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天心がボクシング転向表明してからキック界に新たな動きが出てきたので考察してみた

5/16のRISE、5/30RIZINと面白いキックボクシングの試合が続く。

天心がボクシング転向を表明したが、それによって新たな動きが出始めてきた。

他団体のチャンピオンの参戦表明。

そして、トーナメント。

5月に行われるマッチメークが面白いので、ちょっと考察して見た。

5/16 RISE

注目は、 志朗 vs 大﨑一貴。

大﨑一貴はスーパーフライ級(-53kg)のRISEの現チャンピオンだが、今回は志朗のバンタム級(-55kg)契約で試合を行う。

なので、この試合は大﨑一貴より1階級上の志朗が勝たなければならない試合となる。

しかし、大﨑一貴も1階級下とはいえ現チャンピオン。

チャンピオンともなれば「守り」に徹してもおかしくはないが、早い段階でリスクを取りに行く大﨑一貴からはRISEを背負っていくという強い意志と覚悟を感じる。

非常に面白いマッチメークだ。

この試合は両者にとってリスクのある試合ではあるが、それよりもリターンの方が遥かに大きいから55キロ契約での試合になったと見ることができる。

本来なら、55キロの志朗と53キロの大﨑一貴であれば中間の54キロ契約となるだろうし、実際そういう提案があったと言う。

でも、55キロ契約での試合に決まった。

大﨑一貴にとっては、今すぐにではないにしろ将来的には55キロに階級を上げていくだろうから、ここで55キロを体感しておきたいという思惑があったと思われる。

逆に志朗は、最も層の厚い猛者揃いの53キロ階級を見据えている。

そのため、53キロチャンピオンの大﨑一貴と拳を交えることで、そこを狙っていくうまみがあるかどうかを見極める試合となるのだ。

志朗vs大﨑一貴からどんなドラマが生まれていくのか、目が離せない。

現在、RISEのスーパーフライ級は実力者が集まっていて、全団体で一番層が厚い階級となっている。

そして、初代KING OF KNOCK OUTフライ級王者で西の天心と呼ばれる石井 一成がRISE・RIZINへの挑戦表明をしている。

石井のこの動きも、挑戦だ。

RISE 53キロを制して、もしリベンジしたければ(所属する団体の)Knock Outに来いという目論見だ。

大﨑一貴同様石井一成も守りに入らず挑戦をしている。

団体の垣根を越える戦いはドキドキする。

そして、驚くべきは53キロの選手はほぼ天心と同世代。

みんな若いので、未来もすごく明るい。

ぜひ、ここにBOM(The Battle Of MuayThai)の吉成名高にも絡んできて欲しい。

吉成名高は現在RIZINに参戦している。

ボクシング転向を表明した天心と対戦を実現させるために51から53キロにウェイトを上げてきている。

石井一成・吉成名高が天心の最終ロードに絡んできたらかなり面白い。

ただ、ウェイトの問題もあるので天心との対戦のハードルは高いが、吉成名高・石井一成がRISEに参戦すれば機運は間違いなく高まっていくので、ぜひRISEに参戦して自らの手で天心戦を掴み取って欲しい。

新しい挑戦を続けるRISEへの提案

RISEはオープンフィンガーグローブによる試合を試験的に取り入れていくと発表。

現在Oneではすでに取り入れられているので、オープンフィンガーグローブのキックボクシングは今後グローバルスタンダードになっていく可能性がある。

天心が抜けていく今後のことを見据えて、RISEはすごくいいタイミングでのいいチャレンジである。

RISE女子の小林愛三もオープンフィンガーでやりたいと手を挙げているし、Queenミニフライ級王者の寺山日葵、それからその弟の遼冴と対戦が決まっている京谷祐希もオープンフィンガーグローブで公開練習を行っている。

男女問わず新しい試みが選手に与えているインパクトが大きいことがわかる。

このことからもRISEでは今後オープンフィンガーの試合が増えていくことが予想される。

ここで、敢えてもう一つ提案をしたい。

それは、肘有りルール。

志朗はムエタイの選手であり、そして参戦表明したKnock Outの石井一成もムエタイ、そしてBOMの吉成名高もムエタイ。

なので、RISEルールに肘有りの試合も採用してほしい。

RIZINのMMAでも両者の合意によって肘有りルールと肘無し無しルールが存在するので、肘有りにするか無しにするかは両者の合意のもとに進めればよくて、全試合を肘有りにする必要はない。

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武田光司 vs 久米鷹介は肘有りルール。

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一方、同じ日に行われた同階級のホベルト・サトシ・ソウザ vs 徳留一樹は肘は認められていない。

