こんにちは!いのうえです。
フリーランスのマーケターをしております。

今回は、新しい働き方LAB3期研究員として取り組んだ自主企画の集大成。
実験活動を振り返り、結果や得られた学び・気づきについてまとめます。
このnoteだけを読んでいただいても全容がわかるよう、少し長くなりますが、事細かにお話しさせていただきます。

〜実験の目的と背景〜

(1)今回の研究を実施することになったきっかけ

旦那は仕事、妻は育児。これは自分が望んでいる生き方ではない。

僕はフリーランスという働き方のおかげで、家族と向き合える時間が普通の会社員の方よりも多いとは思います。
日中子供がグズれば抱っこしてあげることもできるし、お腹が空いたと言えばオヤツを用意してあげることもできます。
「周りのパパたちよりも、子供の世話をしてあげられている」
そんな優越感も感じながら、日常を送っていました。
しかし、一人目が成長し、二人目も生まれ、と日々が経過していく中で、
相変わらず仕事に打ち込み、片手間で子育てをして満足している旦那とは違い、妻の顔が日に日に疲れていくのを感じるようになりました。

当時の1日のスケジュール

そんな妻の姿を見ていると、自分が何のためにフリーランスを選択したのか、家族とは何なのか、ということを自分に問うようになりました。

結局当時は答えを出すことができず、
 ・自分の子供の育児には精一杯注力したい
 ・でも今自分に頂いている仕事には精一杯取り組みたい
 ・自分の妻を疲れさせるようなことはしたくない
 ・でも将来の為に、新しい仕事にもチャレンジしていきたい
この想いがぶつかりあい、自分の中でモヤモヤとなっていた状態です。

それからしばらく経ち、今回の「研究員制度」の存在を知り、もうこれ以上この問題を放置できないと発心し、藁にもすがる思いでチャレンジすることにしました。

(2)あるべき姿

この研究を始めるにあたり、まずは自分がどうなりたいか。
家族としてあるべき姿を明確化しました。

妻と話し合い、お互いどう考えているのか、どうなったら幸せなのか、
意見し合い、最終的に2人が理想と思える姿がこのようになりました。

僕の目線から見ると、自分の仕事の時間が半分になるということは、収入が半分になる可能性があるということです。将来の仕事の目を潰す可能性もあります。ですので、単純に業務量を落として子育てに関わるというのは、あるべき姿ではありません。何らかの工夫、イノベーションが必要になるという結論に至りました。

〜研究の手法と計画〜

(1)研究内容

【子育て作業をプロジェクト化し、業務管理の手法を取り入れた仕組みづくりをする】

以前、医療機器の製造メーカーに勤めていたこともあり、"改善の大切さ"と"工程管理の重要性"について普段から意識をしており、育児においてもその考え方を当てはめることができるのではないかと仮定しました。

【仕事と子育ての時間をはっきりと分けず、スケジュールを組み合わせることで、両立がしやすくなるかどうか試す。】

家庭内での育児バランスなどを平等にする為には、
 午前中は夫が仕事で妻が育児。
 午後は夫が育児で妻が仕事。
このように分けるのが簡単です。
しかしこれが本当にベストな育児分担の方法なのか、
仕事と育児をはっきりと分けないスタイルにしたらどうなるのか。一見非効率に見える方法ですが、確認のため試してみることにしました。

【上記2点を実施すると、家族側にどのような影響があるか観察する。】

上記2点の研究がうまくいき、育児分担などが平等にできた時、家族としてどのような変化があるのか、あるいは変わらないのか、多角的に観察を行います。

(2)スケジュール

上記スケジュールに沿って進めていくことで、11月時点であるべき姿に近づくことができる、近づけなくても何らかの答えができてくる、と考え動き出しました。

〜実施報告〜

<7月>育児と仕事の全作業を抽出し、現状の時間配分データを収集。

まず初めに、当実験を行なっていく上で必須データとなる、現状の育児に費やしている作業時間を1ヶ月に渡って記録しました。

1ヶ月のデータ取りから見えてきた「母親の行動パターン」をもとに、育児標準行動リストを設定。「育児の見える化」の第一段階が完了しました。
ここから各作業を細分化し、効率化ができる事象を検討。

