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読者と書き手のデッドヒート

私の「30年日本史」を、全話ともコメントを付けながら読んでくれている猛者がいる。kojuroさんである。

kojuroさんは、毎日7話ずつ読むことで、徐々に私の連載スピードに追い付いてきた。
私が鎌倉前期を書いている間、kojuroさんは神代・人代を読み、私が鎌倉中期を書いている間、kojuroさんは平安時代を読んでいた。
そして昨日、遂に私の連載スピードに追い付いた。

追い付いたタイミングで書いてくださったのが、この紹介記事である。

いやはや、「ただ歴史を書くのではなく、あくまで人間に着目する」という私のスタンスをここまで評価いただいているとは。実にありがたい。
そう、「30年かけて歴史上の出来事を網羅するぞ」という無茶な企画が注目されがちなのだが、私の最も重視するポイントは実は
「人に着目する」
というところなのだ。

土地制度、税制、行政組織の在り方。歴史を語る上で着目すべきポイントは多数ある。土地制度を見ていくと
「ああ、だから〇〇政権は滅びたのか」
などと納得できる部分もある。
しかしそれでもなお、華々しい英雄の活躍や、政治家の苦悩に焦点を当てた歴史を語りたい。

なぜなら。
楽しいからだ。

「いやいや、歴史というのは現代人の教養としてだな・・・」
「現代社会がいかにして成立したかを知ることに意義が・・・」
といった声が聞こえてきそうである。もちろんそれは否定しない。
でも私の目的はあくまでも、楽しむこと。

だから平家物語やら太平記の、
「これは後世の創作だろうなあ」
といったエピソードもしっかりと網羅する。「史実じゃないと思う」と一言注釈は入れるけれども。

歴史上のいろんな人物が怒ったり笑ったり悲しんだりするのを見て、大いに楽しんでいただきたい。「30年日本史」の基本コンセプトはそこにあるのだ。

このスタンスは、近現代史を紹介するときも変わらない。
私の最も得意とする分野は昭和史だが、二・二六事件を音声解説するときも、太平洋戦争の原因を語るときも、あくまで「人」に着目した楽しい解説を目指してお話しした。機会を提供してくれた、そしてお話に付き合ってくれたイトーダーキさんに感謝!

最もよく読んでくださっているkojuroさんに、そのことが伝わっているのが実に嬉しい。

正直、完結できるかどうか不安もあるが、これからもまだまだ頑張るので、引き続きよろしく。

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