機器探訪#004 dCS Network Bridge
イギリスのデジタルオーディオメーカーdCSによって2017年に発売されたネットワークトランスポートで、公式サイトで唯一の展示販売店となっているマイクロファラッドさんから購入しました。
製品の概要
NASに入った音源やTIDAL、Deezer、Spotify等のストリーミング音源をイーサネット経由で取り込んでS/PDIFやAES/EBUからデジタル出力するためのDDCであり、PCMは384kHz 24bit、DSDは5.6MHzまで対応しています。
なおS/PDIFやAES/EBUではデータ信号と合わせてクロック信号も送信されるため、トランスポート側のクロック精度が低い場合はジッターがDACに伝播してしまいます。
しかし本機は同社のVivaldiと同一の高性能マスタークロックが搭載されているため、精度の高くないDAC内蔵クロックに対してUSB出力する場合に比べれば、寧ろシステムとしては精度向上が狙えます。
機器の印象
サントリーピュアモルトウイスキー山崎でお馴染みの
正にそのもの。
そんな評価が似合うザ・トランスポート。
色付けはほぼ無く、DELA直結でのUSB接続と比べてCHORD Qutestなら生々しさ、ACCUPHASE DC-37なら質実さ、といった後段に繋がれるDACの持ち味をより素直に引き出してくれます。
ただし何の個性も無いかというと、何故かどのDACを繋いでも低音のタイトさが強調されるようになるのは少し不思議。
という事で、システムの味付けはDACやプリといったアナログの世界に任せ、デジタル領域はあくまで無色透明無味無臭を理想とする、そんな価値観をお持ちの方にはベストマッチな蒸留水のようなネットワークトランスポートです。
その社名は伊達じゃない!
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