その結果、効率化案全ての仮説がうまくいった場合、1日あたり2時間30分の育児時間短縮が可能となることが判明しました。

<8月>各育児作業を母親から父親へ移管し、7月に検討した効率化改善案を適応して対応する。改善案を適用する中で問題が発生したり、効果が得られないものはピックアップしておく。

行動改善と機械化・オンライン化などにチャレンジ。

機械化・オンライン化
7月に検討した育児作業の改善案を適用

その結果、1日あたり2時間の時間短縮に成功。
単純作業においては、ほぼ狙い通りの効果が得られましたが、
「寝かしつけ」などの熟練の技術が必要になる作業においては、逆に費やす時間が増加すことがわかりました。

この頃になると体感では通常の50%程度しか業務成果を出せていないという感覚。
改善効果測定の結果的には、1日あたり7時間ほどの育児量ということになるので、1日24時間ー育児7時間ー睡眠7時間=10時間弱は業務に充てられるはずです。
しかしながら、細切れに襲ってくる育児作業、ミルクをせがむ子供の相手など、集中して業務に取り組むということが非常に難しい状況で、業務の質が落ちかねない状況が続きました。
時間的には確保ができているので、業務の進め方を検討する必要が出てきている状況です。

<9月>行動改善において効果が出たものを定着化させるため、引き続き父親が育児作業を継続して行い、効果が悪化したものに関しては、別の対策を検討し試す。

全面的に育児をおこなうようになって2ヶ月、子供側もパパが面倒を見てくれることに慣れつつあり、家庭内の雰囲気は良いように感じます。

先月結果の良くなかった「寝かしつけ」や「食事の準備」に対し、別の改善を加え効果確認を行った。

育児に関してはPDCAを回すことで、ある程度最適化できる目処が立ってきました。
現状一番ネックになっているのは、仕事面です。

1日のスケジュールの変化

いま仕事に使える時間は1日のうち6時間しかありません。
育児作業に改善を加えたことにより時間が短縮され、多少は仕事に避ける時間が増えることとなりましたが、一方で、育児に積極的に関わることで、子供たちの意識にも変化が現れ、"パパ"を求めることが多くなってきました。
嬉しいことではありますが、業務と育児のバランスを考える上では、新たな悩みの種となっています。

<10月>効果改善できた作業に関して、妻へ再移管を進め、家族内での担当、育児バランスを計画する。

このタイミングで、改善効果の出た育児作業を、手順説明を行った上で、一部を妻へ戻し始めました。

夫婦間での育児分担

なお、育児の分担ルールに関しては、夫婦間で相談し、以下の希望をもとに振り分けました。

<11月>自分自身の経験をソーシャルメディアを使い情報発信していくための戦略を練る。

今回の研究と実験では、新たな発見や貴重な気づきに出会うことができました。この内容を世の中のプレパパや育児真っ最中の方々に知って欲しいとの思いがあり、経験談として情報発信することにしました。
当初SNSでの発信を目論んでおりましたが、様々検討した結果、以下のような順序で進めていくこととしました。

<1>今回の研究内容をベースに、子供の成長の様子も含めた電子書籍を出版
<2>書籍の内容を動画化しyoutube配信
<3>研究の失敗談や育児の悩みなど、インパクトのある内容をSNSで発信
<4>SNSからyoutubeへ誘導

現在書籍執筆中で2月頃に校了、3月動画製作、4月全て公開を目指して動いています。

〜研究をした結果、家族はどうなったか〜

<妻>

8月、9月と育児を夫が担当したことにより、2ヶ月間で十分リフレッシュできたそうです。育児を再分担し始めた10月度からは、自宅で副業も開始するなど、育児と業務のバランスをうまく保ちながら生活ができています。
今回の研究では、妻側にはメリットしか無いようでした。

<夫>

効率化した育児作業を家庭内で分担することにより、以前よりも仕事をする時間は減りました。しかし作業改善やしっかりとしたスケジュール管理により、週1日の休日を取得しながらも、以前の収入の80%を維持する状態をキープできています。

<現在の生活スタイル>

夫婦お互いが、確実に育児から離れる時間を確保できたことで、思考回路がすっきりとし、メリハリをつけて仕事や日常生活を送れるようになっています。子供たちが成長してきたことにより、研究を始めた頃と育児の作業内容も変わってきているため、常に最適な手法を探りながら、効率的に分担していくルーティンが確立されています。

