シャニマスに魔法をかけられた
何か自分のかけがえのない物を紹介するとき、「人生を変えた」というフレーズはキャッチーでわかりやすい上、実際に変えている、というか全く変えていないことはありえないためかよく使われる気がします。
だから、私も一年前に書いた記事でもこのフレーズを使いました。(色々と痛々しい記事なので読まなくて大丈夫です)
しかし、今となっては誇張強調でなく、本当にシャニマスは自分の人生をすっかり変えてしまったのだと断言できます。
シャニマスを始めたあの日は私の人生の大きなターニングポイントでした。
ラテン語との出会い
どのようにシャニマスにハマっていったのかは上の記事に気持ち悪い筆致で書いてあるので飛ばすと、次のターニングポイントはシャニマスにハマってしばらくした頃、アルストロメリアの「パステルカラーパスカラカラー」を聴いたときです。
最初は単純に曲調が大好きで、一時期は高校から帰ったら真っ先に家でこの曲を聴くのが毎日の楽しみだった時期があったほどなのですが、聞きなれてくると次第に何回聞いても意味がわからない歌詞が気になり、調べてみるとそれらはラテン語なのだとわかりました。
この時点では英語は得意であるもののそこまで好きと言うわけでもなく、歌詞がラテン語だとわかった瞬間も「ラテン語を勉強しよう!」とまでは思わなかったのですが、世界史、特にローマ史が好きだったことも手伝って徐々に興味を抱き、高三の夏休みにラテン語の世界へと足を踏み入れました。
そしてすぐにわかったのは、ラテン語は文法、発音、歴史の全てが完璧に美しい言語であるということでした。
夏休み中に勉強したラテン語は初歩の初歩で、人にラテン語を語れるようなレベルには到達していなかったのですが、ラテン語の魅力を知るにはそれで充分でした。
あまりのラテン語の魅力に、受験もそこそこ近いというのにnoteに記事を投稿してしまった程です。
この記事を書いた少し後にラテン語の入門書を購入し、現在まで少しずつ進めていっています。
ちなみに、数ある「パステルカラーパスカラカラー」の歌詞の考察の中でも、この方の記事は特に説明が細かいのでおすすめです。
特に「ミヒ トゥアレ ディディエインディエム」の部分の分析と考察が非常に丁寧でわかりやすかったです。
人生が変わった
最初はシャニマスが、そして「パステルカラーパスカラカラー」が好きだからラテン語をやっていたのが、段々とラテン語それ自体が好きになっていき、今ではシャニマスに並ぶくらいに好きになりました。
そしてラテン語と英語を比較する楽しさなどから言語全体が好きになっていき、担任の先生に勧められたこともあって、去年の12月には大学の第一志望を「いけそうな中で一番人気の大学の文学部」から「様々な言語を学べる大学の外国語学部」へと変更する決意をしました。
もともと文学部を志望していた理由は単純で、なんとなく文系を選択したものの特別やりたいことはないので一番メジャーな文学部にしておこう、くらいのものだったので、最終的に自分の興味のあるものを勉強できるかどうかで大学を決定したのは今思えば最高の選択だったと思います。
そして必死の勉強の末、第一志望の大学に合格することができました。合格したとわかった後に聴いた「パステルカラーパスカラカラー」は他のどの曲よりも感動的で、涙を堪えられませんでした。
もしあの日にこの曲聴いていなかったら、もしシャニマスに出会えていなかったらと思うと怖いような気も、嬉しいような気もします。
しかし、入学するときに一つだけ不安なことがありました。
私はかなり飽きっぽい性格で、買ったゲームを1週間も経たない内にプレイしなくなることもあるくらいなので、大学に入った後に言語への興味を失ってしまうのではないか、ということです。
ところがこの不安は実際に講義を受けるとすぐに消し飛んでしまいました。
どの講義も自分の知的探求心をよく満たしてくれ、高校時代に勉強が嫌いだったのが嘘のように思えるほど面白いからです。
特に面白いのはスペイン語です。スペイン語はラテン語の影響を色濃く残しているロマンス諸語(ラテン語から派生して生まれた言語)の一つなので、勉強しているとラテン語との共通点が多く見つける楽しさがあり、一方で周りの人は初めて直面する英語よりも複雑な動詞の変化に困惑していたりしたので優越感に浸れました。
