社会人一年目の私へ贈る手紙

不本意な就職だったね。

就職氷河期真っ盛りで、他に仕事見つからなかったからね。友人達の何人かは、今でもパートやアルバイトしか経験せずに暮らしている。
仕事を得られただけマシだったと、思えるくらい酷い時代がそれから続いていくんだ。

そして、頑張って頑張って、結局その仕事を辞めることになるんだよ。身も心も壊れてね。

半年くらい経った頃に、君は見知らぬ街に飛ばされる。そこで色々な経験をするけど、そこで得たものは割と大きかったよ。

それから二年先に異動した先ではかなり不愉快な思いをする。前の上司のセクハラが、笑いにしか思えない程度に。
人間の汚い部分を嫌という程拝むことになるんだ。
食べていくためとは言え辛かったよね。

本当に辛い時、君は逃げるべきだった。
「誰も助けてくれない」と思っていたから仕方ないけど、壊れてしまっては元も子もない。
身体も心も一度壊れてしまったら、復活までに時間は掛かる。
そして残念なことに今だに君は元の状態に戻れていない。

もしかしたら、社会人になる前から壊れていたのかもしれないけど。

君はあまりにも潔癖で頑固すぎた。
上手く立ち回る事に嫌悪感を示していたけど、それが出来ない人間はまともに社会で暮らしていけない。そう、君は社会人として不適格だった。
適性テストでいつも「芸術家向き」って診断されてたのはね、「社会不適合者」という意味なんだ。知っていたら、もっとやりようが有ったんだろうけど。

今はどうしてるかって?
その仕事をを辞めて長い療養生活に入る事になったよ。色々な手助けを借りて、少しずつ人間らしさを取り戻していくことになる。
今はまだその途中だ。

絶望に支配されても、生きることを諦めなければ割となんとかなる。そのためには知識という武器を得るしかない。

止まない雨はない。
その雨を止めるのは自然ではなく、己の力だけだ。

ああそうそう、これだけは言っておく。

ネットはほどほどにな。

何やらサポートをすると私の体重が増える仕組みになっているようです