トリメ

ないものねだり。

それは人間に刻まれた「比べる」という本能に基づいた欲求。その対象は隣人の才能とか容姿などのように些細でもどかしいものや、異能力・超能力みたいな荒唐無稽なものまで様々だ。

そして最たる例こそ「鳥になりたい」だろう。

残念ながら、我々はとっくに陸上のニッチ(生態的地位)に適応してしまっているので、どこかのタイミングで起きるであろう大量絶滅で運よく生き残りさえすれば適応放散して翼を得ることも可能だろうが、それにしても偶然が富士山のように堆積しないと実現できないと思う。

しかし、自分たちがゆいいつ鳥になることを許される部位があった。

それは目だ。
そして僕はトリメだ。

正確にはトリメだと疑っている。夜気が目前に迫る夕暮時に散歩をすれば、鳥というより深海魚になった気分になる。車のヘッドライトがやたら明るくみえるし、前方にいるおばあさんが実はワンちゃんと散歩しているのにも、五、六歩先まで近づいて初めて気づく。そのミニチュアダックスフントは反射板を身につけていた。

本当に夜目がきかないので、車の運転だって夜間はなるべく避けなくてはならない。しかしながら、この時期は陽も短いし車通勤なので、退勤時はどうしても道が暗闇に沈んでしまう。だから、なるべく街灯がならんでいるような大きな国道を選んでいる。日頃のKY活動は大切。

しかし、そう考えていると、改めて気づいたことがある。

ファルコ・ランバルディ。
スターフォックスのエースパイロット。
あいつはすごい。ハヤブサかキジかは知らないけど、明らかに昼行性の鳥なのになぜか宇宙を飛び回ってるもん。自分だったら小惑星帯でぜったい隕石に突っ込んでる。

どっかでファルコに会えた人、覚えていたらでいいんで彼の目の健康の秘訣を聞いてもらえると助かります。参考にするので。

J.G.バター


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