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私の日本語教師歴 part3 ~ シンガポール編 + コロナ後の心の変化 ~

私の日本語教師歴、part1,par2と続き、最後のpart3です。

part3では、日本語学校以外での活動を書きたいと思います。


シンガポールでキッズ日本語教師デビュー

「日本語教師」と一口に言っても、教える対象が違えば、やり方も全く違います。
もし、私がずっと日本にいたら、ぜったいしなかったであろう「キッズにほんご」。タイミングとチャンスがたまたまシンガポールにありました。

同じコンドミニアムに住む元日本語教師のママ友さんから、シンガポーリアンの子供の日本語クラスの先生が足りないので手伝ってほしいとの依頼が。日本ならE●CキッズJrのシンガポール版?
まったくの未知の世界だけど、ここでしかできない。今ならいろんな条件がそろってできそうだと思って引き受けました。

①3~5歳幼児クラス(親付き)
全員シンガポーリアン。
幼児クラスは、文法なんてできないから、歌うたって、お遊戯して、ダンスして、遊んで~と 親御さんも巻き込みながら 日本語を楽しむクラスに。

小学生クラス
全員シンガポーリアン  親に無理やり習わされてる子も。やる気低め。
1年以上「こどものにほんご」で勉強していたはずだけど、ぜんぜん話せないクラスでした。私が思ったのが、まず、テキスト選定のミス。
テキストは在日外国人向けで、彼らにはあってなかった。この子たちが日本の小学校の給食の会話を覚える必要はないし、興味もわかないでしょう。
テキストを一旦中止して、サバイバル日本語に切り替え、自己紹介や「すき/きらい/したい」などから入れ直しました。初め、話す気0だった小学生キッズが、少し笑顔で日本で話してくれるようになりました。

この経験から、大人と子供のアプローチの違いをひしひしと感じ、自分の力量がたりないと思い、当時、オーストラリア在住の先生が始めたばかりのオンラインの幼児日本語講座を受講しました。(今は大きい協会になっているようです。私は、基礎コースだけ受講しました。)


もしシンガポールに行ってなかったら、20代だったら、海外出産してなかったら… 足を踏み入れなかった領域だと思います。
タイミングって本当にあるんだなと実感しました。

帰国後は、また留学生相手にもどり、もう子供を教えることもないかなあと思っていたのですが…

転機は コロナ

コロナ禍、必然的におうち時間が増え、それまであまりやってなかった自分のための勉強をする時間をもちました。(今までは日々の授業の準備+家事育児でいっぱいいっぱいで、心の余裕がなかった)

・おしえない授業/ファシリテーション
・やさしい日本語
・外国語ルーツの子供たちを取り巻く環境&日本語教育

主にこの3本を主軸にいろいろなセミナーや勉強会がオンラインで開かれていたので、気になったものには参加しました。

まず、「教えない授業」の講座で言われた「あなたが喋る分だけ、学生の話す機会を奪っている」にショックを受けました。
今まで、しゃべってなんぼと思ってたので、「そうか、私が話してる場合じゃないのね」と頭をガツンとやられました。
かといって、日本語学校で教鞭をとる中で、時間内にここまで終わらせなければというプレッシャーもあるので、すべてのやり方を変えるわけにはいきませんが、学生同士のグループ活動を多めにとったり、彼らが自ら考え、教えあえる環境を作れるように自分の授業を改善していきました。

セミナーや勉強会を通して、外国ルーツの子供が日本で置かれている現状を知りました。私の住んでる地域には、あまり外国人定住者がいないので、肌感覚で増えていることは、今まで実感できていなかったのですが、いろいろなデータや集住地域で活動されている方のお話などを聞いて、ここも待ったなしの状態に来ているんだと知りました。

現在の日本には、外国ルーツの子供が増えていること。
公立小中学校で日本語指導が必要な子供が5万人以上いること。
適切な日本語指導が受けられず、不登校になっている子供が1万人いること。日本語学校の日々の授業だけをしていた私にはとってもショッキングでした。

「外国ルーツの子供への日本語教育」の講座を受けたご縁で、「一般社団法人外国人の子供たちの就学を支援する会(sfcs)」の企画する「1人100時間プロジェクト」第1期生のお子さんを担当しました。それが3年半前。100時間プロジェクトは約6か月で修了したのですが、そのまま、今もレッスンを続けてくれています。

私の住む地域にも、日本語サポーター制度があるのを知って、とりあえず登録しました。昨年、短い時間でしたが、中3の子の日本語教育で学校での取り出し授業に参加しました。
公立学校に出入りして感じたのが、先生方の話し方。先生方も頑張ってコミュニケーションとろうとしているのは伝わるけど、話す日本語が複雑、英語話者じゃないのに英語での語りかけ…
「やさしいにほんご」でコミュニケーションとれるんじゃないかな?と思う場面多々あり。どこから手を付ければいいかわからないけど、学校の先生向けの「やさしいにほんご講座」いつかやりたいなと思っています。

こどもの日本語教育… 大人と違って、日本語だけ教えればいいってもんでもなく、親御さんの考え方も絡んできます。
自分が海外で子育てして、大変だったこと助かったことなども考えて、子育てパパママが日本人とうまくコミュニケーションとれるお手伝いが何かできないか、ただいま模索中です。

コロナを経て、オンライン授業も当たり前になり、学校だけでなく、いろんな場所で日本語教育が必要とされていることを感じます。
「日本語教師=学校」ではない、多方面での活動がこれからますます活発になっていくでしょう。
これからもいろんなワクワクを楽しみにしながら、なかなか足元が定まらないけれど、好きな仕事を、体に無理のない程度にやっていきたいと思います。「グローバル共創デザイナー日本語教師」目指して頑張ります!





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