このように、両者の合意に基づいて肘有り無しルールを取り入れたら、ムエタイベースの実力者が更にRISEに集まってくるようになるのではないか。

このコロナ禍においては朝令暮改はもう日常茶飯事。

一度決めたからというのではなく、RISEには新しいことにどんどんチャレンジしてほしい。

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天心 vs クマンドーイは肘無し。

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同じ日行われた吉成名高 vs ペットマライは肘有り。

RIZINが両者の合意に基づいて肘有りと無しのルールが採用されている。

キック団体の覇権争いをここで確実なものにするためにも、オープンフィンガーグローブ導入ができるRISEにはぜひ肘有りルールも採用してほしい。

ビジネスで言うところの天心は「(RISEからの)離職」にあたる。

でも、離職は悪いことばかりではない。

今までのことを見直せる良いタイミングと考えることができるのだ。

同じメンバーだと変化はできない。

新陳代謝は必要。

今こそそれができる大きなチャンス。

一辺倒ではないRIZINのように柔軟に上手くルールを取り入れて欲しい。

一方、白鳥と戦って負けた梅野が「(自身がムエタイ選手だから)ムエタイルールだったら勝てた」とマスコミにコメントしていることをRISEライト級王者の原口が厳しく非難している。

確かに原口の言う通りである。

RISEルールに合意して試合したにもかかわらず、今更何を言っているのだという話しだ。

原口からはRISE王者としての強い責任が感じられる発言だ。

RISEはムエタイではなくキックボクシングなので、キックボクシングルールがスタンダードだということだ。

僕もこの発言を聞いたときに、原口の言う通りだなと思った。

ただ、政所と石井の試合はキックとムエタイルールで1勝1敗。

ルールによって勝敗が分かれることも事実としてある。

それだったら、RISEとKnock Outは統一してもいいのではないか。

キックは団体が多過ぎるので権威が薄まっている。

プロレスのように、1つの団体にRISEルールのチャンピオン、Knock Outルールのチャンピオンのダブルスタンダードというやり方もある。

原口はこれから世界の強豪と戦っていくことになる。

そのためにも、世界の強豪が集まりやすいルールと世界基準の団体を準備しておくことも必要だ。

天心が抜けた後のキーマンとなるのは、「志朗」・「原口」・「石井」そして「吉成」だ。

実験的にムエタイの猛者が集まっている53キロだけでも肘有りを導入してみてはどうだろうか。

そして、原口の階級の世界の猛者が集まるようにRISEとKnockOutは合併して、世界基準の団体となってほしい。

5/30 RIZINキックトーナメント

客寄せとして、そして地元大阪開催ということで皇治が5/30のメインイベンターに任命された。

しかし、自身が人気と実力が伴っていないことを一番自覚しているのだろう、メインイベンターとしての責任を少しでも和らげるために苦肉の策としてワンデートーナメント開催を要求してきたのだ。

主催者側は大阪での皇治のチケット販売数に期待を寄せたことを優先しメインイベントに持って来たのであって、RIZINで全く結果の出ていない皇治をメインイベントに持ってくることに最初から道理が合わないことはわかっていたのだろう。

だから、皇治のワンデートーナメント要求はあっさり通った。

RIZINとしても皇治の発言は渡りに船だったのだ。

ただ、そこには誤算もあったのではないか。

皇治の求心力が移籍直後に比べて明らかに落ちているのだ。

移籍直後は皇治のリップサービスにMMAファイターも含めてもっと多くの対戦要求があったが、今回は名乗りをあげてくれたのが3名のみ。

そして、その3名でトーナメントが確定となった。

移籍直後は対抗戦的なうまみもあったが、これまでのパフォーマンスを見て多くのファイターがもう皇治にはうまみがないことがわかってしまったのだ。

声を挙げてくれた3名も、皇治というよりは「RIZINの看板」に声が集まったと言える。

やはり実力の世界。

皇治への忖度はこれが最後となるだろう。

優勝が無理となれば、皇治はもうRIZINに居場所がなくなる。

RIZINだけでなく、手ぶら(無冠)の皇治をRISEも受け入れないだろう。

皇治にとってはまさに背水の陣だ。

一方、RISEの白鳥も2連敗しているので、このトーナメントでは優勝がマスト。

本来であれば、このトーナメントに出る必要のない選手。

会見では他の多くのファイター同様もう皇治への興味は失せたとあったが、現在白鳥は2連敗しているので出直しの意味と少しでもRISEに還元できればというので志願したということだ。

ぜひ両者には決勝に進んでもらい、K-1とRISEの対抗戦が見てみたいと思わせるような戦いをみせてほしい。









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