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ドライアイの薬がドライアイに使えないってどういうことなのよ

今日はちょっとしたボヤきです。

ドライアイの薬の一つである「ヒアレイン点眼液0.1」が今年スイッチOTC化して薬屋さんでも買えるようになりました。

買おうとしてレジに空箱を持って行くと、薬剤師がやってきて説明を始めました。

ヒアレイン酸ごときでそんな大袈裟な説明いる?

「これまでに、ドライアイ、シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群と診断されたことありますか?」

「ドライアイだからドライアイの薬が欲しいんですけど」

「ドライアイでしたらお売りすることはできません。ほら」

と説明ボードを誇らしげに見せてくるおばはん。
この人このドラッグストアで初めて見たのですが、これまでどこかで働いて引退してきたんやろなー。ドヤ顔がすぎる。

たしか10年ほど前に眼科で検診した際、ドライアイ気味ですね、ということでヒアレイン0.1を処方されました。
その後も続くのでムコスタ点眼液も試してみましたが今度は涙点プラグが詰まってしまい、またヒアレインに戻りました。

眼科に行く目的がなくなると、ヒアレインも切れてしまってそのままにしてたけど、OTCで買えるならいいな、と思いました。

なのに、なのに、なんで。

意地悪いですが、こっちは調べる方法知ってますからね。まずは、ヒアレイン0.1の添付文書を読んでみます。
効能効果は、
●スティーブンス・ジョンソン症候群の角結膜上皮障害
●ドライアイの角結膜上皮障害
●眼球乾燥症候群の角結膜上皮障害
●シェーグレン症候群の角結膜上皮障害
●外因性疾患の角結膜上皮障害
●内因性疾患の角結膜上皮障害
つまり、眼が乾くことで問題になっているということですね。

次に、ヒアレインSの審査報告書を読んでみます。
要指導医薬品のようです。
[効能・効果]目の次の症状の緩和:乾き、異物感(コロコロ・チクチクする感じ)、疲れ、かすみ、ソフトコンタクトレンズまたはハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感
(中略)
・日常生活における眼表面の乾燥に伴う様々な症状は一般消費者が認識可能であり、本剤は、一般消費者自らの判断でそれらの症状の緩和を目的に使用することを想定している。
としながら、一方で、「ドライアイ」は、医師の診断が必要な疾患であるため、OTCの効能・効果としては認められない。

「目の乾き」はいいけど「ドライアイ」はダメだということ。
なーんだ、
「ドライアイってわけではないけど目が乾くんですぅ〜」と言えば買えたのか。

ちなみに、ドライアイの診断は私が10年ほど前に診察した時から診断基準がかなり変わって、涙液層破壊時間の短縮をもって確定診断されます。かつて行われていたのは下まぶたに試験紙をぶらさげて涙の量を測るというもの(シルマー試験法)でしたが、この時点での診断は「ドライアイの疑い」になります。
つまり、私はまだ「ドライアイ」と診断されたことはなかったというわけです。

おばはんに嵌められました。
たぶん、その人もドライアイの診断基準なんか知ろうはずもないですが、ドヤ顔はいけませんね。
めんどくさいOTCはやめて眼科に行ってくることにします。

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