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「卒業のシーズン=ある召使いの回想=」
宴の終わりのご挨拶を申し上げねばならぬ時がやって参りました。
受けたら与えよ、求めるなら与えよ。
もらう事ばかりで与える事を知らねば積めば積むほど沈むのだと、自らに言い聞かせて参りました。
人は何をしたかによってだけでなく、何をしなかったかによっても裁かれるとか申します。
多少なりとも、皆様のお役に立てましたでしょうか。
当初の目的を遂行、完遂できましたでしょうか。
挫折、失敗なさるのは、成功させることの出来る力をお持ちの証拠でございます。
コツコツと努力するのものを地球は好くものです。
歩みののろい亀でも、長生きして歩みを続けると地球を一周出来ると伺っております。
辛抱強い地球と同じだけ、辛抱強く努力をすれば、願いはきっと叶うと、そう信じております。
下りきったところから、上り坂が始まるものではございますまいか。
夜が明けるまではには、まだ時間がございます。
朝は闇から始まると申しますが、何事も前夜が肝心と心得ます。
前夜に何もしないで、朝に何かが孕まれているなどということはございません。
皆様が、「闇が深まった。そこまで朝が来た」と起き上がる方であることを、限りなくどこまでも信じております。
詰まらないものにうつつを抜かした損失は、それと気づけば補えましょうが、大切なものを粗末にした損失は、補うことも償うことも適いません。
この意味で、皆様にお仕えした月日は最良の日々と申せましょう。
わたくしには、皆様が全てでございました。
始まりに意義がありますれば、終わりにも等量の意義があると申せましょう。
ですから、終わりは静かであるべきなのでございます。
それでは、最後に一言。
皆様とお会いできて、ほんとうに嬉しゅうございました。
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