、こうつくられた」を
「クロサワ・アーカイブス特集」として
2008年にBSで再放送されたもの。
加えて
映画『MIFUNE: THE LAST SAMURAI』など
その他から 少々 抜粋させて頂きました。
『羅生門』で
ヴェネツィア映画祭・金獅子賞や アカデミー名誉賞を受賞後
『白痴』『生きる』につづく 『七人の侍』は
1954年に公開された。
この昭和29年当時に 2億1千万もの巨費を投入
ほぼ1年間の撮影期間を費やし
この大作に賭けた 黒澤明 若干44歳。
作家としての執念が爆発した瞬間だった。
お話のあらすじを 超簡単に三行で。
戦国時代、野武士の集団に略奪を繰り返され
困窮を極めた 部落の農民たちが
七人の侍を雇い、共に野武士と戦う物語。
報酬は "米のめし"だけ。
出世にも手柄にもならない 戦さに参加した侍七人。
左から
勝四郎 (木村功) 七郎次 (加東大介) 久蔵 (宮口精二) 島田勘兵衛 (志村喬)
片山五郎兵衛 (稲葉義男) 林田平八 (千秋実) 菊千代 (三船敏郎)
まずシナリオ作りについて。
脚本家の橋本忍さんの話。
「ジョン・フォードみたいな 時代劇が創りたい」
黒澤監督の この熱い想いのもと
1952年 (公開2年前)
黒澤さんと橋本さん、同じく脚本家の小国英雄さんを加え
3人は熱海の旅館「水口園」にて 共同就筆に入った。
同じシーン、シチュエーションを
3人がそれぞれ書き
見比べて最も良いものを採用する方式。
大きなひとつのテーブルを囲んで
毎朝9時から夕方5時まで 誰もがほとんど一言も喋らず
お茶を運んでくれる女中さんが
入るのをためらうくらい 部屋は殺気立っていたという。
このとき橋本さんが覗いた 黒澤さんの大学ノートには
七人の侍 ひとりひとりの
身長、体重・身体的特徴から 生い立ち、性格まで
大学ノートにびっしりと 書かれてあったそうで
「自分は昔から"天才"を信じなかったが、
実は"天才"ってのは 存在するんだな。
"天才"とは常人には出来ない
異常な努力の出来る人なのかもしれないと
黒澤さんを見てそう思った」
と、橋本さんは語っている。
続いて
ロケハンについての話も 非常に興味深い
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