トランプ再選はまだ遠い、いい子ぶっても馬脚を出す
投票日までまだ3か月半残す、賭けるなら裏目の方が有利
銃撃後撮影されたポーズがドラクロワの『自由の女神』図と似ていたこともあって、米国では一気に次の大統領はトランプで決まりという空気になった風に見えるが、翌日からロイターなどが行った調査ではわずかにトランプ支持が増えた程度で、大統領選挙の投票行動にさしたる変化は起こっていないというのが事実である。
独立自主を重んじる伝統的保守派、白人優位のキリスト教原理信奉者、従来の産業労働者が優位だった時代を懐かしむ白人中低所得者、低学歴者などがトランプ支持層を形成する。
粗っぽく言えば、彼らは西欧型の理性や科学、人権や公平などへの信念よりも、自分自身の利益や美意識を優先させる反知性主義者たちである。
こういう考えには同調できないと考える人の方が圧倒的に多く、その支持を受ける有色人種やヒスパニック、LGBTの人口比率は増加している。
筆者はバイデン氏が出馬取りやめ声明を発するのは確定的と見ている。
時間的制約から次の候補としてカマラ・ハリス副大統領が民主党大会で指名されることになるが、状況によってはバイデン氏が選挙前に大統領を退任しハリス氏に交代させ、その勢いで選挙になだれ込むという奇策もありうると考えている。
いずれにしても、トランプ当選の気運が強くなればなるほど、それはまずいと考える人々の反発も強くなり、結局、帰趨を決める接戦7州の投票は民主党優位に傾くという票読みをしている。
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