「コロナパス」デジタル化賞にノミネート
デンマークで開発され利用されてきたデジタルアプリ「コロナパス」が、2022年度のデジタル化賞にノミネートされた[1]。コロナパスとは、2021年5月、デンマークデジタル化庁が発表したデンマークのデジタルワクチンパスポート(Digital Corona Pass, coronapas-appen, 以下コロナパス) のことだ。
ノミネートされたコロナパスに関しては、弊所安岡の「デンマークのコロナパス(ワクチンパスポート)」[3]に詳しいが、そのほか井上陽子さんの「北欧の明暗を分けたコロナ対策 切り札となったデンマークの「コロナパス」と日本との違いは?」[5]も詳細に報告されている。
コロナパスはデンマークで使われている用語で、国によってはワクチンパスポートと呼ばれることもある。
2021年の春にかけて、デジタル化庁が保健庁などと共に開発を行ってきたもので、急ピッチで開発が進められ、あれよあれよという間に利用されるようになった。2021年5月のバケーションまであと1ヶ月ほどを切った時点で、急ピッチでEU全域で開発されたようだ[2]。
夏休みに羽を伸ばしたい欧州諸国の市民達や旅行業に関わる人たちから絶大なサポートを得たことは、欧州に住んでいた人たちにとって記憶に新しいと思う。外出してレストランに行く時、友人とカフェでお茶をするとき、美術館に入館するときに利用していた人も多いだろう。
デジタル化賞のウェブサイト[4]によると、デジタル化賞(Digitaliseringprisen)とは、公共機関における優秀なサービスに贈られる賞で、2004年から毎年行われているのだそうだ。賞のオーガナイズをおこなっているのは、デンマーク広域自治体連合、Djøf、Rambøll、KMD、DANSK IT、Charlie Tangoで、多くのITシステム開発に関わる民間企業などが、地方自治体と一緒になって賞を授与しているようだ。
このような動きはとてもデンマークらしい。賞を作り、関連各所の皆で成果を褒め称え合う。それぞれのプロジェクトの背後には多くの汗と涙があるのだろう。身内から褒められる嬉しさは皆が理解するところだろうし、それでいいのだと思う。
同じ2022年度のデジタル化賞に、地方自治体のA Iプロジェクトなどもノミネートされており、さまざまなデジタルサービスが広く候補として上がっていることがわかる。賞の発表は、3月23日24日にオーフスで開催される会議で発表される予定だ。