モテる極意
感性っていうのは例外を除くと結局記憶の積み重ねみたいなもんだろう。
僕にはブルデュー的な考え方がある。
さて、僕は野球を続けていたことを後悔している。練習はキツいのに大してうまくもならなかったし、たくさん日焼けしてしまった。
プロを目指さないのであれば野球は中学までで十分だ。
高校球児の方。辞めたいな〜って思ったら周りの目は気にせず辞めていい。
大学に行けば二度と会うこともない。とっとと辞めて勉強するのは賢明だ。
とも思うが、時間を溝に埋めてきたという一言で終わるのも虚しいので、なんとなく思い出を美化しながらケリをつけることにした。
突然ですが、古着が好きだ。
ほぼ生き甲斐みたいなもんです。
野球をしていたことが古着が好きになることと繋がっていると思っている。もちろんグローブのように馴染んでいくとか味が出てくることを自然と見ていたことが古着の世界観と似ていることもあるが、それよりも、、
まだうまく言葉にできないけど、考え方のタネのようなだけでもここに書いておきたい。きっと共感してくれる人がいるから。
少年野球をやっていた頃、すごいかっこいいOBの人って見たことがなかっただろうか。
ズカズカ小学生の輪に入ってきて一緒に練習しようとしたりするイキった人ではない。タバコ臭い元ヤンっぽい父兄でもない。
もう明らかに運動神経良さそうな高二くらいのかっこいい人。
能ある鷹はみたいな言葉があるけど、そういう人ほど控えめで少年野球の終わりをじっと待っている。
背が高くて色が白くて切れ目だった。
髪はツンツンで「八頭高」と書かれたジャージとボロボロのランニングシューズを履いていた。
OBだったが足がめちゃめちゃ速くて野球ではなく陸上をやっているとのことだ。
小さい頃は足の速いヤツがなぜかモテたが、それの最高潮。
ところで足が速い人ってなんでモテたんだろう。
遺伝的な話で狩りに向いていたり危険な時に生存しやすいとかで子孫を残した、、とかそういう予想はあるけど、まあなんでモテたんだろう??ぐらいにしておき方がいいかもしれない。
とにかくかっこよかった。
みんなもそういう人会ったことないですか?
特にスポーツクラブとか入ってた人。そういう記憶。
でも出会うタイミングってやっぱり重要な気がする。
小学生の眼差しで高校生を見て圧倒されるのがいい。
低いところから見る良さもある。
野球でもなんでもいいけど。あるコミュニティに所属するといろんな年代の人に出会える。年齢が小さすぎてもわからないこともあるし、大きすぎてもわかりすぎてしまうこともある。
小学生から見た部活がバカできるタイプの高校生に出会えたことは今の僕の感性に必ず影響している。その時期が僕にとっていいタイミングだった。
なんというか、衝撃を覚えている。
かっこいいっていうのはこのくらいに胸に響くことなんだって。
今になってもこのくらいに胸に響かないことはやっぱりかっこよくないんだろうという基準のようなものを教えてくれた。
多分これが中学生の時に出会っていたら、ちょっと違ったとは思う。
少しだけでも得体が知れてしまうとつまらないこともある。
美学とも言えないほど素朴ではあるが。
そんな衝撃がずっと心に残っている。
僕、漢字の入った服がすごく好きで、見つけたら大体買うんだけど、あのジャージに書かれていた「八頭高」みたいなものに引っ張られているのだろう。
そうそう。
何が古着とつながっているのかということなんですが、僕のファッションアイコンってそういう人たちで。
無頓着とか部活に青春捧げてるとか。
田舎で過ごしている感じ。
そういう雰囲気はまず新品では再現できないと思います。
直接的にオシャレとかファッションを通した記憶ではないが、そこに対する無限の憧れみたいなもので、そっちの方がみんなの心の中に実は残ってて。
そういうものをいつか再現できればいいなと思います。
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