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観察をする

夜、寝床に入る。
ヒーリングミュージックをかける。
電気を消して、目をつむる。

手が寒い。手首をさする。
しばらくすると、さする手は天国にいるおばあちゃまのものとなった。
「あっちゃんはえらいねえ。よくがんばってるねえ」
そう言いながらなでてくれる。

かと思うと突然、真っ赤とか真緑、真っ青というはっきりした色が稲妻のように飛び散って、こわいものがたくさん出てくる。大きなサソリ、見開かれた目、閻魔大王などなど……。
うへえ! とうなりながら、わたしはこんなことを考えている。
――こういうときに絵を描きたいと、描ける人は思うんだろうなあ。

冷静になろうとし、目をつむった中の世界を眺める。
思い当たるフシがあるぞ。

お正月、飛ばしすぎたね?
楽しい思いをしたのはいいけど、食べすぎ、飲みすぎてやしないかい?
お酒にまかせて、心を野ざらしにしたのではないかい?

***

目をつむったとき(就寝時)、たまに音に反応することがある。音と同時に光や色が見える。

これは、共感覚というらしいです。小説を読んで知った(物語の中の人は、それで眠れなくなるくらいの共感覚の持ち主でしたが)。

あ、これか。わたしにもこの感覚がちょこっとあるんだ、と最近自覚した。音が消えてもいつまでもイメージが残っている場合もあるのだけれど、これはわたしの妄想とか夢かしら。
起こってくるものをじっと観察するようにしている。
ジェットコースターが急降下するみたいに、穏やかなところから一気にこわいイメージに。そうきたか、と身がまえる。でもあまりに急勾配なので、ちょっとおもしろくなってしまった。

というわけで心身からの文句がきたので、今日は早く休もうと思います。

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