親父

やたらと親父が頭に浮かんでくるので。
気持ちをメモしておく。

生きてるのかなー。
死んだって報告はないから生きてると思うけど。

最後に会ったのは16の時殺しちゃうからうちから消えろと言われた日だ。

親父は気付いてないが、
19歳頃に警備員をやってる姿を遠目から見たことがあるよ。

あれからその呪縛に随分と苦労したよ。
何度も、何度も16から今までそれに狂わされたけど、不思議と思い出すのはいい思い出ばっかだった。
こんな時親父がいてくれたら。
と何百回も思った。

幼少期の頃親父に肩車してもらうのが好きで、
髪の毛を触った感覚、視てた景色。

小学低学年まで年に何回か一緒にサッカーをしてくれた。

家でよく酔っ払って歌ってた。

小学生の時セブンスターを吸ってみるか?
と一口吸ってむせた。

買物に弟ばっか連れてって俺も連れてってほしいと駄々こねてた。

大量の本が歴史の本だらけだった。

息子のやりたいことはやらせてやる。
と漢気を見せてくれた。

あんなことを言われたけど、
本当に親父が好きだった。

過去を整理して、
親父が求めてた理想の男になったら会いに行こうと20歳頃に決めた。
親父は、かっこよかったんだ。
それを俺がダメにしてしまった。

親父も社会の呪縛にやられて、
戦って戦って最後に負けちゃっただけだ。
お互いに、男として色々あった。

俺が、それを変えるから待っててくれ。
親父がなりたかった親父になれるよう、
望んでた息子の姿になれるよう、
俺は今も生きている。

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