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100字日記〈高知・四万十市編〉


野菜の出荷作業のお手伝い。じゃがいも、ニンニク、なす、ピーマン、トマト、おたよりを箱に入れて封をする。宛名シールを貼る。おしゃべりをしながら、200箱ができあがる。テーマは敬意、甘えること、痛風など。(100文字)

お昼12時。まちのスピーカーからメロディが流れる。すっかり聞いて「讃美歌なんだね」と言う。そうなんすか? 意識して聞いたことなかったな、と友人。無意識と祈りと日々が織り混ざっている感じがしていいなあ。(100文字)

温泉につかる。いつぶりだろうか? 長いことご無沙汰していた。身体にたまっていた疲労、悲しみ、怒りなんかをすーっと鎮める。「ありがとう」と労わる。それはそうと、「中村温泉」のお湯を吐いているのは、羊。(99文字)

魚の美味しいスーパーへ。女将さんのおすすめの鰤(巨大なサクで1000円!)をカゴへ。レジでは、なにやらもじもじしているおばちゃんが。女将さんの同級生らしく再会を伝えていた。親しげに話す人たちは、和む。(100文字)

朝6時。玄関を出ると、あたりは深い霧におおわれている。駅までの高速道路。お日様が目視できる不思議。しかしそれは、トンネルをくぐると晴天に変わった。山のこっちと向こうでは天気がちがう。山は土地を抱く。(99文字)

main photo by Hiroto Nakamura

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