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築130年のボロ古民家をDIYで改装して、父親とお酒を飲むまでのお話 【#01】

「家は3回建てないと理想の家にはならない」

とはよく言ったもので、例にもれず、僕も自分の家に満足はいっていません。

9年前、長女が小学校に上がる前に引っ越ししておきたいなと思い、色々探していたところ、妻の実家近くに新興住宅地が建設中だったので、良い機会かと思い一軒家を購入しました。

その一軒家は、ほぼほぼ仕様は決まっていて、ある程度間取りや壁紙などを決めるぐらいしかできない「半注文住宅」というもので、理想の家とはちょっと離れた存在でしたが、それでも当時の僕が購入できる精一杯の金額でしたし、「新しい家」というだけでキラキラしたものに見えていました。
窓から見える眺めは緑が多いし、周りも同年代が多いので子どもの友達も多く、遊び相手にはこと欠かない環境で、しばらくはある程度満足していました。

が、僕の「注文住宅」への憧れの灯火は消えてはいませんでした。

数年も経ってくると「あそこの壁がもっと高かったらいいのに」「ここの前にもうちょっと余裕があれば」などなど、考え出すと止まらない理想への欲望。でも、実現するお金もない。そんな「現実の家」を、なんとか「理想の家」に近づけるためになんとかできないか ということで始めたのがDIYでした。

はじめは、キッチンカウンターをタイル貼りにしたり、そのカウンター下の壁にOSB合板を貼ってペンキを塗ったり と、THE DIYを楽しんでいました。慣れてくると少し難易度を上げて、子どものランドセルラックを作ったりだとか、家族の車とか自転車の鍵を入れるキーケースを作ったりだとか。


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そうやってコツコツと「理想の家」を目指して手をいれていたのですが、素人の僕にできることといえば日曜大工の延長でしかなく、また、新築の家をボカボカ壊してまでリノベーションする勇気もなく、やっぱりどこまでいっても「インテリア」の域を出れずにモンモンとしたDIYライフを過ごしていました。


そんなある日、実家に帰省して父親と話をしていたら、どうやら父親もDIYにハマっており、もっともっと楽しみたいということで「中古物件」を購入して秘密基地を作る計画をしているとのこと。昔から手先が器用で、バラの彫刻細工を施した自作の木彫りオルゴールを母へプレゼントしたりしていた父がDIYにハマるのも納得でしたし、何より老後の楽しみとしてはとても素敵なお金の使い方だなと。

「一緒にどうや?」という言葉に、即座に乗っかりました。

「薪ストーブとか作りたいよね!」「庭には窯とかもどう?」

などと話は盛り上がり、そのイメージが膨らむにつれ、「この秘密基地なら、僕の理想の家に近づけれるんじゃないか?」と思い始めました。もちろん名義は父親ですし、そもそもそんな権利もないのですが、なんだか半分あきらめていた理想への気持ちが救われたような気分でした。


というわけで、理想の秘密基地を作るためにこれから奮闘していくわけですが、おそらく何年もかかるプロジェクトになると予想されます。途中で諦めて「もうやーめた」とならないために、父親と一つ大きな目標を立てました。

「囲炉裏を作って、それを囲んでお酒を呑もう」


その夢を叶えるまでの記録を、少しずつここに記していこうと思います。



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