今や、ラテン語はシャニマスと同じで飽きる飽きないの次元にあるものではなく、もっと心の奥底の方で愛し、きっと一生心の支えになってくれるものになっています。
大学で入ったサークル
大学では言語を楽しく勉強できるサークルとアイマス研究会の二つに入りました。
言語のサークルはまだしも、アイマス研究会に関しては、アイマスきっかけでその大学に入ったヤツが入らないのは辻褄が合っていないというか文脈がおかしいので、もちろん入りたい気持ちも十分あったのですが、それ以上に「自分は入っていないとおかしいだろ!」という気持ちで入りました。
言語のサークルでは活動二日目に自己紹介をする機会を得たので、一日で自分のラテン語への愛とその魅力を伝えるスライドを急いで作成しました。
シャニマスに関する情報を含むスライドは全30枚中2枚で、ラテン語にハマったきっかけとして軽く触れる程度に抑えました。
要するに「オタクがよ…」とならないようにしっかり配慮した(つもり)ということです。
そして先月にはアイマス研究会の方で自分の好きなことをプレゼンする会が開催されたため、およそ12時間くらいかけて合計31枚のスライドを作り、本気のラテン語のプレゼンを行いました。
上の画像はそのスライドの二枚目で、最近見ないS.T.E.Pの予告画像のパロディです。こんなものを作るのに1時間くらいかけました。
ちなみに画像の白いシルエットは私がラテン語の本を持って実際に撮影した写真を加工して作りました。
↓参考
最初の方のスライドでは「パステルカラーパスカラカラー」がいかに素晴らしいのか、ということを熱弁しました。
一通りラテン語の魅力を説明した後は実際にシャニマスに登場するラテン語を紹介しました。これが探してみると意外に多く、大体のアイドルやユニットが何らかの形でラテン語とのつながりを見出すことができたので面白かったです。
特に調べていて面白かったのはアンティーカです。「L'antica」というのはイタリア語で、「L'」の部分はラテン語にはない定冠詞なのでラテン語に直接訳すことはできないのですが、「antica」の部分はラテン語で「古代の、かつての」という意味を表す「antīquus(アンティークウス)」という形容詞に由来します。
「antīquus」というのは男性形なので「antica」に合わせて女性形にすると「antīqua(アンティークワ)」となり、かなりアンティーカっぽい響きになります。
みなさんも是非使ってみてください。
例文:Rōma antīqua prospera fuit(ローマ アンティークワ プロスぺラ フイト).
意味:古代ローマは繁栄した。
アルストロメリアというユニット名自体にラテン語との関係を見つけることができなかったため、ラテン語の間投詞の一つに「au(あう)」というのがあるので古代ローマ人は大崎甜花と同じ驚き方をすることがあったのでないか、という暴論で乗り切りました。
ノクチルに関しては無理矢理見出す必要もなく、もろにラテン語のユニット名なので発表していて楽しかったです。
「noctilūca」を羅英辞典で引いてみると原義は「something that shines by night」らしいので夜光虫以外にも様々な解釈が可能だとわかります。
ノクチルのコミュの考察がはかどりますね。
↓参考にしたツイート
大学を卒業したら大学院に入ってラテン語の教授となるのか、それともせっかく培ったラテン語や様々な言語の知識を少しも生かせない会社に就職することになるのか、未来がどうなるのかは全くわかりません。
私に関してはあの日何気なくシャニマスを始めていなかったら今の大学にいないので、なおさらのことです。
しかし先述したように、シャニマスとラテン語はきっと一生自分の心の支えになってくれるので、どんな結果になろうと強く生きていこうと思います。
Velēte.{強くあれ(「さよなら」の意)}
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