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機器探訪#003 Accuphase DC-37
発売は2014年ですが、購入した2020年10月現在でも未だに現行品の座を留めているAccuphaseのDAコンバーターです。
製品概要
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DAC部は一世代前の一体型SACDプレーヤーDP-720と同様、ESS Technology社のΔΣ型DACチップES9018をLR独立で一個ずつ、つまり片チャンネルあたり8回路を並列駆動させており、スペックとしてはPCM 384kHz 32bit、DSD 5.6MHzまでの再生に対応しています。
音質
その出音については、エモーショナル&エネルギッシュなCHORD Qutestに対して、虚飾を削ぎ落としたところに美を見い出すという日本文化を音で表現したような、正に質実な音色です。
Qutestで感じられるような離散データでのトランジェントの高さが故に引き起こされる緊張感などといった派手さはありませんが、心を鎮めて向き合えば、繊細ながらも凛とした各々の旋律が舞っているその広大な空間の中にいつまでも自身の身を置いていたくなります。
おそらく、水墨画のような豊かな階調表現や不自然な滲みの無い緻密な分解能、特定の音域を強調しないチューニング、またそれらにより奏でられる脚色の無い自然な余韻や音離れの良さなどといった丁寧な空間表現によって、そのように感じられるのではないでしょうか。
日本メーカーによる日本文化に根ざしたDAコンバーター。
虚飾を削ぎ落とし、繊細ながらも凛とした質実な旋律に身を委ねる。
そんな古き良き日本文化に魅力を感じる方には、是非一聴をおすすめしたい製品です。
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