【投資で使える会計入門】PERやEBITDAを理解しよう!
先日は、PLについて解説していきました。今日は、PER、EBITDA、NOPATについての解説をしていきます。
前回のPLを理解した上で読んでもらえるとより理解が深まるので、PLについてちょっと自信ない方はまずPLの解説から読むことをお勧めします^^
PLの解説についての記事はこちら↓
今日も、分かりやすく身近な物に例えて説明していきます。
参考にした動画はこちら↓
それでは早速本題に入っていきましょう
PERとは
ここでは、果樹園の会社を例に説明します。
この果樹園には100本の木が生えています。これは、会社が発行している株にあたります。
ここから収穫できた林檎の金額は2000円でした。これはこの果樹園の当期純利益になります。
一方あなたは、この果樹園の木1本の所有権をゲットしました。そこであなたは気になります。一本の木当たりの利益はいくら?と。
2000円÷100本=20円
これが、この会社の木1本あたりの当期純利益です。
ではこれを株に置き換えると、木は株に変換するので、
当期純利益÷発行された株数=一株当たりの当期純利益
ちなみに、一株当たりの当期純利益を、EPSと言います。
ここで、木一本当たりの価値は20円あると分かりましたが、この木をフリーマーケットで売ると、500円で売れる事が分かりました。
これは20円の何倍かというと、
500円÷20円=25倍
ここでのフリーマーケットの価格は株価、20円はEPS、これで求めた数字がPERというわけです。実際の利益から、マーケットでは何倍で評価されているかを表します。
この指標は、投資をする上でとても大事になってきます。
たとえば、A社は25倍のPERに対し、B社は100倍だとすると、このB社の株価は実体とかけ離れすぎていて、割高すぎと判断できます。
また、先ほどのリンゴの木の話に戻りますが、あなたが木一本500円で買ったら、毎年20円の利益がもらえます。そうなると、
500円÷20円=25年
つまり25年で、利益を回収できると計算できます。このように、PERは、単位を”倍”でも、”年”でも変えて考える事が出来ます。
ちなみに、
一株当たりの当期純利益(EPS)÷株価=益利回り
を求める事が出来ます。例えば、EPSが200円で、株価が1000円だったら、1000円払ったら20%の益利回りという感じに求めることが出来ます。
実は、PERやEPSをいちいち計算しなくても、これらの値はウェブで調べる事が出来ます。
しかし、当期純利益には、特別損益が含まれています。
今期は、為替の影響で、企業の実力とは程遠いEPSになってしまったといった分析は、このような式の仕組みを知っておかないと難しいです。
とはいえ、こんな計算をするのは面倒ですので、とっておきの方法を紹介します。
当期純利益には、ノイズが含まれているので、それを除去して、実力値に直す方法。それを求める式は、
当期純利益x70%
あくまでも目安ですが、これで実力値の当期純利益を出すことが出来ます。
なぜ70%なのかというと、本業における利益を表す営業利益から、法人税(だいたい30%)を引く事でざっくりとした当期純利益を求める事が出来ます。
ちなみに、この税引き後の当期純利益をNOPATと言ったりします。決算書でNOPATというのを見たら、要は、企業の実力値と思っておけば良いでしょう。
EBITDAとは?
簡単に言うと、国による利益の違いを出来るだけ除いた利益の事。グローバル展開している企業では重要視されます。
EBITDA=税引前当期純利益+特損益+支払利息+減価償却費
なぜこのような式になるかというと、減価償却費や特損益といったものは、国によって水準が異なってくるからです。
また、成長企業でも使われることが多いです。
成長企業は、多額の投資をしている段階なので、減価償却費が多くなりがちです。そうなると、営業利益が低く見えてしまうので、EBITDAで比較したりします。
この、グローバル横比較指標、EBITDAですが、これを使った世界的な株価比較の尺度もあります。(覚えなくてもOK)
それが、
EV/EBITDA倍率=EV÷EBITDA
EVとは、エンタープライズバリューの略で、事業価値を表します。
先ほどのPERは、株式の価値の実を考慮しているのに対し、EVは、株式の価値に加えて、銀行借り入れなどの負債も考慮しています。
具体的には、
EV=株式時価総額+純有利子負債ー非事業用資産+少数株主持分
これは、簡易買収倍率とも呼ばれ、M&Aの際に使用されることが多いです。
と、今日は短いですが以上です。
この内容を頭に入れておけば、投資をする上でも、同業他社の比較が容易になってくるかと思うので、サラッと読んでもらえると嬉しいです★
次回はBSについての説明のつもりです!
株式投資の成功率を上げるために、一緒に勉強していくぞー!という方は、是非次回も来てくださいね。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。ではでは★