見出し画像

「眠り姫」な高校時代

高校時代は、とにかく眠かった。
夜しっかり眠ったはずなのに、日中とても眠い。
1日6時間ある授業の全てで居眠りをする日もしばしばあった。
高校3年間で一度も居眠りしなかったのは体育だけだ。

予習はちゃんとするし、テストの点も中くらいだし、ノートもとっているし、居眠りを除けば真面目な生徒だったと思う。
でも、授業中は眠くて眠くてたまらなかった。
授業に興味がないわけでも、寝不足なわけでもない。ただ、不可抗力で目が閉じてしまう。
毎時間、眠気との戦いだった。

寝ていると先生に当てられやすい。
私はいつしか、自分の当たる3つ前くらいに目覚めて状況を把握し、質問に答えるという技を身につけていた。
ランダムに当てる先生の授業ではうとうとしているところを当てられることもしばしばあったが、瞬時に状況を把握して乗り切っていた。
いつしか、「咄嗟に判断して正解を言う」という変な特技が身についてしまった。

3年生の3学期の終業式。
卒業式を終え、受験の結果も出た3年生は自由登校だったが、私は最後に3年間担任をしてもらった先生に挨拶をしに学校に行った。
「3年間、お世話になりました。」
と私が挨拶すると、先生は、
「あおいさんは眠り姫だったね。」
と少し懐かしそうに言った。「眠り姫」ってなんだ。実態よりちょっといい感じになっている。
「多分、大人になることへの抵抗だったんだよ。」
先生はそうも言った。未だに、眠いのが大人になることへの抵抗だったのかはわからない。
でも、担当の授業で散々寝ていた私を微笑ましく見守ってくださっていたことは伝わった。

当時、なんであんなに眠かったのだろう。
口にしたことはないが、自分でも病気なんじゃないかと疑うほどだった。

やはり、先生の言うように「大人になることへの抵抗」だったのだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?