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子育てはママだけのものじゃない。アミティエ(友愛)が、絵本「ルルちゃんシリーズ」のベースに。

ルルちゃんシリーズ3巻について

フランスのパリ郊外で暮らすルルちゃん。いま、ルルちゃんはママと、弟・マロとママのパートナー・フランソワと暮らしています。

ルルちゃんのパパは、別のお家に暮らしているけれど、週に何回も会っています。そして、ルルちゃんには大好きなばあば、じいじがいます。ちょっと田舎の広〜いお家に暮らしています。

ルルちゃんのなかよし、ルウちゃんもこの絵本のもうひとりの主役。ルルとルウは毎日ハッピーです。

弊社では絵本「ルルちゃんシリーズ」を3巻出しています。

2012年 出生率急上昇のフランスの子育て

なんとその数、2.01人。国や企業が本腰で支援に乗り出し、ママたちにとって魅力的な援助を始めたら、数値は毎年上がり続けたのです。なにより、妊娠・出産する女性たちへの、社会のみんなの眼差しが優しい。

そして、子育てはママだけのものでない。

パパはもちろん、周囲みんなで引き受ける社会。

さらに、再婚や再々婚や事実婚などでも、法的にも日常的にも、その親子に一切の差別や偏見をもたれません。子育てにスタンダードな暮らしを求められないのです。

ルルちゃん日本版、誕生秘話……読者が企画、5年越しで刊行。

ルルちゃんシリーズは、フランスで大ヒットして連作で刊行されている絵本です。文はローランス・ジローさん、絵はリュシー・デュルビアーノさん。

この絵本をジャパマに持ち込んでくださったのは、『ち・お』の読者であった通信制高校の職員・北田道也さんです。10年程前になるでしょうか。哲学を学び、当時は養護施設などでのお勤めの経験もあった北田さんから、編集部にメールをいただきました。

ジャパマの本を愛読していること、ジャパマのような版元を応援したいこと、子どもには教育より文化が大事だと思っていること、フランスの昔話を翻訳して書籍化できないか、といったことが丁寧に綴られたメールをいただきました。

その文面からすっかり高齢の紳士を想像したうっかり者のp松田は、待ち合わせしたカフェで、お若く長髪長身の北田がその人とは思えずお待たせしてしまったことを覚えています。

怪しい……と思いました。新手の詐欺話かもしれないと。ごめんなさい、北田さん、そう思いました。もしくは、仕事や商売に利用しようとかとか。

でも、北田さんの話はどこまでも、それ自体がお伽話のようで、なんだか妖精さんが表れたようでした。そのお話はとても素敵なものでした。いまでも北田さんは夢見たフランスのお伽話(しかも、女性が筆者の)を出せたらなあと思います。

しかし、それは販路がまったく思いあたらない企画でしたので「残念ですが……」と刊行までにはなりませんでした。それでも、北田さんは半年くらい経つと、連絡をくださり新たなお伽の企画を持ってきてくださいました。

何年目でしたか、翻訳前のルルちゃんをフランスから取り寄せてまた提案いただきました。お! これは行けるかも。というか、必要な絵本だと思いました。でも、でも、ここからがまた長い。翻訳の許可を頂くまでに2年はかかったと思います。フランス人は、息をするようにバカンスしますね。バカンスとバカンスの合間に仕事をされているの? ということで、書類一つが数ヶ月かかりました。

翻訳は北田さんがと、当初お願いしましたが、もっとネームバリューがあり、センスがある人がいいといわれ、仏像のご本なども刊行されているモデルのはなさんに依頼しました。絵本に無粋かなとも思いましたが、解説に石川憲彦さんを。

ひとり親や多様な家族の絵本は、日本の子どもたちにも必要。

いま、日本でもシングルや離別、単身赴任などで、実質ひとり親との暮らしをする子どもがたちが、園や学校に沢山在籍します。

北田さんはいいました。「フランス社会が織り上げてきた『自由』と『平等』、血縁や制度という枠を越えたアミティエ(友愛)。これが絵本のベース」と。

それは、大人社会に必要なことと同時に、今日本の子どもたちにこそ大切なこと。ルルちゃんは、それを自然に伝えることができる絵本。子どもの集う場所に、ルルちゃんを。

子育てに関わるみなさんが豊かに生きやすくなりますように。

北田さんの求めたのは、絵本がジャパマから刊行される、ただそれだけ。いまだに、妖精さんが来たと思えてなりません。

定価1200円が、ワンコインセールの理由

ルルちゃんは、日本の子どもたちのこそ必要な絵本でした。けれど、まだ多くの人の手に目にふれていない。わたし達の営業力がないにちがいありません。反省をくり返しても、倉庫に眠ったままのルルちゃんは動きません。

倉庫のままでは「断裁」という言葉も出ては消えています。断裁するなんて、絶対ダメな本です。

そこで、先のように弊社オンラインでワイコンで、都内の幼稚園を中心にシリーズの内の1冊を献本して、同時に他の巻をご紹介することしました。これまで、弊社へのご注文や定期購読を頂いている幼稚園を中心に、世田谷、目黒、町田の幼稚園への献本を始めています。     

お子さんの通っておられる幼稚園、保育園、そのほか宣伝先にお心当たりがありましたら、ぜひお知らせください。よろしくお願いいたします。

p松田


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