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「安易なカタカナ英語よりも日本語を」 2018 2/18

僕はサッカーが大好きで、特に海外サッカーの記事は毎日チェックしている。試合は4日や3日おきにしかないのにだ。試合と試合の合間に選手移籍の噂や、チームに対する不満コメントなどがあるので、話題には事欠かない。大体ゴシップ記事で、嘘や誇示した様な記事ばっかりなのだが・・・。

その中でもお気に入りのwebサイトがあって、名をJ SPORTSコラムというのだが、そこに掲載されている記事がとても面白い。対戦カードの詳細な情報だったり、チームがいまどんな境遇にあっているのかなどを掲載していて、とても読み応えがある。何より記事が面白い。そしてそんな面白い記事の中に特に気になる記事があった。

中国のサッカー用語を見ながら考えた 最近のサッカー界では、安易なカタカナ語使用が多すぎないか?

上記した記事だ。

簡単にまとめると、中国ではゴールキーパーを「守門員」、ディフェンダーを「後衛」、ミッドフィールダーを「中衛」、フォワードを「先鋒」など、サッカー用語を中国語に翻訳しこれらを使っている。それに対して日本は、翻訳せずに、ヨーロッパから入ってきた単語をそのままカタカナに置き換えて使っている。このままではまずいですよ!ということだ。

まさにその通りだ。中国のサッカー用語が、漢字を使い慣れている日本人からして直感的に分かる様に、英語のサッカー用語は、英語圏の人にとって直感的に分かる言葉なのだ。サッカーで一番前にいてゴールを決める仕事をこなす「フォワード」というポジションは、英語のForward(前、前方)からそのままきている。日常的にforwardという言葉を使う英語圏の人にとって、サッカーをあまり知らなくても、前にいる選手なんだと簡単に推測できる。

対して日本で使った場合はどうだろう。我々は日常的にforwardなんて言葉を発しはしないし書くこともほとんどない。全く見慣れない外国からきた言葉だ。そんな言葉を見て、直感的に一番前にいる選手、だなんて想像できない。そこに一つの壁が生まれてしまうのだ。

そしてそれはサッカー用語だけにはとどまらない。


現代における専門的な言葉の多くは、翻訳されてないカタカナ英語であふれている。それらの言葉が生まれたのが外国ということが主な原因だろう。生まれた言葉はものすごい速さで地球の裏側にある日本にまで届くのだから、翻訳する時間も必要もないのかもしれない。また翻訳する際に、元の意味からズレてしまうこともある。そのままカタカナにして使えば、元の英語の言葉を知っている人には伝わるのだから翻訳する必要なんてない。ではその言葉を知らない人はどうなる?


明治の初めの日本人が社会制度や科学用語を漢字語に置き換えてくれたことは、その後の日本の歴史にとって大きな財産となった。こういう膨大な漢字語があるから日本人は母国語で高等教育を受けることができたのだ。「だから、外国語ができなくなった」という弊害はあるが、それよりも母国語で難しい概念を操作できるメリットは大きい。日本の科学が発展したのは、そのおかげだとも言われている。

上記した記事の一節である。

そのままカタカナ英語を使うメリットは確かにあるが、個人的には翻訳したときのメリットの方が大きいと思う。第一日本は英語教育が酷いと言っていいほど進んでないので、急に難解カタカナ英語をポンと言われても理解しようがない。「分からない人は分からないでいい、分かる人同士で話しているから」なんて戯言は通用しない。

ユビキタス社会(誰でもすぐにインターネットに繋がれる社会)が隆盛し、誰でもどこでも誰にでも自分の言葉を発信できる現代において、皆が自分の言葉を理解してくれることが重要になっている。相手に自分の言葉を理解され、それによって新たなアイデアが生まれたり、関連する重要な情報などを知ることもできる。

カタカナ英語で蔓延した専門用語に救済を。日本人にわかりやすい言葉を。

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