金沢城公園1
真面目に歩き回れば一日でも足りなさそうな広い公園内を、作り込まれた庭園様の部分と、旧日本帝国軍の跡地が占める。
敷地が広大なせいか、観光地なのに人の入りはほどほどで、雰囲気的にのんびりかつ空気感が良いのがとても良かった。
それもあってか、都内では味わえない空の本当の広さに、石川啄木の大好きな詩を思い出す。
「不来方の お城の草に寝転びて 空に吸はれし十五の心」
私の郷里のお隣の県の詩だ。
私は15歳じゃないし、もちろんここも不来方城からは数百キロも離れた場所ではあるけれど、なぜか似たような雰囲気をここに感じた。
そして同時に、晴れの日も雪の日も、ここでのんびりしたらさぞ楽しかろうなあと。
――そんな雰囲気がありました。
ちなみに蛇足ですれけど、金沢出身の知り合い二人は、ここを「金沢城址公園」と呼んでいました。
けど、現地では「金沢城公園」の表記のほうが多かったり。
どうでもいいことなのに微妙に気になったのは、職業病的なものだろうか……。
せっかく広い空の下にあるのにそんな細かいことに頭がいくって、私はどうも、つまんない都会の人になっちゃったんだなあなどと。
流れる雲を見ながら思ったりしたのでした。
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