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システム開発時にベンダー選びの失敗確率を下げる方法

システム開発にかかる費用は多くの企業にとって高額な金額となります。
それに加えて、システム開発の成功率も100%ではありません。さまざまな説がありますが、50%以下と言われていることがほとんどです。

日本の慣習として、システム開発を自社で行わずにシステム会社に外注します。これが良いか悪いかは今回は考えません。
外部に発注する際に、選定先を間違えるリスクを下げる方法について話していきます。


今回参考にするのは以下の「決定力」といった本です。


これは良い意思決定を行うためのプロセスについて言及されている本です。
プロセスは大きく4つに分けられます。
1. 選択肢を増やす
2. 確証バイアスを避ける
3. 一時的な感情を排除する
4. 自信過剰を避ける

今回はこの本について話すことが主ではないため、上記のプロセスについて簡単に説明します。


1. 選択肢を増やす
そもそも多くの人が意思決定の際に2択程度の選択肢しか持っていません。
なぜ選択肢が少ないかといえば、選択肢を広げる活動をしていないからです。毎回、不満がありながらも同じところに発注しているなどがこれに当たります。


2. 確証バイアスを避ける
人は無意識に自分に都合の良い情報を集める傾向にあります。選択肢があったとしても、実は形だけ増やしていて、すでに結論は決まっていることがあります。これも選択を間違える大きな原因です。自分の選択に都合の悪い情報を意識的に集めることが重要です。


3. 一時的な感情を避ける。
選択をした後、それが間違えている可能性があります。しかし、人は自分の間違いを認めたくありません。個人的な選択であれば認められるかもしれませんが、会社の仕事で周りに自信を持って進めたり、このプロジェクトの成功が非常に重要なケースだったり、さまざまな理由で間違いを認めたくない時があります。しかし、それは感情的な問題であり、間違えた選択であることは変わりありません。自分の後任ならどんな選択をするかを意識すると一時的な感情から離れることができます。


4. 自信過剰を避ける。
人は自分が未来予知に長けていると思いがちな傾向にある。そのため、選択に対して、定期的なモニタリングをサボりがちになる。人は未来に対して自信過剰になることを心がけ、選択肢を高頻度で状況確認することが重要です。



前置きが長くなりましたが、これをシステム開発のベンダー選びに当てはめてみます。

システム開発は費用が高額であることや、期間が長いこともあります。
そのため、選択が間違えていることに気づくのが遅れる傾向にあります。
さらに、間違っていたと気づいた際はすでに遅く、多くのお金を失っています。

また、別会社に乗り換える際もドキュメントが不十分なケースが多く、移行は難しいケースが多いです(ベンダーロックイン)



選択の失敗確率を下げるアイデアの一つとして、並行発注を進めます。
もしシステム開発の難易度が高い場合は、最もリスクのある機能を複数社に発注します。この機能開発が早く・品質が良い企業を選択するといったやり方です。

システム開発は目に見えない作業+時間のかかる作業のため、営業は案件を取るためにある程度好き勝手に話すことができます。
これを避けるために実際に少し発注して確かめます。

その分費用はかかりますが、システム全体が失敗する費用と時間に比べると微々たるものです。

システム開発の難易度が低い場合は、同じページ・機能を複数社に発注し、どこが早く・安く開発するかを比べることを勧めます。


このように並行して発注することで、成果物を比較することができます。
これによってより良い選択肢ができる可能性が高くなります。

しかし、選択肢に100%はありません。
重要なことは高頻度にモニタリングを行い、失敗を認め、できる限り早く修正をすることです。そしてこのような組織文化・風土を作ることが重要です。

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