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西瓜の夢

 あけましておめでとうございます、黒井瓶です。
 先ほどまで僕は怖い夢を見ていました。そこで僕はその夢の内容をブログに書き記すことにしました。新年最初の投稿にしては暗い内容となっておりますが、ご了承ください。
 ちなみに初夢とは一般的に「1/1と1/2の間の夜に見た夢」のことだとされています。「12/31と1/1の間の夜に見た夢」は初夢ではないのです。本当によかった。

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 女の子の家に遊びに来ている。とても広い平屋だ。リビングには僕以外にも数人の男友達がたむろしている。和気藹々と時間が流れていく。非常に楽しい。
 その女の子はカニバリズムの癖を持っている。しかし僕を含めた彼女の友人たちはみな彼女のその嗜好を理解し、尊重している。彼女もさすがに僕たち友人を食べようとはしない。僕たちは彼女のカニバリズムを黙認し、彼女は僕たちをカニバリズムの対象から除外する。僕たちの友情はそのようなバランスのもとに成り立っていた。
 そんなある日。僕は彼女の家のキッチンにて、「新聞紙に包まれた丸く重いもの」を発見した。その何かはキッチンのテーブルの上にごろりと横たえられていた。鉄のすえたような匂いがぷんと香る。
僕はすぐさまそれを西瓜だと思い込んだ。否、僕はそれを西瓜だと思い込もうとした。さすがに僕にも、彼女がカニバリストであるという事実を正面から受け止めることは出来なかったのである。
 そこへ件の女の子が帰ってきた。彼女は後ろに数人の男友達を引き連れていた。僕はえずきそうになる胸を抑えながら、彼女に「テーブルの上の西瓜をどこかに片付けて」と頼んだ。すると彼女はいたずらっぽい笑みを浮かべ、「へー、君にはこれが西瓜に見えるんだー」と言った。男友達もみな僕のことをあざ笑うような目で眺めている。しかし、僕には「西瓜」の実態を直視することが出来ない。僕は嘔吐しそうになる口元を抑え、「西瓜だということにしておいてほしい」と女の子に懇願した。しかし彼女はいたずらっぽい笑みをやめない。男たちもニヤニヤと僕を嘲っている。もうだめだ。この丸いものを西瓜以外の何かとして理解することは僕には出来ない。僕は頭を抱え床に卒倒した。

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