"USB"を理解しよう! -第5回 焼き切れる原因?E-Markerってなんだ?-

いきなり記事のタイトルにわけのわからない単語が出てきて引いた方もいるだろう。前々回の第3回の記事を思い出していただきたい。"ケーブルを焼き切る"という恐ろしいフレーズがあったことを…

タイトルにあるE-Markerだが、そもそもE-Markerとは、"自分の電気特性を機器へ伝えるためのICチップ"のことである。
USB Type-C to Cケーブルにおいて、
・USB PDで5Aまでの電流供給が可能である
・USB 3.1に対応している
この2つの条件のどちらか一方を満たしたケーブルにはE-Markerを搭載しなければならないことになっている。
ここからも分かる通り、あくまでもE-Markerを搭載しているのはUSB Type-C to Cケーブルのみであることも覚えておいてもらいたい。

このE-Markerに電源を供給するためのピンのことをVCONNといい、VCONNの電圧は4.75Vから5.5Vまでの間にしなければならないと定められている。VCONNはUSB Type-C端子のCC1、CC2のどちらかに接続される(第1回で書いたUSB Type-C端子の挿入向きによって異なる、上下が実際にはある、というのはこのこと)。
しかし、一部の粗悪なQuickChargeアダプタやメーカ独自充電企画に対応したアダプタはこのCC1、CC2にも最大12Vの電圧を印加してしまい、VCONNに規格以上の電圧がかかり、結果としてE-Markerを焼き切ってしまうのだ。

確実にこれを回避したいのであれば、
・USB2.0にしか対応していなく、かつ5Aまでの供給が不可能であるUSB Type-C to Type-Cケーブル
・USB Standard-A to Type-Cケーブル
このどちらかを使えば良い。
ただしどちらにせよ規格違反ではあるのだが…。

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