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社会的投資ファンドを立ち上げました!(後編)

岩崎 明彦 / Aki Iwasaki

こんにちは、パブリックマインドの岩崎です。私たちはこの度、社会的投資ファンド「Public Mind基金」を立ち上げることになりました。

前編では、社会的投資の全体像や寄付マーケットの現状についてお伝えしました(下記リンクをご覧下さい)。この後編では、「Public Mind基金」の具体的な中身についてご紹介していきたいと思います。

基金設立の背景 - 日本社会の問題点

今回、私たちが「Public Mind基金」を立ち上げるにあたって、感じた日本社会の大きな問題についてお話したいと思います。

他人と異なること=「問題」「異物」

島国である日本は、物理的に外国から離れています。また江戸時代には鎖国政策をとり、一部の例外を除いて外国人の受け入れを禁止していました。そんな地理的・歴史的な背景が影響しているためか、外国人や茶色い髪、青い目をみると「外国人」「異物」だとして捉えられてしまう社会だと思います(アメリカにも「Foreigner」という言葉はありますが、コミュニティの構成員から疎外してしまっている印象があるので、この言葉を使うことはほぼありません。私がアメリカ社会にいたときに「You are foeigner=あなたは外国人だから」と言われたことは一度もありません)。

学校の教育についても、組織に従順な官僚や会社に忠実な労働者を育てるために、画一的な教育を行ってきました。なるべく均一で、扱いやすい人材を育てることが目的だったのでしょう。そのため、学校でも、会社でも、他人と異なるひとは「問題児」や「異端」というレッテルを張られて、眉根を立てられることが多い社会になっています。最近では、一部のママたちから学校へのクレームが多くて困っているとよく聞きます。

一言でいうと、日本は「他人と異なることが良しとされない社会」だと思っています。

「生きづらさを抱えるひと」

別の言い方をしますと、日本では、「平均的な日本人、普通の日本人」という像があり、そこから少し変わっている人たちのことは、「異物」「問題」として捉える傾向が強いのです。

「平均的な日本人」とはどんな存在でしょうか?それは、例えば、黒い髪で、自分のことを男性と思っていて恋愛対象が女性であるという像だとします。でも、世の中には生まれつき、髪の毛が茶色いひともいますし(私もそうでした)、恋愛対象が男性である男性もいます。

障がいを持っている人や、特定の性的自認性/性的指向性がある人(LGBTQ)、発達障がいのある人、ギフテッドなども、「平均的な日本人」「普通の日本人」からかけ離れた存在として、区別をされて、差別をされて、時に社会から見えにくくされるようなことが行われています。

結果として、こうした人たちは本人や親御さんを含めて、いまの日本社会の中で「生きづらさを抱えている」存在だと思います。

私たちが目指す社会

私たちは、こうした現状に対して非常に大きな問題意識を持っており、「生きづらさを抱えるひとをなくす」ことを目指していきたいと思っています。

「個性」「特徴」ととらえること

まず、私たちは、障がい、発達障がい、ギフテッド、LGBTQ、外国にルーツがあることなどは、すべて、その人が有する「個性」や「特徴」だととらえます。どんな人でも、それぞれの「個性」があり「特徴」があります・・・足が速い子もいれば、料理が好きな子もいる。数学にものすごく強い興味も持つ子もいれば、知的な障がいを持ちアートが大好きなひともいる。身体的障がいを持ち頭脳が天才的な学者もいます、一つの細かいことを繰り返し行うのが得意なひともいます・・・すべてのひとが持つ「個性」を生かすことができる社会を目指していきたいです

包摂的な社会 - 見えにくくしない

日本社会の最もよくないことの一つは、様々な「個性」や「特徴」を持つ人たちを「区別」して、社会から見えないところに押し込んでしまう所だと思っています。人里から遠く離れたところにある施設にバスで通う障がい者など、皆さんは一緒に生活しているコミュニティの仲間と見ているでしょうか。

私たちは、もっともっと健常者や「平均的な日本人」と言われる人たちと溶け込む形で、普通に接点があるような包摂的な社会を目指したいと思います。例えば、農業を行うときに障がいを持った人と、健常者が一緒になって作業をすること。障がいをもったひとが生活するグループホームが、離れた場所ではなく、街中にあるマンションや一戸建てとして、コミュニティに溶け込んでいる。そんな状況があるべき社会の姿だと信じています。

必要なトレーニング、ケア、治療は必要

では、様々な「個性」「特徴」を持つ人たちと一緒に包摂的に生活をしていくとした場合、そのまま放っておけばよいのでしょうか?

私たちはそうは思いません。やはり一人ひとりの置かれた状況によって、適切なトレーニングや、ケアは必要です。

目が見えない人がちょっと階段でつまづいて危なそうなとき、そっと手をつかんで身体を支えてあげることは、皆さんも当然するでしょう。発達障がいのひとに対しても、LGBTQのひとに対しても、日本語が分からない外国ルーツの人に対しても必要なケアやトレーニングというのは、そういうイメージです。放っておくだけでは、うまくコミュニティの中で生活できないのですから、お互い様の精神で手助けすることは必要です。
医療的なケアが必要な子どもが学校に通う場合などは、定期的な治療を継続していくことが必要なことは言うまでもありません。

Public Mind基金の具体的な中身

パブリックマインドは様々な事業会社・学術機関などでの経歴を持つメンバーがNPOや社会起業家の事業運営上の課題解決支援を進めており、資金調達の課題を解決するファンドレイジング支援としてクラウドファンディングを実施しました。

クラウドファンディングは沢山の方々から「共感」を元に資金を集める手法として有効ですが、一方で、機動的・安定的に資金を提供することができるスキームの必要性を感じたことから、今回、新たに社会的投資ファンド「Public Mind基金第1号」の運営を開始いたします。

ミッションは「生きづらさを抱えるひとをなくす!」

上記の現状を踏まえて、私たちが立ち上げる「Public Mind基金第1号」のミッションは日本社会から「生きづらさを抱えるひとをなくす!」ことと掲げました。「生きづらさを抱えるひと」が発生していまう問題は本人や両親の問題ではありません。一緒にコミュニティの中で生活する私たち、「平均的な日本人」のほうの考え方、受け止め方だと思っています。

名称

・パブリックマインド基金第1号

支援対象

  • 全てのひとが有する「個性」が育ち、活かされ、輝いていく社会に向けて活動し、特に、発達障がいをお持ちの方、ギフテッドな子ども、シングルマザー、障がい者雇用、外国にルーツのある子ども等に関する社会課題を解決するための事業

※本公募では日本国内で実施する事業が対象です。

対象となる団体

  • 社団法人・財団法人(一般及び公益)、社会福祉法人、特定非営利活動法人など非営利活動・公益事業を行う団体
    (法人格のない任意団体も含みます)

今回の第1号基金では、営利を目的とした組織(株式会社等)は含みません。現在、組成を検討している第2号ファンド以降では営利企業への投融資も対象とすることを考えています。

詳しくは、以下のリンクをご覧下さい。

最後に

いかがだったでしょうか。

私たちパブリックマインドの思い、基金を立ち上げるに当たって感じている日本社会の大きな問題意識について共感をしていただけた方は、是非、寄付金を基金にお寄せいただければ幸いです。

また、ソーシャルセクターで日々、こうした課題に向き合っている団体様は、基金からの助成について公募を実施しますので、ご応募を心よりお待ちしています。

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