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演技が上手くなる方法

演技講師をすると、生徒からよく「どうやったら演技(芝居)が上手くなりますか?」という質問をもらう。

撮影や舞台が終わり、打ち上げの席のプロの現場でも頻繁に話題に上がる。

今回の記事では、その質問に答えようと思う。

「どうやったら演技(芝居)が上手くなるのか。」

役者をやっている誰もが「演技(芝居)が上手くなりたい。」と思っている。

私を含め、全てのスタッフは「役者に演技が上手くなってほしい。」と思っている。現場もスムーズに進むし、作品のクオリティが上がるからだ。

「撮影現場は練習場所じゃないんだよ。」

私も始めたばかりの頃はよくそんな事を言われた。

現在、私はスタッフ側になり、監督業をしたり、プロデュース業をしていると、その言葉の意味がよく分かる。

一人のために何回も撮り直しなんてしていられない。

それだったら、そのシーンをバッサリとカットしたり、セリフを他の人に回してしまった方が現場はスムーズに進むのだ。

現場は仕事場であり、みんなで楽しく演劇をやる文化祭ではないのだ。

記事の全体像

まずは、今回の記事の全体像について説明する。

・第一章、演技力の三大重要要素

・第二章、演技が上手くなる練習方法

・第三章、テクニックについて

・第四章、滑舌について

・第五章、演技の基本の三箇条

・第六章、泣きの芝居(涙を流す方法、泣き方)

・第七章、売れるために必要な事

・第八章、芸能事務所の選び方

・第九章、悪徳事務所の存在

・最後に。(あとがき)

以上の10項目が大まかな見出しになっている。

ハッキリ言って、内容はとても長くなっている。

だが、演技を行う者には必ず読んでもらいたい。

特に初心者や、これから演技をしていきたいと考えている人には、良い指標になるはずだ。

カリキュラムの整っていない適当な団体の、適当なワークショップに大金を払ったり、貴重な時間を割いて下手な役者に下手な芝居を教わっていては、いつまで経っても演技は上達しない。

そもそも、移動時間や在宅時間をも有効に使えなければ、小さい頃から演技をしている者や芸能界に太いパイプを持っている者に追いつく事など到底無理な話だ。

これを読んで、最短距離で効率良く、演技力を身に付けてほしいと思っている。

最短距離で効率良くとは言ったが、もちろん地道な努力が必要なので「すぐに上手くなる」「明日からプロの現場で働ける」なんて甘く耳障りの良い言葉を掛けるつもりはない。

在宅時間が長くなり、家で何をすれば良いか分からない下手な役者たちよ(失礼)、この期間に確かな演技力を身に付けよう。

そして、いつか私と現場で一緒に仕事をしよう。

それでは、最後まで一緒に頑張りましょう。

第一章、演技力の三大重要要素

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まずは「演技が上手い」と言われる人が持っている三大要素について、説明する。

演技をする人に於いて、三つの要素が、最も重要になる。

そこで、私はこの要素を「演技力の三大重要要素」と呼んでいる。

某有名演出家は、この要素の事を「演技力の正体」と呼んでいた。

それではまず、この三つの要素(演技力の正体)を紹介しよう。

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