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名水溢れる甲府盆地で現役エンジニアが実らせる大粒シャインマスカット。

お客様に最適な農園をマッチングし、高品質なフルーツの提供を行うJapan Fruits(株式会社ジャパンフルーツ)。この連載では、Japan Fruitsが提携している、全国各地のJF認定農園(※)をご紹介。安心・安全なおいしさが、お客様のもとに届くまでのこだわりに迫る。

※ Japan Fruitsでは農園に対し、甘さや酸味、果汁量、食感などの品質評価と、収穫量やクレーム対応、生産者の人間性を含んだ多面的評価を実施。厳格な基準をクリアした農園を”JF認定農園”と称しています。

美味しい果物の宝庫・山梨県。県の中央部にある勝沼町でぶどうを栽培している神戸農園が今回の目的地。

巨峰やデラウェア、ピオーネなど様々な種類がある中で、神戸さんが今育てているのはシャインマスカット。種が無く皮ごと食べられるため、近年ますます人気が高まっているフルーツだ。

農園に着いて早速、神戸さんが大粒のシャインマスカットを振る舞ってくれた。噛むと果皮がパンと弾け、贅沢な甘さと爽やかな酸味が口いっぱいに広がる。

Japan Fruitsが神戸さんと出会ったのは、ちょうど5年前。Japan Fruitsの代表 高尾が、神戸さんのインスタグラムを見てアプローチした。

高:「神戸さんがインスタグラムに、ぶどうが芽吹いたところから収穫までの栽培日記を投稿していて、面白い方だなと思ったんです。そして何より大粒のシャインマスカットが美味しそうで」

神:「ありがとうございます」

高:「神戸さんが農園をはじめたきっかけはなんだったんですか?」

神:「両親がずっとこの場所でぶどうを育てていて、自分の代でこの農園をたたむわけにはいかないと思い、後を継ぎました」

本格的にぶどうの栽培をはじめたのは令和元年。それまで果物を育てた経験はほとんどなく、はじめた当初は全くの素人。ゼロからのスタートだったが、周りにぶどうを育てている専業農家が多いため、ローカルの繋がりや支えに助けられたという。

自宅でぶどうを育てる傍ら、県内でシステムエンジニアとして働く神戸さん。この辺りでは珍しい兼業農家、“ぶどうを育てるビジネスマン”だ。システムエンジニアとして培った真面目さをぶどう栽培にも遺憾無く発揮。先輩たちから教えてもらったノウハウに忠実に、一つひとつの工程をその都度最適なタイミングで行うのがマイルールになっている。

清:「毎朝5時に起きて、2時間ほど農作業をしてから出社してます。収穫したシャインマスカットを梱包して、通勤途中にある運輸会社の営業所から、お客様のもとへ発送するのが日課です」

関東であればその日のうちに届くため、“朝採りぶどう”が味わえる。ぶどう狩りとほぼ変わらない鮮度。この贅沢さが、他にはない神戸農園の魅力なのだ。

神:「実は私の弟が東京の恵比寿にある【リストランテ マッサ】というイタリアンレストランでシェフをしていて、そこにも週に2回ほどシャインマスカットを届けているんです」

イタリアンでは桃を使ったメニューが定番だが、神戸農園のシャインマスカットを使った個性豊かな料理も好評。その味の虜になり、リピートしてくださるお客様もいる。
美味しいものへの愛情と探究心は兄弟の共通点。【リストランテ マッサ】を訪れるお客様の反応も、神戸農園の果物の味を支えてくれている。

高:「この土地でぶどうを育てる良さはなんだと思いますか?」

神:「山梨県は水はけの良い土地が多いのと、綺麗な水が豊富なんです。笛吹川(ふえふきがわ)というところから、灌漑用水が30キロほど続いていて、その水を使ったスプリンクラーがある畑も多いんですよ」

美味しいシャインマスカットは、豊かな自然と良質な水により育まれていた。

高:「山梨はぶどうの生産量第一位ですが、最近は気温が上昇していて、ぶどうを育てられない土地もあると聞きました」

神:「巨峰やピオーネは気温が高いと病気になる可能性が高いです。ただ、シャインマスカットは他と比べて病気に強い品種なので、暑くても比較的育てやすいんですよ」

高:「そうなんですね!シャインマスカットを育てる上で、譲れないポイントは何かありますか?」

神:「最近は短梢剪定(※)が主流なんですが、うちは父の代から長梢剪定(※)にこだわってます。短梢剪定の方が作業は楽で設備も整えやすいんですけど、長梢剪定の方が安定して大きな房が採れるんですよ」

※冬季の剪定時に結果母枝(種枝)をその枝の太さや充実の程度によって5〜12芽を残して切り落とす剪定法を「長梢剪定」といい、一律に結果母枝の基部2〜3芽のみを残して機械的に切り落とす剪定法を「短梢剪定」という。

ルーラル電子図書館―農業技術事典 NAROPEDIA


高:「長梢剪定は実がランダムにつくので、収穫も大変ですよね?」

神:「そうなんです、作業的には短梢剪定の2、3倍かかってしまいます。ただその分いいぶどうができるので、今では父から長梢剪定を受け継いでよかったと思ってます」

高:「最後に、神戸さんの今後の目標を教えてください」

神:「今年、カイベリーセブン(サンシャインマスカット)の苗木を植えたんです。3、4年後には育つ予定なので、美味しく栽培することが目標です。それ以外にも、これまでに培ったノウハウを活かして、新しいことに沢山挑戦していきたいです」

地元はもちろん、各地へ新鮮なシャインマスカットを届けている神戸農園。家族から受け継いだシャインマスカットには、神戸さんの深い愛情が注がれていた。日本各地に笑顔を紡ぐ神戸農園のシャインマスカットに、今後も注目したい。

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