大好きなアーティストのライブに行った話
2月14日、私は大好きなアーティストのライブに行った。
向かう道もずっと気分が高揚していた。
落ち着いたふりをして代官山の道を歩く。
私にとって大切なものをたくさん与えてくれた、
ずっと憧れていた女性シンガーソングライターだった。
会える、肌で歌声を感じられる。
そう思っただけで涙が出そうなくらい
私にとって大切な人だった。
ライブが始まってからはあっという間だった。
きらきら輝くステージの黒い床、
ふわふわと浮かぶ雲、
いろいろな景色を切り取りながら揺れる額縁。
夢のようだった。
イヤホンを通して聴いていた歌たちがこんなにも鮮明に
何もつけていない耳に届き
体に響いて残る。
こんなにも静かに心が揺れたライブは初めてだった。
煌びやかなギターの音、
丁寧でよく伸びる透き通った声。
会場にいた誰彼も歌に飲まれ
空気に飲まれ
溶かされていくような そんな雰囲気だった。
演目が終わったあと
ひとりひとりにブックマーカーを配布してくれた。
サインと日付
その日の曲数と『柔らかな盾』。
目の前に立っている彼女に感極まった私は
「また必ず聴きにきます。」
とだけ言って会場を出た。
苦しいことも悲しいことも全部溶かしてくれた
あの夜にもう一度戻れたらいいのに と
心から思う。
是非聴いてくださいね。
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