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演奏するだけのライブはもう古い!ライブとは極上のコミュニティである

いやー楽しかった!と、ライブ後に多くのミュージシャンが言います(私含め)。確かに演者が楽しくなさそうなライブは嫌ですが、当然お客様が楽しめるライブであるべきです。もっと「よかった、また行きたい」と多くのお客様に思っていただくためにどうしたら良いものか、といつも考えます。

もちろん自分が精進することは大前提ですが、これだけたくさんの上手い人たちがいる中で、上手くなるって方法だけではなかなか難しいなあと感じています。

さて、先日16日に梅ヶ丘にあるBar珍品堂さんでライブでした。ご来場いただいた方々をはじめ、店主のSanaeさん、主催の太一さん、熊本からCobyさん、ありがとうございます!とても良い夜になりました。良い夜だなと感じたのは、ライブが良かった、楽しかった、というのももちろんありますが、それだけではなく、ライブ後も含めて、良い夜だった、と言えるイベントだったからです。(お客様も楽しめたはずと信じたいです。)

小さな空間で、肩を寄せ合い、同じ音楽、空気を体験することはめっちゃレアである

私のライブは大抵小さな箱、それも20~30人から多くてもせいぜい50人程度が入るバーやレストランでやらせていただくことが多いんです(ヤンのファン数によるものでもありますが…。)。そうすると必然的にお客様との距離、さらにはお客様とお店の距離、お客様とお客様の距離が近くなります。

そんな近い距離感の中で、しかも同じ音を聴き、同じ空気を吸う。そんな体験を赤の他人と共有するなんて、あまり日常的にはないですよね。それだけでもとっても珍しい体験だと思うんです。そこに居合わせた偶然はほんとに貴重だと思います。

ライブでしか顔合わせないけど、そこにあるつながりというのはバーで隣り合わせになった以上のつながりでしょうし、ちょっとだけ話してみると意外と面白い話が聞けたり。

でも、ライブに来て音楽を聴いただけでは、その場にいる他の人とつながりを感じる瞬間はほとんどないと思うんです。

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ミュージシャンがコミュニティを醸成させるライブが良いライブである

ミュージシャンは音楽を奏でてその対価をいただくのは当たり前なんですが、本当にそれだけが役割なのか?と思ってしまうことがあります。もっとその「場」を温めて、気分が高揚したり、何かを考えさせられたり、とにかく何かしらの感情を喚起して、さらにそこから会話やつながりを派生させることができれば、そのライブの「場」はもっと良いコミュニティになるのではと考えます。例えばコール&レスポンス。ぶっちゃけ以前のヤンはコール&レスポンスも手拍子も嫌いでした。なんでこんなことやらせるんだ!と思っていました。恥ずかしいし、強要されてる感じも嫌いでした。でも今では自らのライブでそのようなことをしています。当然ですが、やりたくない人は全然やらなくても良いんです。でもそれをやってみることで一つお客様との距離が縮まることがあるのは事実です。ちなみに、こっちだって超シャイなのに、恥を忍んでやってるんで、なるべく乗っかってもらえると嬉しいです。

そしてライブイベントが「良い夜だった」となるためには、良いライブをしつつ、ライブ中、その前後でも、とにかくイベントを通して、リアルなつながり、交流、心の触れ合いが感じられた時に、もっともその気持ちが高まるように思います。

梅ヶ丘でのライブはそれが如実に現れた夜だったように思います。(打ち上げが楽しかっただけじゃねえのか、というご意見もあるかもですが、打ち上げが楽しいってのも重要な要素です、たぶん。)

だからそんな良質なコミュニティが生まれるような、それを促せるようなライブに、空間にミュージシャンとお店が連携して作り上げられるのが理想だなと思います。出演者である保利太一さんもCobyさんも店主のSanaeさんも、お客様との距離を詰めるのがうまい魅力的な方だったのももちろんありますね。

ただし、このライブコミュニティ論には反対意見もあるでしょう。ミュージシャンは演奏だけやって終わりという方がクールに魅せられてかっこいいし、お客様もただ良い音楽を自由なスタイルで聞いて帰るだけ、つながりとか別にいらん、っていう人もいらっしゃるとは思います。ですが、私はやっぱり人生の中で自分と似たような嗜好性がある人にそれほど出会わないなと思っているので、ライブという場所は一つの良質なコミュニティになり得ると思っています。

そして、これからのライブでもっともっと「あー良いイベントだった!」と思ってもらえるように色々考えたいなと思うヤンなのでした。

ちなみに以下の写真はカズー初挑戦のヤン。

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*上部の写真2枚は保利太一さんのツイッターから、最下部の写真はお客様からいただきました。

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