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人生で一番の映画

ドラマは苦手でここ数年全く観ていない私だが、映画は好きである。毎週続くドラマとは違って、2時間なら2時間、ぐっとその世界に入り込んで出てくるあの感覚が性に合っているのだ。

そんな私が
「今まで観た中で一番よかった映画は何ですか?」と訊かれたら、これを挙げる。

『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)だ。

映画を観るまで、クイーンについての知識はほぼなかった私。かろうじて聞いたことのある曲が何曲かあるくらいだった(それもクイーンの曲だと知っていたわけではない)。
当時の彼氏(今の夫)が観たがっていたし、評判がよくて気になっていたので、デートとして2人で観に行った。

はじめから、ぐっと映画の世界に引き込まれた。
クイーンを知っていたかなんてここではどうでもよくて、カメラを通して私もバンドの歴史を一緒に辿っていた。

途中途中に挟まれる名曲たち。
知っている曲も、知らない曲も関係なく、心の中がどんどん盛り上がってくる。楽しくて楽しくてたまらない。

人間模様に心を動かされつつ、クライマックスのライブエイドへと物語は進む。

まるで私たちもライブ会場にいるような感覚だった。こんなにすごいことが世の中にあるんだ。気がつくと私も熱狂の渦の一部になっていた。

観終わった後には、心地よい疲労感と、クイーンと同じ時代を生きれなかったことへの残念さが胸の中に広がっていた。
もう少し早く生まれたかった、と思ったのは初めてだった。たった2時間で、すっかりクイーンに魅了されてしまった。

映画館であんなに楽しい思いをしたのは後にも先にもこの映画だけだ。
映画と私の気持ちがリンクする感覚は、そうそう味わえないだろう。

願わくは、もう一度大きなスクリーンで観たい。

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