〜研究を通して分かったこと感じたこと〜

主体性をもって取り組んでこそ、本当の"育児"だった

一般的な父親にとっての「子育て」と、母親の「子育て」は、全く違うのでは無いでしょうか。
"オムツを変えた"、"夜中にミルクを飲ませた"、"1時間散歩に連れて行った"
当時の僕は、これを「育児している」と勘違いしていました。
今回の研究を通して、自らが全責任を負って育児をすることで、"ただの作業"ではなく、大げさに言うと「自分の一挙手一投足が、この子の未来に大きく関わってくる」そんなプレッシャーを感じることが多々ありました。
母親たちは常にそのような状況下に置かれ、子供のことが一時も頭から離れないということが当たり前になっているのかもしれません。
これは普段仕事中心の生活をしている父親には気付くことができない側面で、言葉では伝えることが難しいように思います。

パパが本気で取り組めば、思ったより良い方向へ進む

世の中ではAIの活用や自動化などが進む一方、育児においてはまだまだ進歩していない部分が多くあると感じました。
「自分の母親がそうしていたから同じように」とか「手間をかけてあげることが愛情」のような話です。
これが製造工場なら、「30年前から同じ作業方法です」や「機械で洗浄できるけど手洗いにしよう」みたいな感じですね。
こういう部分の改善は、世の中のパパは意外と上手にできたりします。
いかに「育児="自分ごと"」と考えることができるかどうか、パパが本気になれば、意外と良い方向に進みます。

ですが、上記のような部分を改善しようとすると、人によっては受け入れられない方もいるかもしれませんので、そこは慎重に。
僕の妻は外国人で、もともと常識にとらわれない人でしたので、今回の様々な改善に理解を示してもらえましたが、それでもやりすぎたなと反省する試作は多々ありました。

<左>犬用の自動餌やり機にボーロを投入していたら妻が怒り始めました。
<右>同じ機構のものを可愛らしいデザインで画像生成して見せたら、これならOKだそうです。
納得はできませんが、今回は争わないことにしました。

手伝ってくれてありがとうは必要ない

これまでは、僕が子供にミルクを飲ませたり、おむつを変えたりすると、妻は必ず「ありがとう」と言っていました。妻が育児をしていても、僕が「ありがとう」を言うことはありません。
特に深い意図があったわけではなく、ただそれが当たり前の日常でした。
ところが、今回の育児分担によって、妻の口から「ありがとう」が消えました。
これに気づいた時、何とも言えない、胸が締め付けられる思いがしたことは一生忘れないと思います。
やっと父親が育児していることが当たり前になった、育児を"手伝っている"のではなく"育児をしている"状態になれた、これは今回の研究で自分があるべき姿として掲げていた姿で、まさに"目標達成"だったと思います。
ありがとうを言わせてしまう育児は、所詮「育児のお手伝い」なのでした。

〜研究総括〜

「新しい働き方」
今回僕と妻は新しい働き方、新しい育児の姿を手にすることができました。
今自分達にとって大事なことは何のなのか、優先すべきことは何なのか、
夫婦お互いがしっかりと考えることで、家族は良い方向に進むのだと感じています。
僕たちが今優先するべきことは育児ですが、これが5年後には仕事、10年後には介護になっているかもしれません。
今後自分たちがどんなステージになったとしても、人生をフレキシブルに営んでいけるよう、今回の研究を教訓として参ります。

キャリア資産診断結果


初めて診断を受けた6月と比べて、全体的に図形が大きくなりました。
毎月徐々に徐々にではありましたが、多くの項目で数値の向上が見受けられます。
現在は子育ての分担もうまくいき、自分のメンタルも安定し、仕事も十分取りかかれていることから、先月よりもさらに数値が良くなったようです。

コミュニティ、ネットワークに関しては相変わらず欠けていますが、これはこれで自分が納得していての現在の状況ですので、今はだからどうすると言うことは考えていません。
問題は、身体的健康ですね。
何とかしなければと思っていますが、手をつけられていません。
次回の研究テーマとしてHIITトレーナーでもチャレンジしようかなといったところです。

全6回にわたって、自信の資産診断を見てきましたが、金融資産とは違い、何かをきっかけに大きく資産価値が落ちると言うことはなさそうです。
反面、投資のように急激に資産を増加させることも難しいようで、結局のところ、何事においても自分が目指すべきところをしっかりと設定し、それに向かってコツコツ創意工夫していくことが大切だと言うことを改めて考えらさせられました。


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