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日本の伝統芸能のダンス

皆様 大変ご無沙汰しております。

自粛明けより忙しい日々を過ごしておりましたが、日々の世情にも慣れ、生活も少しづつゆとりがでてきました。
世界のダンスの連載、リスタートを切るにふさわしい題材を考えておりました。
今回は「日本の伝統芸能の踊り”歌舞伎”」をテーマにして華やかに連載したいと思います。
全何回になるのかわかりませんが、お付き合いいただけますと幸いでございます。このグローバリゼーションの世で、外国の方に日本の事を聞かれる事もよくある話かと思いますので、何卒お役立てください。
いきなり歌舞伎の話に進むのも、わびさびがないと思いますので、皆さんが知ってそうで意外と知らない(特に若い方々)日本の伝統文化について簡単にまとめていきたいと思います。
ここを理解した上で、日本が世界に誇る伝統のダンス「歌舞伎」に足を踏み入れていきましょう。

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茶道

招いたお客に対してお茶を立ててふるまう。まさにホスピタリティー精神の表れ。お・も・て・な・しとはこのこと。そのお茶の味を味わう伝統芸能である。ただお茶をたしなむのではなく、茶道具や茶室のしつらい、作法など、トータルで楽しむもの。
お茶のたて方はもちろん飲み方にも作法がある。
12世紀ごろ、禅僧の栄西がお茶を飲む習慣を中国から持ち帰ってきたのが始まり、安土桃山時代に、千利休が今の茶道の基礎を作ったとされる。
質素で趣のある「わび」という美意識を大切にしていた。私の大好きな映画
利休」は一見の価値ありでございます。その利休の子孫たちが、それぞれ表千家・裏千家・武者小路千家の三千家をつくり、今の茶道の伝統を守り続けている。おもてなしどころか、うらもおもても武者もあるのですよ。抹茶アイスを薦めるときにでも、うんちくを披露してみよう。

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華道

沢山の外国人向け民泊施設ができて、フロント辺りをめかしている草花や木の枝。
これこそが華道であります。大きさの種類は様々でありますが、花器(花をいけるうつわ)にさして、美しい形をつくる技術。華道、花道、生け花などの呼び名がある。こちらも室町時代に、置物や掛け軸などを飾る床の間がつくられるようになって、そこを飾るものとして発達していった。
室町時代の華道の名手・池坊専慶が現在でも最大流派である池坊の開祖である。池坊・草月流・小原流が生け花の3大流派と呼ばれている。
口が広くて浅い水盤という花器に、太い針がたくさんついた剣山という土台を置いて、そこに草花や木の枝などを切って刺して飾ります。
立花(まっすぐな枝を中心に配置する)、投入花(自由にいけること)といった様式がある。教養としてのアートを学びたいので、非常に興味がある文化の一つです。

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舞による演技と、歌とおはなしによる音楽を合わせた伝統芸能。
もともとは、ものまねや笑いの芸能から始まっている。
能舞台で、能面をつけて、決まった型にのっとって演技をする。
野外でたきぎをたいて演じる「薪能」は、神秘の世界に我々を引き込む。


観世流の創始者である観阿弥が能の基礎を作り、子の世阿弥が、室町幕府3代将軍足利義満の保護を受けて現在の能を完成させた。
主役のシテは、演者であるとともに演出もする。ツレ・トモ・ワキと呼ばれるわき役たちがまわりをかためて演じている。花よりも花のごとくっていう漫画もすごく楽しくてわかりやすいですよ。

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風姿花伝」は、観阿弥から学んだ能の奥義や、世阿弥の芸術観などについて書かれた名著である。

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狂言

能と同じころにできた芸能。狂言は、セリフと身振り手振りを中心にした、庶民の劇として発達した。能は歌とおどりの芸能、狂言はおもしろいセリフで演じる芸能と、ちょっと方向性が変わってくるが、「能楽」とまとめて呼ぶこともある。
皮肉な笑いもあるけれど、庶民のための娯楽としてはじまった狂言は、むずかしいことを考えずに笑うことを大事にしている。
代表的な演目「附子」では、ケチな主人が、つぼにはいった砂糖を独り占めするべく、家臣の「太郎冠者」と次郎冠者には毒だと嘘をつく。砂糖を食べた二人が主人をとんちでやりこめるお話。

NHKの日本の芸能という番組でもよくやってて筆者も一人でよくにんまりしている。セリフと動きがあるので、今のスピード感のあるコントの真逆で、間がしっかりありすごく楽しめる。
狂言とは、常識に外れたことや冗談という意味で、「万葉集」の中にも「たわごと」という読み方で登場している。

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文楽

琵琶や三味線の伴奏に合わせて、人形つかいが人形をうごかして演じる人形劇。「人形浄瑠璃」とも呼ばれる。ひとりで1体を動かす「ひとりづかい」と3人で1体を動かす「3人づかい」がある。
主役の人形は「主づかい」「左づかい」「足づかい」の3人で動かす。3人の息が合わないと人形が人間らしく見えない。
人形は表情が変わらないし、セリフも言わない。
その分、細やかな手の動きや首の動きでいろいろな感情表現をおこなう。
是非ダンサー諸君にも見てもらいたい。
ここまで細かく巧に作られた人形は世界でも類をみない。
モノづくり日本といったところか。
代表的な「曽根崎心中」では、醤油屋の徳兵衛と遊女のお初が。周囲の反対や困難をへて、生まれ変わったら一緒になろうと心中する物語。
こういったシリアスなものも生身の人ではない人形浄瑠璃で一躍人気になった理由が理解できる。

日本が世界に誇るマリオネットである。

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雅楽

日本の雅楽は、奈良時代から宮廷で育まれた正統な音楽という意味である。貴族たちが楽しんだ音楽であって、庶民の「俗学」とは対義語にあたる。
今は、宮内庁に楽部がつくられて雅楽の伝統を引き継いでいる。
雅楽は古代中国を起源とし、日本、朝鮮半島、ベトナムなどに伝わっていった。日本の雅楽には日本古来のものと中国からきたものとがあるとされる。
管楽器・弦楽器・打楽器に大きく分類され、管楽器には竜笛(竹製の横笛)篳篥(小型の縦笛)、笙(ハーモニカに似たもの)など。
弦楽器には琵琶や箏、打楽器には太鼓などが使われる。
新道で神をまつわる為に、宮廷で演奏され舞を舞う御神楽のような、雅楽は儀礼の時に披露されることが多い。
雅楽は歌舞伎などとともにユネスコの無形文化財に登録されている。
雅楽が脳に与える影響などもこちらにまとまっている。

かなり興味深い、脳と音楽の関係性。古来から貴族がたしなんでいたのがわかりますね。

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歌舞伎

最後に歌舞伎を紹介して、次号につなごうと思う。
歌、おどり、芝居を合わせた庶民の芸能。異様なかっこうをするという意味の「かぶく」という言葉からきている。役者は顔に「くまどり」をして役を演じる。衣装や独特の所作などの様式美から、海外の人にも人気がある。
ちなみにくまどりの色や模様で悪役や正義の味方かわかるようになっている。
歌舞伎をはじめたのは意外にも女性であり、安土桃山時代の、「出雲阿国」という女性だとされている。子供のころからおどって各地を回っていたという。ストーリーは大きく二つに分類でき、歴史上の事件をテーマに「時代物」と、社会のことや庶民の感情をテーマにした「世話物」に分類される。
「裏方」(舞台裏で働く人)「正念場」(もっとも肝心なところ)黒幕(かげで合図をする人)などは、歌舞伎から生まれた言葉である。
幕ノ内弁当も、歌舞伎の幕間(休憩時間)に食べるもとしてはじまった。

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ということで、腹が減っては更新もできず・・・。

本日はここまで。またお会いしましょう。m(_ _)m

ここまで読んでくださってありがとうございます。

ダンススタジオタートル 代表 KU-NI

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